たて‐おやま【立女形】例文一覧 3件

  1. ・・・ これは、さもありそうな事で、一座の立女形たるべき娘さえ、十五十六ではない、二十を三つ四つも越しているのに。――円髷は四十近で、笛吹きのごときは五十にとどく、というのが、手を揃え、足を挙げ、腰を振って、大道で踊ったのであるから。――もっ・・・<泉鏡花「貝の穴に河童の居る事」青空文庫>
  2. ・・・こちの人は、京町の交番に新任のお巡査さん――もっとも、角海老とかのお職が命まで打込んで、上り藤の金紋のついた手車で、楽屋入をさせたという、新派の立女形、二枚目を兼ねた藤沢浅次郎に、よく肖ていたのだそうである。 あいびきには無理が出来る。・・・<泉鏡花「開扉一妖帖」青空文庫>
  3. ・・・ あの、底知れずの水に浮いた御幣は、やがて壇に登るべき立女形に対して目触りだ、と逸早く取退けさせ、樹立さしいでて蔭ある水に、例の鷁首の船を泛べて、半ば紫の幕を絞った裡には、鎌倉殿をはじめ、客分として、県の顕官、勲位の人々が、杯を置いて籠・・・<泉鏡花「伯爵の釵」青空文庫>