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たる‐き【垂木/×棰/×椽/×榱/架】例文一覧 30件

  1. ・・・刀の刀に手のかかった事も、度々ある。そう云う時の彼はほとんど誰の眼にも、別人のようになってしまう。ふだん黄いろく肉の落ちた顔が、どこと云う事なく痙攣して眼の色まで妙に殺気立って来る。そうして、発作が甚しくなると、必ず左右の鬢の毛を、ふるえ・・・<芥川竜之介「忠義」青空文庫>
  2. ・・・、その時さえこの川は、常夏の花に紅の口を漱がせ、柳の影は黒髪を解かしたのであったに―― もっとも、話の中の川堤の松並木が、やがて柳になって、町の目貫へ続く処に、木造の大橋があったのを、この年、石にかえた。工事七分という処で、橋杭が鼻の・・・<泉鏡花「絵本の春」青空文庫>
  3. ・・・ 浜の方へ五六間進むと、土橋が一、並の小さなのだけれども、滑川にったのだの、長谷の行合橋だのと、おなじ名に聞えた乱橋というのである。 この上で又た立停って前途を見ながら、由井ヶ浜までは、未だ三町ばかりあると、つくづく然う考えた。・・・<泉鏡花「星あかり」青空文庫>
  4. ・・・かくて二十頭の牛は水上五寸の床上に争うて安臥するのであった。燃材の始末、飼料品の片づけ、為すべき仕事は無際限にあった。 人間に対する用意は、まず畳を上げて、襖障子諸財一切の始末を、先年大水の標準によって、処理し終った。並の席より尺余床・・・<伊藤左千夫「水害雑録」青空文庫>
  5. ・・・余り沢山あるのでの下に投り込まれていたものもあった。寒月の咄に由ると、くれろというものには誰にでも与ったが、余り沢山あったので与り切れず、その頃は欲しがるものもまた余りなかったそうだ。ところが椿岳の市価が出ると忽ちバッチラがいで持ってって・・・<内田魯庵「淡島椿岳」青空文庫>
  6. ・・・ダルガス、齢は今三十六歳、工兵士官として戦争に臨み、橋をし、道路を築き、溝を掘るの際、彼は細かに彼の故国の地質を研究しました。しかして戦争いまだ終らざるに彼はすでに彼の胸中に故国恢復の策を蓄えました。すなわちデンマーク国の欧州大陸に連なる・・・<内村鑑三「デンマルク国の話」青空文庫>
  7. ・・・そう云えばソレ彼処に橋代にした大きな砂岩石の板石も見える。多分是を渡るであろう。もう話声も聞えぬ。何国の語で話ていたか、薩張聴分られなかったが、耳さえ今は遠くなったか。己れやれ是が味方であったら……此処から喚けば、彼処からでもよもや聴付け・・・<著:ガールシンフセヴォロド・ミハイロヴィチ 訳:二葉亭四迷「四日間」青空文庫>
  8. ・・・ ことにこの一、二年はこの詩集すら、わずかに二、三十巻しかないわが蔵書中にあってもはなはだしく冷遇せられ、上最も塵深き一隅に放擲せられていた。否、一月に一度ぐらいは引き出されて瞥見された事もあったろう、しかし要するに瞥見たるに過ぎない・・・<国木田独歩「小春」青空文庫>
  9. ・・・と、浅く日の射している高い側に身を靠せて話しているのはお浪で、此家はお浪の家なのである。お浪の家は村で指折の財産よしであるが、不幸に家族が少くって今ではお浪とその母とばかりになっているので、召使も居れば傭の男女も出入りするから朝夕など・・・<幸田露伴「雁坂越」青空文庫>
  10. ・・・荒川橋とて荒川にせる鉄橋あり。岸高く水遠くして瀬をなし淵をなし流るる川のさまも凡ならぬに、此方の岩より彼方の岩へかかれる吊橋の事なれば、塗りたる色の総べて青きもなかなかに見る眼厭わしからず、瑞西あたりの景色の絵を目のあたり此処に見る心地す・・・<幸田露伴「知々夫紀行」青空文庫>
