ちかい〔ちかひ〕【誓い】例文一覧 25件

  1. ・・・「当来の波羅葦僧にかけても、誓い申すべきや。」と云ったら、相手が「誓い申すとの事故、それより上人も打ちとけて、種々問答せられたげじゃ。」と書いてあるが、その問答を見ると、最初の部分は、ただ昔あった事実を尋ねただけで、宗教上の問題には、ほとん・・・<芥川竜之介「さまよえる猶太人」青空文庫>
  2. ・・・花田  誓いを立てたんだからみんな大丈夫だ。瀬古は自信をもって歩きまわる。花田は重いものをたびたび落として自分のほうに注意を促す。沢本は苦痛の表情を強めて同情をひく。青島はとも子の前にすわってじっとその顔を見ようとする。戸部は画・・・<有島武郎「ドモ又の死」青空文庫>
  3. ・・・ ケーは、このじいさんに誓いました。じいさんは、この少年の言葉を聞いて、ひじょうに喜びました。「やっと私は安心した。そんならおまえに話すとしよう。私は、この世界に昔から住んでいた人間である。けれど、どこからか新しい人間がやってきて、・・・<小川未明「眠い町」青空文庫>
  4. ・・・て、はたして秋山さんは来るだろうかと、田所さんたちに会うたび言い言いしていたところ、ちょうど、彼岸の入りの十八日の朝刊でしたか、人生紙芝居の記事を特種にしてきた朝日新聞が「出世双六、五年の“上り”迫る誓いの日、さて相手は?」来るだろうかとい・・・<織田作之助「アド・バルーン」青空文庫>
  5. ・・・ぐ細川を呼びにやった、細川は直ぐ来た、其処で梅子嬢も一座し四人同席の上、老先生からあらためて細川に向い梅子嬢を許すことを語られ又梅子嬢の口から、父の処置に就いては少しも異議なく喜んで細川氏に嫁すべきを誓い、婚礼の日は老先生の言うがままに来十・・・<国木田独歩「富岡先生」青空文庫>
  6. ・・・一年の独居はいよいよこの自信を強め、恋の苦しみと悲しみとはこの自信と戦い、かれはついに治子を捨て、この天職に自個を捧ぐべしと自ら誓いき。後の五月はこの誓いと恋と戦えり。しかしてかれ自ら敗れ、ついに遠く欧州に走らばやと思い定めき。最初父はこれ・・・<国木田独歩「わかれ」青空文庫>
  7. ・・・何故ならそれだと夫婦生活の黄金時代にあったときにも、その誓いも、愛撫も、ささやきも、結局そんな背景のものだったのかと思えるからだ。 権利思想の発達しないのは、東洋の婦人の時代遅れの点もあろうが、われわれはアメリカ婦人のようなのが、婦人と・・・<倉田百三「愛の問題(夫婦愛)」青空文庫>
  8. ・・・ペーガン的恋愛論者がいかに嘲っても、これが恋愛の公道であり、誓いも、誠も、涙も皆ここから出てくるのだ。二人の運命を――その性慾や情緒をだけでなく――ひとつに融合しようとするものでなくては恋愛ではない。この愛らしの娘は未来のわが妻であると心に・・・<倉田百三「学生と生活」青空文庫>
  9. ・・・ こうした深くしみ入り二世をかけて結ぶ愛の誠と誓いとは、日蓮に接したものの渇仰と思慕とを強めたものであろう。     九 滅度 身延山の寒気は、佐渡の荒涼の生活で損われていた彼の健康をさらに傷つけた。特に執拗な下痢に悩ま・・・<倉田百三「学生と先哲」青空文庫>
  10. ・・・決してそんなことのない誓いをさせてやっと許した。 源信僧都の母は、僧都がまだ年若い修業中、経を宮中に講じ、賞与の布帛を賜ったので、その名誉を母に伝えて喜ばそうと、使に持たせて当麻の里の母の許に遣わしたところ、母はそのまま押し返して、厳し・・・<倉田百三「女性の諸問題」青空文庫>
  11. ・・・愛し、誓い、捧げ、身を捨てるようなまともな態度でなければこの人生の重大面を乗り切れないからである。元来日本人は「水魚の交わり」とか「血を啜って結盟する」とか「二世かけてちぎる」とかいうような、深い全身全霊をかけての結合をせねばやまない激しい・・・<倉田百三「人生における離合について」青空文庫>
  12. ・・・変りは、あるまいな。誓います。誰にも言いません。苦しいことがあるのじゃないか。事を行うまえに、たのむ、僕にちょっと耳打ちして呉れ。一緒に旅に出よう。上海でも、南洋でも、君の好きなところへ行こう。君の好いている土地なら、津軽だけはごめんだけれ・・・<太宰治「虚構の春」青空文庫>
  13. ・・・ 末の世の尽きて、その末の世の残るまでと誓いたる、クララの一門に弓をひくはウィリアムの好まぬところである。手創負いて斃れんとする父とたよりなき吾とを、敵の中より救いたるルーファスの一家に事ありと云う日に、膝を組んで動かぬのはウィリアムの・・・<夏目漱石「幻影の盾」青空文庫>
