たん‐さく【探索】例文一覧 15件

  1. ・・・この池へおちつくまで、私たちはどんなに方々の沼や、潟を探索したかしれません。けれど、どこにもすばしこい猟犬の鳴き声をきくし、狡猾な人間の銃をかついだ姿を見受けるし、安心して、みんなの休むところがなかったのです。そして、ようやく、この禁猟区の・・・<小川未明「がん」青空文庫>
  2. ・・・ 松木と武石との中隊が、行衛不明になった時、大隊長は、他の中隊を出して探索さした。大隊長は、心配そうな顔もしてみせた。遺族に対して申訳がない、そんなことも云った。――しかし、内心では、何等の心配をも感じてはいない。ばかりでなく、むしろ清・・・<黒島伝治「渦巻ける烏の群」青空文庫>
  3. ・・・ 彼等は、戸棚や、テーブルや、ベッドなどを引っくりかえして、部屋の隅々まで探索した。彼等は、そこにある珍らしいものや、値打のありそうなものを、×××××××××××××××ろうとした。 既に掠奪の経験をなめている百姓は、引き上げる時・・・<黒島伝治「パルチザン・ウォルコフ」青空文庫>
  4. ・・・若い女は、話し乍ら、さげすむようなまた探索するような、眼なざしで二三度じいさん達を見た。と、清三が老人達の方へ振り向いた。女は、さっと顔一面に嫌悪の情をみなぎらせたが、急に、それを自覚して、かくすように、「いらっしゃいまし。」と頭を下げ・・・<黒島伝治「老夫婦」青空文庫>
  5. ・・・けれども、それだけのことであって、そのうえ女の子に就いてのふかい探索をして見ようとは思わない。 しかし、誰かひとりが考える。なぜ、日本橋をえらぶのか。こんな、人通りのすくないほの暗い橋のうえで、花を売ろうなどというのは、よくないことなの・・・<太宰治「葉」青空文庫>
  6. ・・・科学の方面で云えば、例えばある方則または事実の発見前幾年に誰が既にこれに類似の事を述べているといったような事を探索して楽しむのである。 次にもう少し類を異にした骨董趣味がある。一体科学者が自己の研究を発表するに当って、その当面の問題に聯・・・<寺田寅彦「科学上の骨董趣味と温故知新」青空文庫>
  7. ・・・ 鳥さしは維新以前には雀を捕えて、幕府の飼養する鷹の脚を暖めさせるために、之を鷹匠の許へ持ち行くことを家の業となしていたのであるが、いつからともなく民間の風聞を探索して歩く「隠密」であるとの噂が専らとなったので、江戸の町人は鳥さしの姿を・・・<永井荷風「巷の声」青空文庫>
  8. ・・・はなはだしきは権家に出入して官の事業を探索する等、無用の時を費して本業を忘るるにいたる。その失、二なり。一、官の学校にては、おのずから衣冠の階級あるがゆえに、正しく学業の深浅にしたがって生徒席順の甲乙を定め難き場合あり。この弊を除くの一・・・<福沢諭吉「学校の説」青空文庫>
  9. ・・・いわんや彼の西洋諸大家の理論書を窺い、有形の物理より無形の人事に至るまで、逐一これを比較分解して、事々物々の原因と結果とを探索するにおいてをや。読てその奥に至れば、心事恍爾としてほとんど天外に在るの思をなすべし。この一段に至て、かえりみて世・・・<福沢諭吉「旧藩情」青空文庫>
  10. ・・・然るに日本に於ては趣を異にし、男子女子の為めに配偶者を求むるは父母の責任にして、其男女が年頃に達すれば辛苦して之を探索し、長し短し取捨百端、いよ/\是れならばと父母の間に内決して、先ず本人の意向如何を問い、父母の決したる所に異存なしと答えて・・・<福沢諭吉「新女大学」青空文庫>
  11. ・・・ それには、やはり作家が、文学の領野の内でのあれからこれへの探索から、もっとじかに人生を素朴に浴びなければならず、生活そのものでむかれ新にもされてゆかねばなるまい。 現実にじかにぶつかれ、と云う声もあるとき、こういうのは愚劣な重複の・・・<宮本百合子「人生の共感」青空文庫>
  12. ・・・ 生れてこのかた、今日まで泥棒と云うものに入られた事のなかった私は、此那ことをして一々探索してあるく事が此上なく、面白かった。 命に別状さえなく、彼那嫌な風付きにさえならないですむなら、たまには探偵も面白いだろうなどと思われた。・・・<宮本百合子「盗難」青空文庫>
  13. ・・・ 現代の社会では殆ど国際的に何故このように所謂純情が探索され、憧憬され、しかもその純情なるものが社会発展の歴史から見た場合、消極的な意味を多くもつ形態で発露されたときにだけ、様々の感歎の的になるのであろうか。疑問というのはそのことなので・・・<宮本百合子「私も一人の女として」青空文庫>
  14. ・・・あなたが誰と知合になられたとか、誰と芝居へおいでになったとか云うことを、わたくしは一しょう懸命になって探索したのです。あのころ御亭主は用事があってロンドンへ往っておいでになると云うことでしたから。 女。ええ。あの時のあなたの御様子は、ま・・・<著:モルナールフェレンツ 訳:森鴎外「最終の午後」青空文庫>
  15. ・・・新王はただ一人で妃の探索に出かけ、妃の夢の告げによって山中で妃の白骨と十二歳になった王子とを見いだすのである。そこで不老上人に乞うて妃を元の姿に行ないかえしてもらうということが、話の本筋にはいってくる。妃の蘇りにとって障げとなったのは、妃の・・・<和辻哲郎「埋もれた日本」青空文庫>