  11. ・・・ つぎには、これは築地の、市の施療院でのことですが、その病院では、当番の鈴木、上与那原両海軍軍医少佐以下の沈着なしょちで、火が来るまえに、看護婦たちにたんをかつがせなどして、すべての患者を裏手のうめ立て地なぞへうつしておいたのですが、・・・<鈴木三重吉「大震火災記」青空文庫>
  12. ・・・における大仕掛けの機械構が、どうも物足りなく思われるのである。「トルクシヴ」もかなりおもしろいと思って見物した。いわゆるモンタージュの芸当をあまりにわざとらしく感じさせるようなところもある。たとえば紡績機械の流動のリズムと、雪解けの渓・・・<寺田寅彦「映画雑感(1[#「1」はローマ数字、1-13-21])」青空文庫>
  13.  大垣の女学校の生徒が修学旅行で箱根へ来て一泊した翌朝、出発の間ぎわに監督の先生が記念の写真をとるというので、おおぜいの生徒が渓流にしたつり橋の上に並んだ。すると、つり橋がぐらぐら揺れだしたのに驚いて生徒が騒ぎ立てたので、・・・<寺田寅彦「災難雑考」青空文庫>
  14. ・・・比較的新しい方の例で自分の体験の記憶に残っているのは明治三十二年八月二十八日高知市を襲ったもので、学校、病院、劇場が多数倒壊し、市の東端吸江にした長橋青柳橋が風の力で横倒しになり、旧城天守閣の頂上の片方の鯱が吹き飛んでしまった。この新旧二・・・<寺田寅彦「颱風雑俎」青空文庫>
  15. ・・・ たとえば、昔の日本人が集落を作り構を施すにはまず地を相することを知っていた。西欧科学を輸入した現代日本人は西洋と日本とで自然の環境に著しい相違のあることを無視し、従って伝来の相地の学を蔑視して建てるべからざる所に人工を建設した。そう・・・<寺田寅彦「日本人の自然観」青空文庫>
  16. ・・・とに端居して天下晴れて胡坐かけるが繰り返す。兼ねて覚えたる禅語にて即興なれば間に合わすつもりか。剛き髪を五分に刈りて髯貯えぬ丸顔を傾けて「描けども、描けども、夢なれば、描けども、成りがたし」と高らかに誦し了って、からからと笑いながら、室の・・・<夏目漱石「一夜」青空文庫>
  17. ・・・あるときは黒き地に、燃ゆる焔の色にて十字を描く。濁世にはびこる罪障の風は、すきまなく天下を吹いて、十字を織れる経緯の目にも入ると覚しく、焔のみははたを離れて飛ばんとす。――薄暗き女の部屋は焚け落つるかと怪しまれて明るい。 恋の糸と誠の・・・<夏目漱石「薤露行」青空文庫>
  18. ・・・時ふと夕方の一番星の光を見て悟る所があって、犬の分際で人間を喰うというのは罪の深い事だと気が付いた、そこで直様善光寺へ駈けつけて、段々今までの罪を懺悔した上で、どうか人間に生れたいと願うた、七日七夜、の下でお通夜して、今日満願というその夜・・・<正岡子規「犬」青空文庫>
  19. ・・・ うまかったな、網野さんはなかなかうまい、と百花園のお成座敷のでお茶を飲みつつ更に先夜の笑いを新にしたのだが、その時網野さんのユーモアということが、作品にもつづいて私の頭に浮んで来た。「皮と身と離るゝ体我持てば利殖の本も買ふ気にな・・・<宮本百合子「九月の或る日」青空文庫>
  20. ・・・ 私の部屋は南向きだが、非常に寒い。がなく、障子一つで外気を防いでいるためだろう。日本の障子の風情を愛すのはピエル・ロティとヨネ・野口に止まらぬ。けれども寒いので私は風邪をひいた。一日、ホット・レモンを飲んで床についたが、無惨に高い天・・・<宮本百合子「是は現実的な感想」青空文庫>
