だぼく‐しょう〔‐シヤウ〕【打撲傷】例文一覧 4件

  1. ・・・挫折や、打撲傷は、顛覆された列車と共に起ったものだ。 負傷者は、肉体にむすびつけられた不自由と苦痛にそれほど強い憤激を持っていなかった。「俺ら、もう十三寝たら浦潮へ出て行けるんだ。」大西は、それを云う時、嬉しさをかくすことが出来なか・・・<黒島伝治「氷河」青空文庫>
  2. ・・・腰部にかなりの打撲傷を作った。私はその翌る日、信州の温泉地に向って旅立ったが、先生はひとり天保館に居残り、傷養生のため三週間ほど湯治をなさった。持参の金子は、ほとんどその湯治代になってしまった模様であった。 以上は、先生の山椒魚事件の顛・・・<太宰治「黄村先生言行録」青空文庫>
  3. ・・・あとで彼からの手紙に依ると、彼は私たちとわかれて、それから目がさめたところは路傍で、そうして、鉄かぶとも、眼鏡も、鞄も何も無く、全裸に近い姿で、しかも全身くまなく打撲傷を負っていたという。そうして、彼は、それが東京に於ける飲みおさめで、数日・・・<太宰治「酒の追憶」青空文庫>
  4. ・・・致命の打撲傷を受けた頸のあたりはもう黒く血が凝って居た。裸にされた犬は白い歯を食いしばって目がぎろぎろとして居た。毛皮は尾からぐるぐると巻いて荒繩で括られた。そうして番小屋の日南に置かれた。太十は起きた。毛皮は耳がつんと立って丁度小さな犬が・・・<長塚節「太十と其犬」青空文庫>