ち‐たい【遅滞】例文一覧 5件

  1. ・・・ 芸術は、血と涙の結晶であると同時に、遅滞した生活を洗錬する革命の炎である。芸術家は、先駆者であり、彼等の行動は、真に犠牲的精神から発する。しかるに、アカデミックの芸術は、旧文化の擁護である。旧道徳の讃美である。 私達は、IWWの宣・・・<小川未明「芸術は革命的精神に醗酵す」青空文庫>
  2. ・・・やはり低い声で、けれども一語の遅滞もなく、滔滔と述べはじめる。勝治は、酒を飲みたくてたまらない。けれども、杉浦の真剣な態度が、なんだかこわい。あくびを噛み殺して、「然り、然り」などと言っている。杉浦は泊って行く事もある。外へ出ると危険だとい・・・<太宰治「花火」青空文庫>
  3. ・・・かくのごとくにして科学の進歩は往々にして遅滞する。そしてこれに新しき衝動を与えるものは往々にして古き考えの余燼から産れ出るのである。 現今大戦の影響であらゆる科学は応用の方面に徴発されている。応用方面の刺戟で科学の進歩する事は日常の事で・・・<寺田寅彦「科学上の骨董趣味と温故知新」青空文庫>
  4. ・・・きちぎられてしまうような事があり、あるいは少しの培養を与えさえすればものになるべきものを水をやらないために枯死させてしまうようなことがあったとしたら、それはともかくも科学の進歩をたとえ一時であっても、遅滞させるというだけの悪い効果はあるであ・・・<寺田寅彦「量的と質的と統計的と」青空文庫>
  5. ・・・迷いと屈托とに遅滞しているゆえをもって、直ちにその人の人格を卑しめてはいけない。態度の純一のゆえに、直ちにその人の人格を過大視してはいけない。態度の美しさのほかに、なお一つ、戦いの深さによって人を見る視点があるからである。八・・・<和辻哲郎「生きること作ること」青空文庫>