たかさき【高崎】例文一覧 10件

  1. ・・・ 小春凪のほかほかとした可い日和の、午前十一時半頃、汽車が高崎に着いた時、彼は向側を立って来て、弁当を買った。そして折を片手に、しばらく硝子窓に頬杖をついていたが、「酒、酒。」 と威勢よく呼んだ、その時は先生奮然たる態度で、のぼ・・・<泉鏡花「革鞄の怪」青空文庫>
  2. ・・・何も穿鑿をするのではないけれど、実は日数の少ないのに、汽車の遊びを貪った旅行で、行途は上野から高崎、妙義山を見つつ、横川、熊の平、浅間を眺め、軽井沢、追分をすぎ、篠の井線に乗り替えて、姨捨田毎を窓から覗いて、泊りはそこで松本が予定であった。・・・<泉鏡花「眉かくしの霊」青空文庫>
  3. ・・・ 十時何分かの夜行で上野を発った。高崎あたりで眠りだしたが、急にぞっとする涼気に、眼をさました。碓氷峠にさしかかっている。白樺の林が月明かりに見えた。すすきの穂が車窓にすれすれに、そしてわれもこうの花も咲いていた。青味がちな月明りはまる・・・<織田作之助「秋の暈」青空文庫>
  4. ・・・午後二時というに上野を出でて高崎におもむく汽車に便りて熊谷まで行かんとするなれば、夏の日の真盛りの頃を歩むこととて、市中の塵埃のにおい、馬車の騒ぎあえるなど、見る眼あつげならざるはなし。とある家にて百万遍の念仏会を催し、爺嫗打交りて大なる珠・・・<幸田露伴「知々夫紀行」青空文庫>
  5. ・・・不明、然し、この下でバク発するかと思い、而も逃げ場もないときの心持はまともに味った。高崎、大宮以後十二時間の延着で、田端に夜の九時すぎつく。金沢からのり合わせた男、荷もつはあり、自動車はないと云うので、自分がカイ中電燈をもって居るのをだしに・・・<宮本百合子「大正十二年九月一日よりの東京・横浜間大震火災についての記録」青空文庫>
  6.  A ――佃 一郎 自分――  伸子 父 ――佐々省三   母――多計代 岩本――中西ちゑ子  弟――和一郎 南 ――高崎直子   弟――保 和田――安川ただ/咲森田、岩本散歩 或日曜後藤避暑の話、ミス ・・・<宮本百合子「「伸子」創作メモ(一)」青空文庫>
  7. ・・・特に高崎郡領一揆と大久保利通にその例を見る維新の封建地主勢力の庇護のもとにあった志士団と革命的農民との敵対関係へ、われわれの注意を向けている点は見落すことのできないことである。 明治維新を「その被圧迫階級の立場から描くことこそマルクス・・・・<宮本百合子「文学に関する感想」青空文庫>
  8. ・・・ 高崎から、段々時間が不正確になり、遅延し始めた。軍隊の輸送、避難民の特別列車の為め、私共の汽車は順ぐりあと廻しにされる。貨車、郵便車、屋根の上から機関車にまでとりついた避難民の様子は、見る者に真心からの同情を感じさせた。同時に、彼等が・・・<宮本百合子「私の覚え書」青空文庫>
  9. ・・・只酒井家に奉公する前には、上州高崎にいたことがあると云うだけである。 その時、山本平作方へ突然尋ねて来た男がある。この男は近江国浅井郡の産で、少い時に江戸に出て、諸家に仲間奉公をしているうちに、丁度亀蔵と一しょに酒井家の表小使をして、三・・・<森鴎外「護持院原の敵討」青空文庫>
  10. ・・・松井田より汽車に乗りて高崎に抵り、ここにて乗りかえて新町につき、人力車を雇いて本庄にゆけば、上野までの汽車みち、阻礙なしといえり。汽車は日に晒したるに人を載することありて、そのおりの暑さ堪えがたし、西国にてはさぞ甚しからん。このたびの如き変・・・<森鴎外「みちの記」青空文庫>