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ち‐しき【知識/×智識】例文一覧 33件

  1. ・・・僕は勿論社会科学に何の知識も持っていなかった。が、資本だの搾取だのと云う言葉にある尊敬――と云うよりもある恐怖を感じていた。彼はその恐怖を利用し、度たび僕を論難した。ヴェルレエン、ラムボオ、ヴオドレエル、――それ等の詩人は当時の僕には偶像以・・・<芥川竜之介「彼」青空文庫>
  2. ・・・それはなにも監督が不正なことをしていたからではなく会計上の知識と経験との不足から来ているのに相違ないのだが、父はそこに後ろ暗いものを見つけでもしたようにびしびしとやり込めた。 彼にはそれがよく知れていた。けれども彼は濫りなさし出口はしな・・・<有島武郎「親子」青空文庫>
  3. ・・・曰く、「あらゆる行為の根底であり、あらゆる思索の方針である智識を有せざる彼等文芸家が、少しでも事を論じようとすると、観察の錯誤と、推理の矛盾と重畳百出するのであるが、これが原因を繹ねると、つまり二つに帰する。その一つは彼等が一時の状態を永久・・・<石川啄木「性急な思想」青空文庫>
  4. ・・・ 山国に育ったから、学問の上の知識はないが……蕈の名の十やら十五は知っている。が、それはまだ見た事がなかった。……それに、私は妙に蕈が好きである。……覗込んで何と言いますかと聞くと「霜こしや。」と言った。「ははあ、霜こし。」――十一月初・・・<泉鏡花「小春の狐」青空文庫>
  5. ・・・人間はいかにしてその終焉を全うすべきか、人間は必ず泣いて終焉を告げねばならぬものならば、人間は知識のあるだけそれだけ動物におとるわけである。 老病死の解決を叫んで王者の尊を弊履のごとくに捨てられた大聖釈尊は、そのとき年三十と聞いたけれど・・・<伊藤左千夫「紅黄録」青空文庫>
  6. ・・・特にワグマンについて真面目に伝習したとは思われないが、ブラシの使い方や絵具の用法等、洋画のテクニックの種々の知識を教えられた事はあるようだ。明治八、九年頃の画家番附に淡島椿岳の上に和洋画とあるのを以て推すと、洋画家としてもまた相応に認められ・・・<内田魯庵「淡島椿岳」青空文庫>
  7. ・・・もし私に家族の関係がなかったならば私にも大事業ができたであろう、あるいはもし私に金があって大学を卒業し欧米へ行って知識を磨いてきたならば私にも大事業ができたであろう、もし私に良い友人があったならば大事業ができたであろう、こういう考えは人々に・・・<内村鑑三「後世への最大遺物」青空文庫>
  8. ・・・故に、習慣に累せられず、知識に妨げられずに、純鮮なる少年時代の眼に映じた自然より得来た自己の感覚を芸術の上に再現せんとして、努力するのは、蓋し、茲に甚大の意義を有することを知からである。・・・<小川未明「感覚の回生」青空文庫>
  9. ・・・の谷口さんにそのことを打ち明けると、谷口さんもひどく乗気になってくれて、その翌日弁当ごしらえをして、二人掛りで一日じゅう大阪じゅうを探し歩きましたが、何しろ秋山という名前と、もと拾い屋をしていたという知識だけが頼りですから、まるで雲を掴むよ・・・<織田作之助「アド・バルーン」青空文庫>
  10. ・・・「僕がそんなマニヤのことを言う以上僕にも多かれ少なかれそんな知識があると思っていいでしょう」 その青年の顔にはわずかばかりの不快の影が通り過ぎたが、そう答えて彼はまた平気な顔になった。「そうだ。いや、僕はね、崖の上からそんな興味・・・<梶井基次郎「ある崖上の感情」青空文庫>
  11. ・・・ 白痴教育というがあることは私も知っていますが、これには特別の知識の必要であることですから、私も田口の主人の相談にはうかと乗りませんでした。ただその容易でないことを話しただけでよしました。 けれどもその後、だんだんおしげと六蔵の様子・・・<国木田独歩「春の鳥」青空文庫>
  12. ・・・ 自分如きも文芸家となったけれども、学窓にあったときには最も深い倫理学者になることを理想とし、当時倫理学が知識青年からかえり見られなかった頃に、それを公言し、ほこりともしていた。 文芸を愛好する故に倫理学を軽視するという知識青年の風・・・<倉田百三「学生と教養」青空文庫>
  13. ・・・現在では、作家個人として労働者農民に関するどういう委しい知識、経験を持っていようとも、階級的な組織の中で訓練されなければ、生きた姿において正しく、それを認識し表現することが出来なくなり大衆現実から取残されて変な方向にまよいこんでしまう。とい・・・<黒島伝治「農民文学の問題」青空文庫>
  14. ・・・四五日は雁坂の山を望んでは、ああとてもあの山は越えられぬと肚の中で悲しみかえっていたが、一度その意を起したので日数の立つ中にはだんだんと人の談話や何かが耳に止まるため、次第次第に雁坂を越えるについての知識を拾い得た。そうするとまたそろそろと・・・<幸田露伴「雁坂越」青空文庫>
  15. ・・・今後、幾百年かの星霜をへて、文明はますます進歩し、物質的には公衆衛生の知識がいよいよ発達し、一切の公共の設備が安固なのはもとより、各個人の衣食住もきわめて高等・完全の域に達すると同時に、精神的にもつねに平和・安楽であって、種々の憂悲・苦労の・・・<幸徳秋水「死刑の前」青空文庫>
