たん‐さい【淡彩】例文一覧 4件

  1. ・・・のみならず作中の風景さえ、久保田君の筆に上るものは常に瀟洒たる淡彩画なり。更に又久保田君の生活を見れば、――僕は久保田君の生活を知ること、最も膚浅なる一人ならん。然れども君の微笑のうちには全生活を感ずることなきにあらず。微苦笑とは久米正雄君・・・<芥川竜之介「久保田万太郎氏」青空文庫>
  2. ・・・ ゆかただか、羅だか、女郎花、桔梗、萩、それとも薄か、淡彩色の燈籠より、美しく寂しかろう、白露に雫をしそうな、その女の姿に供える気です。 中段さ、ちょうど今居る。 しかるに、どうだい。お米坊は洒落にも私を、薄情だというけれど、人・・・<泉鏡花「縷紅新草」青空文庫>
  3. ・・・などという淡彩の小説を書いて発表したりしていました。夢川利一という筆名だったので、兄や姉たちは、ひどい名前だといって閉口し、笑っていました。RIICHI UMEKAWA とロオマ字でもって印刷した名刺を作らせ、少し気取って私にも一枚ください・・・<太宰治「兄たち」青空文庫>
  4. ・・・「小村淡彩」「一太と母」「帆」「街」はどれも一九二五年から二六年ごろにかかれた。日本の文学には無産派文学運動が擡頭していて、アナーキズムとボルシェビズムの対立のはっきりしはじめた時代であった。蔵原惟人・青野季吉その他の人々によって、芸術・・・<宮本百合子「あとがき(『宮本百合子選集』第三巻)」青空文庫>