たち‐き・る【断(ち)切る】例文一覧 3件

  1. ・・・たとえば月を断ち切る雲が、女の目を切る剃刀を呼び出したり、男の手のひらの傷口から出て来る蟻の群れが、女の腋毛にオーバーラップしたりする。そういう非現実的な幻影の連続の間に、人間というものの潜在的心理現象のおそるべき真実を描写する。この点でこ・・・<寺田寅彦「映画芸術」青空文庫>
  2. ・・・が波瀾多いジクザクの道を経てその晩年には遂に人類的な規模で進歩的文化の地の塩となり得た迄の過程には、とりも直さず十九世紀後半から今日まで、夥しい犠牲に堪えつつ不撓な精神と情熱とをもって、自身を縛る鎖を断ち切るために闘いつづけているロシア大衆・・・<宮本百合子「マクシム・ゴーリキイの伝記」青空文庫>
  3. ・・・ ダーリヤの、どこまでも続く思い出を突然断ち切るように、階下で風に煽られたように入口が開いた。「あら、これ、家の娘さんですの、悧口そうな眼つきだこと……何ていう名なのお前さん」「我々の言葉を理解しないんですよ、ちっとも」 レ・・・<宮本百合子「街」青空文庫>