  21. ・・・大衆の生活に入りこんでいる最低の文化水準としての講談本、或は作者の好む色どりと夥しい空的な偶然と客観的でない社会性とによって、忠実の一面を抹殺され勝な大衆髷物小説から、読者にただそれが歴史上の事実であるばかりでなく、社会的現実の錯綜の観か・・・<宮本百合子「今日の文学の展望」青空文庫>
  22. ・・・内の地内に住んで居るから、もうすこしで側につこうとした時急に敵が人の足をつついた。私はたまらなくなって「にわとり――」と叫んで草履のままに飛び上った。茶の間で新聞をよんでいらっしゃったお祖母様はおどろいてとんで来て下さった。私が草履のま・・・<宮本百合子「三年前」青空文庫>
  23. ○床の間の上の長押に功七級金鵄勲章の金額のところはかくれるような工合に折った書類が 茶色の小さい木のに入ってかかっている、針金で。○大きい木のに、勲八等の青色桐葉章を与う証が入っている。「三万五千五百八十四号ヲ以・・・<宮本百合子「Sketches for details Shima」青空文庫>
  24. ・・・この戸からすぐ庭へ出ると、庭は芝生で、薔薇の植込みがあり、ここの石の腰のところでは小噴水が眺められる、夏なんぞ涼しいよ。今度は家の内から出て、まるで庭を歩いているように具象的に話しました。こういう晩は父の機嫌は元より上々です。従って私も父・・・<宮本百合子「父の手帳」青空文庫>
  25. ・・・更紗模様の紙をはった壁に、二つ並んで錆た金の飾装品が懸って居る。其こそ我々を興がらせた。遠見に淡く海辺風景を油絵で描き、前に小さい貝殼、珊瑚のきれはし、海草の枝などとり集めて配合した上を、厚く膨んだ硝子で蓋したものだ。薄暗い部屋だから、眼・・・<宮本百合子「長崎の一瞥」青空文庫>
  26. ・・・自分が近く座っている、その位置の知覚が妙に錯倒する心持がした。金色夜叉の技巧的美文が出来ざるを得ない自然だ。――都会人の観賞し易い傾向の勝景――憎まれ口を云えば、幾らか新派劇的趣味を帯びた美観だ。小太郎ケ淵附近の楓の新緑を透かし輝いていた・・・<宮本百合子「夏遠き山」青空文庫>
  27. ・・・ 光君はに坐って肩まで髪をたれた童達が着物のよごれるのを忘れてこまかい雨の中を散った花びらをひろっては並べならべてはひろって細い絹の五色の糸でこれをつないで環をつくって首にかけたり、かざして見たりして居るのを何も彼も忘れたように見とれ・・・<宮本百合子「錦木」青空文庫>
  28. ・・・ 私はがわからつきおとされたような気持でだまってしわの多くなった私の母のかおを見つめて居た。母は又、「そんなこわいかおをして。ほんとにこまってしまう妙な子で」又妙な子と云った。 私は又娘にでも人の母にでも妻としての・・・<宮本百合子「妙な子」青空文庫>
  29. ・・・ラジオの柱から繩をつけての下の箱へ寝られるように繋いで自分も眠った。 次の朝、日曜日であったが、起きると犬は居ぬ。犬は、裏の家へ来る人の犬であったのだそうだ。男の児が今朝、樫の木の彼方から、「や、ポチがいらあ」と叫んで、連・・・<宮本百合子「蓮花図」青空文庫>
  30. ・・・石を二行に積みて、其間の土を掘りて竈とし、その上に桁の如く薪をし、これを棺を載するところとす。棺は桶を用いず、大抵箱形なり。さて棺のまわりに糠粃を盛りたる俵六つ或は八つを竪に立掛け、火を焚付く。俵の数は屍の大小により殊なるなり。初薪のみに・・・<森鴎外「みちの記」青空文庫>