たち‐の・く【立(ち)退く】例文一覧 3件

  1. ・・・しかも海路を立ち退くとあれば、行く方をつき止める事も出来ないのに違いない。これは自分一人でも、名乗をかけて打たねばならぬ。――左近はこう咄嗟に決心すると、身仕度をする間も惜しいように、編笠をかなぐり捨てるが早いか、「瀬沼兵衛、加納求馬が兄分・・・<芥川竜之介「或敵打の話」青空文庫>
  2. ・・・つきましては、お俊儀は今日ただ今より私が世話することになりましたにつきましては早速お宅を立ち退くことにいたします、さようあしからず御承知を願い置きます』と切り口上でベラベラとしゃべり立てました、私は文句が出ないのでございます。 それから・・・<国木田独歩「女難」青空文庫>
  3. ・・・青年は言葉なく縁先に腰かけ、ややありて、明日は今の住家を立ち退くことに定めぬと青年は翁が問いには答えず、微笑みてその顔を守りぬ。そはまたいかにしてと翁はいよいよ驚けるように目をみはりたり。されどまた七日の後には再び来たりておもむろに告別せん・・・<国木田独歩「わかれ」青空文庫>