たち‐いり【立(ち)入り】例文一覧 7件

  1. ・・・昨十八日午前八時四十分、奥羽線上り急行列車が田端駅附近の踏切を通過する際、踏切番人の過失に依り、田端一二三会社員柴山鉄太郎の長男実彦(四歳が列車の通る線路内に立ち入り、危く轢死を遂げようとした。その時逞しい黒犬が一匹、稲妻のように踏切へ飛び・・・<芥川竜之介「白」青空文庫>
  2. ・・・ されど室内に立入りて、その面を見んとせらるるとも、主翁は頑として肯ぜざるべし。諸君涙あらば強うるなかれ。いかんとなれば、狂せるお貞は爾来世の人に良人殺しの面を見られんを恥じて、長くこの暗室内に自らその身を封じたるものなればなり。渠は恐・・・<泉鏡花「化銀杏」青空文庫>
  3. ・・・しかしここでは実際の歴史に従ってまず無声映画を考えた後に、改めて別に発声映画の問題に立ち入りたいと思う。 なお映画に関しては経済学上からまた社会学上から見たいろいろな問題がある。しかもそれらの問題は必ずしも映画芸術上の問題と切り離して考・・・<寺田寅彦「映画芸術」青空文庫>
  4. ・・・しかしこれはほんのついでに申し上る事で、話の筋に関係した問題でもありませんから深くは立ち入りません。――何しろ私はその変な画を眺めるだけで、講演の内容をちっとも組み立てずに暮らしてしまったのです。 そのうちいよいよ二十五日が来たので、否・・・<夏目漱石「私の個人主義」青空文庫>
  5. ・・・仮令い斯くまでの極端に至らざるも、婦人の私に自力自立の覚悟あれば、夫婦相対して夫に求むることも少なく、之を求めて得ざるの不平もなく、筆端或は皮肉に立入りて卑陋なるが如くなれども、其これを求めざるは両者の間に意見の衝突を少なくするの一助たる可・・・<福沢諭吉「新女大学」青空文庫>
  6. ・・・すべく、あの首を取れと仰せられ候わば、鬼神なりとも討ち果たし申すべくと同じく、珍らしき品を求め参れと仰せられ候えば、この上なき名物を求めん所存なり、主命たる以上は、人倫の道に悖り候事は格別、その事柄に立入り候批判がましき儀は無用なりと申候。・・・<森鴎外「興津弥五右衛門の遺書」青空文庫>
  7. ・・・申すべく、あの首を取れと仰せられ候わば、鬼神なりとも討果たし申すべくと同じく、珍らしき品を求め参れと仰せられ候えば、この上なき名物を求めん所存なり、主命たる以上は、人倫の道に悖り候事は格別、その事柄に立入り候批判がましき儀は無用なりと申候。・・・<森鴎外「興津弥五右衛門の遺書(初稿)」青空文庫>