ちっ‐きょ【×蟄居】例文一覧 4件

  1. ・・・かがわれる小説をきらいだと断言する上林暁が、近代小説への道に逆行していることは事実で、偶然を書かず虚構を書かず、生活の総決算は書くが生活の可能性は書かず、末期の眼を目標とする日本の伝統的小説の限界内に蟄居している彼こそ、文壇的ではあるまいか・・・<織田作之助「可能性の文学」青空文庫>
  2. ・・・ ――もはや、もう、私ども老人の出る幕ではないと観念いたしまして、ながらく蟄居してはなはだ不自由、不面目の生活をしてまいりましたが、こんどは、いかなる武器をも持ってはならん、素手で殴ってもいかん、もっぱら優美に礼儀正しくこの世を・・・<太宰治「男女同権」青空文庫>
  3. ・・・今月はお金を使いすぎて、蟄居の形なのです。本を売ってまで飲みたくはないし、まあ、がまんして、お茶でも飲んで、今夜これからどうして遊ぶか、ゆっくり考えてみましょうか。 君は遊びに来たのでしょう? どこへ行っても軽蔑されるし、懐中も心細いし・・・<太宰治「小さいアルバム」青空文庫>
  4. ・・・この特徴を形造った大天才は、やはり凡ての日本的固有の文明を創造した蟄居の「江戸人」である事は今更茲に論ずるまでもない。もし以上の如き珍々先生の所論に対して不同意な人があるならば、請う試みに、旧習に従った極めて平凡なる日本人の住家について、先・・・<永井荷風「妾宅」青空文庫>