だん‐そう【断層】例文一覧 9件

  1. ・・・ 獅子のいる草原の中にどうも地震による断層らしく見えるものが写っている。あとで地震学者に聞いてみると、あのタンガニイカ湖付近には実際大地震による断層が縦横に通っているのである。この一部が偶然にライオンの背景の中に出ているのも実写映画の妙・・・<寺田寅彦「映画雑感(1[#「1」はローマ数字、1-13-21])」青空文庫>
  2. ・・・すなわち東西に走る連山が南北に走る断層線で中断されたものである。さらにまたこの海峡の西側に比べると東側の山脈の脊梁は明らかに百メートルほどを沈下し、その上に、南のほうに数百メートルもずれ動いたものである事がわかる。もっともこの断層の生成、こ・・・<寺田寅彦「怪異考」青空文庫>
  3. ・・・それが皺曲や断層やまた地下熔岩の迸出によって生じた脈状あるいは塊状の夾雑物によって複雑な構造物を形成している。その構造の如何なる部分に如何なる移動が起ったかが第一義的の問題である。従ってその地質的変動によって生じた地震の波が如何なる波動であ・・・<寺田寅彦「地震雑感」青空文庫>
  4. ・・・地震なども、いわゆる地震国日本の地震などとは比較にならないような大仕掛けのが時々あって、途方もない大断層などもできるらしい。ロプ・ノールの転位でも事によると地殻傾動が原因の一部となっているかもしれないと思われる。 同じ雑誌にエリク・ノー・・・<寺田寅彦「ロプ・ノールその他」青空文庫>
  5. ・・・(断層泉 富沢は蕗をつけてある下のところに足を入れてシャツをぬいで汗をふきながら云った。 頭を洗ったり口をそそいだりして二人はさっきのくぐりを通って宿へ帰って来た。その煤けた天照大神と書いた掛物の床の間の前には小さなランプがついて二・・・<宮沢賢治「泉ある家」青空文庫>
  6. ・・・ その中で、自分が草臥れきって眠っていた下関発の夜汽車は、丹那で大断層の起った少しあと三島駅を通過した。 伊豆地方の大震災 惨たる各地の被害 震源地は丹那盆地 死者二百三十二名 伊豆震災救済策 震災地方の納税減免・・・<宮本百合子「ニッポン三週間」青空文庫>
  7. ・・・ 心持の表面を掠めるのではなく、生活感情の断層のようなところから、そういう落着かなさ、内容の不明な不安がきまった箇所にいつも閃いて見えるようになった時、その人たちは、自分の生活がなんだか全部あるべきようには無いのだという自覚を持ちはじめ・・・<宮本百合子「私たちの社会生物学」青空文庫>
  8. ・・・ストリンドベルヒはこれに反して社会の断層を描くのに自伝的の匂いをもって貫ぬいている。心理は鋭く、描写はカリカチュアに近いほど鮮やかである。しかも彼の心理観察の周密は常に描写のカリカチュアに堕するのを救う。従って彼の描写は簡素の限度だと言う事・・・<和辻哲郎「生きること作ること」青空文庫>
  9. ・・・ 大正三年ごろの木曜会は、初期とはだいぶ様子が違って来ていたのであろうと思うが、私にはっきりと目についたのは、集まる連中のなかの断層であった。古顔の連中は一高や大学で漱石に教わった人たちであるが、その中で大学の卒業年度の最もあとなのは安・・・<和辻哲郎「漱石の人物」青空文庫>