ただ・す【正す】例文一覧 5件

  1. ・・・しかし、それを自身が殉教者みたいに、いやに気取って書いていて、その苦しさに襟を正す読者もあるとか聞いて、その馬鹿らしさには、あきれはてるばかりである。 人生とは、ただ、人と争うことであって、その暇々に、私たちは、何かおいしいものを食べな・・・<太宰治「如是我聞」青空文庫>
  2. ・・・輿論を訂正するということは、これは並たいていの仕事ではない。私には、利用すべき地位もない、権力もない、お金もない、何も無い。ただ、ペン一本で、こうして考え考えしながら一字、一字、書いて、それを訂正して行こうとしているのだから、心許ない話であ・・・<太宰治「春の盗賊」青空文庫>
  3. ・・・ 私はこのような考えを正す目的で、時々最寄りの停留所に立って、懐中時計を手にしては、そこを通過する電車のトランシットを測ってみた。その一例として去る六月十九日の晩、神保町の停留所近くで八時ごろから数十分間巣鴨三田間を往復する電車について・・・<寺田寅彦「電車の混雑について」青空文庫>
  4. ・・・三 人種の発達と共にその国土の底に深くも根ざした思想の濫觴を鑑み、幾時代の遺伝的修養を経たる忍従棄権の悟りに、われ知らず襟を正す折しもあれ。先生は時々かかる暮れがた近く、隣の家から子供のさらう稽古の三味線が、かえって午飯過ぎ・・・<永井荷風「妾宅」青空文庫>
  5. ・・・ この際、同志小林多喜二の業績の評価に当って基準となるべき諸点を概括し、それによって、誤謬を含む見解を正すとともに、評価を統一することは、わが「コップ」中央協議会の責務の一つであると信じる。プロレタリア文化・文学運動の今後の正しい発展は・・・<宮本百合子「同志小林の業績の評価に寄せて」青空文庫>