  16. ・・・防したるがわが前に余念なき小春が歳十六ばかり色ぽッてりと白き丸顔の愛敬溢るるを何の気もなく瞻めいたるにまたもや大吉に認けられお前にはあなたのような方がいいのだよと彼を抑えこれを揚ぐる画策縦横大英雄も善知識も煎じ詰めれば女あっての後なりこれを・・・<斎藤緑雨「かくれんぼ」青空文庫>
  17. ・・・私に取ってはそれが神の力でも信仰の力でもなくして、実に自分の知識の力である。もしみずから僣して聡明ということを許されるなら、聡明なからである。仮に現在普通の道徳を私が何らかの点で踏み破るとする。私にはその後のことが気づかわれてならない。それ・・・<島村抱月「序に代えて人生観上の自然主義を論ず」青空文庫>
  18. ・・・かく東と南とは十二宮により西と北とは二十八宿に據れるに見ば、堯典の暦を作れるものは、十二宮及び二十八宿の智識を有せしものなるや明けし。然らば何故にそが十二宮なり二十八宿なりにて劃一せられずして、却て相混合せるものを擧げしか。これ陰陽思想によ・・・<白鳥庫吉「『尚書』の高等批評」青空文庫>
  19. ・・・自分の苦悩について自惚れを持って来た。自嘲し切れないものを感じて来た。生れて、はじめてのことである。自分の才能について、明確な客観的把握を得た。自分の知識を粗末にしすぎていたということにも気づいた。こんな男を、いつまでも、ごろごろさせて置い・・・<太宰治「一日の労苦」青空文庫>
  20. ・・・それで学生や学者に対してのみならず、一般人の知識慾を満足させる事を煩わしく思わない。例えば労働者の集団に対しても、分りやすい講演をやって聞かせるとある。そんな風であるから、ともかくも彼が教育という事に無関心な仙人肌でない事は想像される。・・・<寺田寅彦「アインシュタインの教育観」青空文庫>
  21. ・・・恐る恐る訊く私が知識の若芽を乳母はいろいろな迷信の鋏で切摘んだ。父親は云う事を聴かないと、家を追出して古井戸の柳へ縛りつけるぞと怒鳴って、爛たる児童の天真を損う事をば顧みなかった。ああ、恐しい幼少の記念。十歳を越えて猶、夜中一人で、厠に行く・・・<永井荷風「狐」青空文庫>
  22. ・・・しかもわが知識はただかくのごとく微なり」と叫んだのもこの庭園である。 余は婆さんの労に酬ゆるために婆さんの掌の上に一片の銀貨を載せた。ありがとうと云う声さえも朗読的であった。一時間の後倫敦の塵と煤と車馬の音とテームス河とはカーライルの家・・・<夏目漱石「カーライル博物館」青空文庫>
  23. ・・・宗教の事は世のいわゆる学問知識と何ら交渉もない。コペルニカスの地動説が真理であろうが、トレミーの天動説が真理であろうが、そういうことは何方でもよい。徳行の点から見ても、宗教は自ら徳行を伴い来るものであろうが、また必ずしもこの両者を同一視する・・・<西田幾多郎「愚禿親鸞」青空文庫>
  24. ・・・フリドリヒ・ニイチェもまた、近代知識人の苦悩を一人で背負つて、十字架の上に死んだ受難者である。耶蘇と同じく、ニイチェもまた自己が人類の殉教者であり、新時代の新しいキリストであることを自覚して居た。それ故にこそ、彼の最後の書物に標題して、自ら・・・<萩原朔太郎「ニイチェに就いての雑感」青空文庫>
  25. ・・・風俗を美にせんとするには、人の智識聞見を博くし、心を脩め身を慎むの義を知らしめざるべからず。けだし我が輩の所見にて、開知・修身の道は、洋学によらざれば、他に求むべき方便を知らず。歴史を読みて、その実証を見るべし。世の士君子、もしこの順席を錯・・・<福沢諭吉「学校の説」青空文庫>
  26. ・・・一は智識を以て理会する学問上の穿鑿、一は感情を以て感得する美術上の穿鑿是なり。 智識は素と感情の変形、俗に所謂智識感情とは、古参の感情新参の感情といえることなりなんぞと論じ出しては面倒臭く、結句迷惑の種を蒔くようなもの。そこで使いなれた・・・<二葉亭四迷「小説総論」青空文庫>
  27. ・・・この良心の基礎から響くような子供らしく意味深げな調を聞けば、今まで己の項を押屈めていた古臭い錯雑した智識の重荷が卸されてしまうような。そして遠い遠い所にまだ夢にも知らぬ不思議の生活があって、限無き意味を持っている形式に現われているのが、鐘の・・・<著:ホーフマンスタールフーゴー・フォン 訳:森鴎外「痴人と死と」青空文庫>
  28. ・・・それが近年に至って文学上の趣味を楽むようになってから、智識的な事には少しあきが来て、感情に走った結果、宗教上の信仰という事に味いが出て来て、耶蘇教でも仏教でも信仰のある所には愉快な感じが起るようになった。しかしそれは文学上の美感が単に感情の・・・<正岡子規「病牀苦語」青空文庫>
  29. ・・・見よ、彼は自らの芥子の種子ほどの智識を以てかの無上土を測ろうとする、その論を更に今私は繰り返すだも恥ずる処であるが実証の為にこれを指摘するならば彼は斯う云っている。クリスト教国に生れて仏教を信ずる所以はどうしても仏教が深遠だからであると。ク・・・<宮沢賢治「ビジテリアン大祭」青空文庫>
  30. ・・・今日はどこ、明日はどこと見てまわって、書かれた文章が見るにせわしい調子をつたえているばかりでなく、見るべき場所、事柄の社会的自然的事情について作家たちの科学的知識の欠如していることは今日までの戦線ルポルタージュに顕著な一つの通有性となってい・・・<宮本百合子「明日の言葉」青空文庫>