ちゃ‐ぶくろ【茶袋】例文一覧 3件

  1. ・・・ どうやら、片手無い、その切口が、茶袋の口を糸でしめたように想われるのである。「それには及ばんですよ、ええ、何の、御新姐。」と面啖って我知らず口走って、ニコチンの毒を説く時のような真面目な態度になって、衣兜に手を突込んで、肩をもそも・・・<泉鏡花「露肆」青空文庫>
  2. ・・・黄色い肌で、乳房がしぼんだ茶袋を思わせて、あわれである。老夫婦とも、人間の感じでない。きょろきょろして、穴にこもった狸のようである。あいだに、孫娘でもあろうか、じいさんばあさんに守護されているみたいに、ひっそりしゃがんでいる。そいつが、素晴・・・<太宰治「美少女」青空文庫>
  3.  九月中旬の事であった。ある日の昼ごろ堅吉の宅へ一封の小包郵便が届いた。大形の茶袋ぐらいの大きさと格好をした紙包みの上に、ボール紙の切れが縛りつけて、それにあて名が書いてあったが、差出人はだれだかわからなかった。つたない手跡・・・<寺田寅彦「球根」青空文庫>