ちく‐しょう〔‐セフ〕【蓄×妾】例文一覧 4件

  1. ・・・ 尤もその頃は武家ですらが蓄妾を許され、町家はなお更家庭の道徳が弛廃していたから、さらぬだに放縦な椿岳は小林城三と名乗って別に一戸を構えると小林家にもまた妻らしい女を迎えた。今なら重婚であるが、その頃は門並が殆んど一夫多妻で、妻妾一つ家・・・<内田魯庵「淡島椿岳」青空文庫>
  2. ・・・依て窃に案ずるに、本文の初に子なき女は去ると先ず宣言して、文の末に至り、妾に子あれば去るに及ばずと前後照応して、男子に蓄妾の余地を与え、暗々裡に妻をして自身の地位を固くせんが為め、蓄妾の悪事たるを口に言わずして却て之を夫に勧めしむるの深意な・・・<福沢諭吉「女大学評論」青空文庫>
  3. ・・・この他なお細かに吟味せば、蓄妾淫奔・遊冶放蕩、口にいい紙に記すに忍びざるの事情あらん。この一家の醜体を現に子供に示して、明らかにこれに傚えと口に唱えざるも、その実は無辜の小児を勧めて醜体に導くものなり。これを譬えば、毒物を以て直にこれを口に・・・<福沢諭吉「教育の事」青空文庫>
  4. ・・・にさまざまのブルジョア的なひきがからんでいること、今日文壇に出ようと思えば銀座辺のはせ川とかいう店で飲まなければ駄目だとか、公然の秘密となっている菊池寛を先頭としてのさまざまの程度の代作あるいは放蕩、蓄妾その他は、ブルジョア風な世界観に支配・・・<宮本百合子「一九三四年度におけるブルジョア文学の動向」青空文庫>