  14. ・・・しかしわたくしはあなたに誓います。それがわたくしに分かったのは一昨日のことでございます。あのロメエヌ町の白い客間にいらっしゃるのを隙見をいたした時、それが分かったのでございます。 わたくしは隙見をいたしました。長い、長い間わたくしはあの・・・<著:プレヴォーマルセル 訳:森鴎外「田舎」青空文庫>
  15. ・・・この竜はあるとき、よいこころを起して、これからはもう悪いことをしない、すべてのものをなやまさないと誓いました。そして静かなところを、求めて林の中に入ってじっと道理を考えていましたがとうとうつかれてねむりました。全体、竜というものはね・・・<宮沢賢治「手紙 一」青空文庫>
  16. ・・・さっきの誓いも何もかもみんな取り消しだ。ギイギイギイ、フウ。ギイギイフウ。」と云いながら向うへ走って行ってしまいました。二人は落ちながらしっかりお互の肱をつかみました。この双子のお星様はどこ迄でも一緒に落ちようとしたのです。 二人のから・・・<宮沢賢治「双子の星」青空文庫>
  17. ・・・永久に忠勤を誓い奉ります。」「うん。しっかりやって呉れ。ゆうべの裁判のことはもう聞いた。それに今朝はこれから巡視に出るそうだな。」「はい。恐れ入ります。」「よろしい。どうかしっかりやって呉れ。」「かしこまりました。」 そ・・・<宮沢賢治「ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記」青空文庫>
  18. ・・・はたらいてつかれたからだを、踊ったりうたったりしている娘たちや若者たち、わたくしは何べんも強く頭をふって、さあ、われわれはやらなければならないぞ、しっかりやるんだぞ、みんなのために、とひとりでこころに誓いました。 そして八月三十日の午ご・・・<宮沢賢治「ポラーノの広場」青空文庫>
  19. ・・・これまで日本の民衆はさまざまの奇妙独善的な人権蹂躙的な誓いをたてさせられてきた。こんにち民衆が自分の未来のためにもっている誓いはただ一つしかない。それは欺瞞のない日本の民主化と自主自立の民族生活をもつことである。新しい五人の放送委員はあらた・・・<宮本百合子「今日の日本の文化問題」青空文庫>
  20. ・・・そして帝国主義戦争に絶対反対、ファッシズム絶対反対を叫ぶ世界の姉妹と団結し、最後の戦いをともに戦うプロレタリアの新な誓いと決意の日なのである。オーリャが読み終ると、赤い布で白髪をつつみ、腕組をしたままじっと聞いていた六十八歳のアガーシャ小母・・・<宮本百合子「ソヴェト同盟の三月八日」青空文庫>
  21. ・・・江波と初めてそういういきさつに立ったところを、「次の夜彼等はお互の愛を誓い合った」という一行でだけかいて避けているところも、印象にのこる。それまでの筆致の自然な勢と傾向とを、そこでは体を堅くして踏んばってそれだけにとどめているところ、そして・・・<宮本百合子「文学と地方性」青空文庫>
  22. ・・・そして、馬鹿げた仕事でひきずり廻され、馬鹿げた悪態で辱かしめられる小僧であった私は、大きくなった時には、これらの人々を助け、正直に彼等の役に立とうというおごそかな誓いを立てたのであった。」 この製図工見習もものにならず、ゴーリキイはその・・・<宮本百合子「逝けるマクシム・ゴーリキイ」青空文庫>
  23. ・・・』『わしは誓います、わしはてんでそんなことはまるきり知らねエだ。』『でもお前は見つかッたゾ。』『人がわしを見たッて、わしを。そのわしを見つけたチゅうのは全体たれのこッてござりますべエ。』『馬具匠のマランダン。』 そこで老・・・<著:モーパッサン ギ・ド 訳:国木田独歩「糸くず」青空文庫>
  24. ・・・二人は午餉を食べながら、身の上を打ち明けて、姉妹の誓いをした。これは伊勢の小萩といって、二見が浦から買われて来た女子である。 最初の日はこんな工合に、姉が言いつけられた三荷の潮も、弟が言いつけられた三荷の柴も、一荷ずつの勧進を受けて、日・・・<森鴎外「山椒大夫」青空文庫>
  25. ・・・私は自分に近い人々を一人一人全身の愛で思い浮かべ、その幸福を真底から祈り、そうしてその幸福のためにありたけの力を尽くそうと誓いました。やがて私の心はだんだん広がって行って、まだ見たことも聞いたこともない種々の人々の苦しみや涙や歓びやなどを想・・・<和辻哲郎「ある思想家の手紙」青空文庫>