たち‐ぎえ【立(ち)消え】例文一覧 5件

  1. ・・・ 演奏会の話も、レコード吹き込みの話も、そして映画出演の話も、こうして、すべて立ち消えになってしまった。 やがて、父娘は大阪行きの汽車に乗った。車窓に富士が見えた。「ああ、富士山!」 寿子は窓から首を出しながら、こうして汽車・・・<織田作之助「道なき道」青空文庫>
  2. ・・・あれは、あのまま立消えになったようである。まえにも言って置いたように、私はいまここで当時の社会状勢を報告しようとしているのではない。私の肉体感覚の断片を書きならべて見ようと思っているだけである。         × 博愛主義。雪の四・・・<太宰治「苦悩の年鑑」青空文庫>
  3. ・・・従っていわゆる流言が流言として成立し得ないで、その場限りに立ち消えになってしまう事も明白である。 それで、もし、ある機会に、東京市中に、ある流言蜚語の現象が行われたとすれば、その責任の少なくも半分は市民自身が負わなければならない。事によ・・・<寺田寅彦「流言蜚語」青空文庫>
  4. ・・・』と思ったっていいかげんまで行けば立ち消えがして仕舞うし何かに刺撃されてもいいかげんまでほか行きませんからねえ。 すべてが小さくかたまって仕舞うんです。 自分でつとめても出来ませんよ、 極端に走る人がつとめていいかげんにする事は・・・<宮本百合子「千世子(三)」青空文庫>
  5. ・・・しかし、その話は、立ち消えて、やはり同じ誌上につづけられそこで終結した。 第一部は、健康の最もわるい時期から書きはじめた。四七年の夏八月はじめに「二つの庭」を書き終ったとき、血圧が高まり、五年前に夏巣鴨の拘置所のなかでかかった熱射病の後・・・<宮本百合子「「道標」を書き終えて」青空文庫>