ちゅうおうこうろん〔チユウアウコウロン〕【中央公論】例文一覧 30件

  1. ・・・片手間に書いている小説は「中央公論」に載った時さえ、九十銭以上になったことはない。もっとも一月五円の間代に一食五十銭の食料の払いはそれだけでも確かに間に合って行った。のみならず彼の洒落れるよりもむしろ己惚れるのを愛していたことは、――少くと・・・<芥川竜之介「十円札」青空文庫>
  2. ・・・ 滝田君の初めて僕の家へ来たのは僕の大学を出た年の秋、――僕の初めて「中央公論」へ「手巾」という小説を書いた時である。滝田君は僕にその小説のことを「ちょっと皮肉なものですな」といった。 それから滝田君は二三ヵ月おきに僕の家へ来るよう・・・<芥川竜之介「滝田哲太郎君」青空文庫>
  3.  若い蘇峰の『国民之友』が思想壇の檜舞台として今の『中央公論』や『改造』よりも重視された頃、春秋二李の特別附録は当時の大家の顔見世狂言として盛んに評判されたもんだ。その第一回は美妙の裸蝴蝶で大分前受けがしたが、第二回の『於母影』は珠玉を・・・<内田魯庵「鴎外博士の追憶」青空文庫>
  4. ・・・や「中央公論」の復刊号を出してくれた。「文春は……?」「文芸春秋は貰ったからいい」「あ、そうそう、文春に書いたはりましたな。グラフの小説も読みましたぜ。新何とかいうのに書いたはりましたンは、あ、そうそう、船場の何とかいう題だした・・・<織田作之助「神経」青空文庫>
  5.  中洲の河岸にわたくしの旧友が病院を開いていたことは、既にその頃の『中央公論』に連載した雑筆中にこれを記述した。病院はその後箱崎川にかかっている土洲橋のほとりに引移ったが、中洲を去ること遠くはないので、わたくしは今もって折々診察を受けに・・・<永井荷風「深川の散歩」青空文庫>
  6. ・・・然るにこの度は正宗君が『中央公論』四月号に『永井荷風論』と題する長文を掲載せられた。 わたくしは二家の批評を読んで何事よりもまず感謝の情を禁じ得なかった。これは虚礼の辞ではない。十年前であったなら、さほどまでにうれしいとは思わなかったか・・・<永井荷風「正宗谷崎両氏の批評に答う」青空文庫>
  7. ・・・徳永氏が傑れたものとしてあげている『中央公論』六月号のスペイン戦線からの作家たちのルポルタージュ、又はオストロフスキーの小説「鋼鉄はいかに鍛えられたか」などこそは、決して「物が人を動かす」理論からだけで出来得るものではないのである。 ル・・・<宮本百合子「明日の言葉」青空文庫>
  8. ・・・ 一九三一年七月中央公論のためにかかれた「文芸時評」は、全篇がその五月にもたれた「ナップ」第三回大会報告となっている。中央公論の編輯者ばかりでなく、多くの人が、その素朴さにおどろいた。わたしはそんなに人におどろかれるわたしの素朴さという・・・<宮本百合子「あとがき(『宮本百合子選集』第十巻)」青空文庫>
  9.  森鴎外の「歴史もの」は、大正元年十月の中央公論に「興津彌五右衛門の遺書」が載せられたのが第一作であった。そして、斎藤茂吉氏の解説によると、この一作のかかれた動機は、その年九月十三日明治大帝の御大葬にあたって乃木大将夫妻の殉・・・<宮本百合子「鴎外・芥川・菊池の歴史小説」青空文庫>
  10.         「乳房」について「乳房」は一九三五年三月に書かれた。発表されたのは中央公論四月号であった。 たいして長い小説ではないけれども、この作品がまとまるまでにはいろいろ当時としてのいきさつがあった。そのい・・・<宮本百合子「解説(『風知草』)」青空文庫>
  11. ・・・―― ところが、四月号の『中央公論』に「極東情勢の新展開と日本」という座談会記事がある。ニューヨーク・タイムズ東京支局長リンゼー・パロット氏、AP東京支局長ラッセル・ブラインズ氏に対して日本人として鈴木文史朗氏が出席している、肩書はリー・・・<宮本百合子「鬼畜の言葉」青空文庫>
  12.  十一月号の『中央公論』に「杉垣」という短篇を書いた。その評の一つとして武田麟太郎氏の月評が『読売新聞』に出ているのを読んだ。「勤め人夫婦が激動する時代の波濤の中でいかに理性的に生くべきかを追究する次第を叙し」「各人物の・・・<宮本百合子「現実と文学」青空文庫>
  13. ・・・大正五年中央公論に「貧しき人々の群」を発表して以来小説を、文芸などについての感想評論風のものは昭和三四年頃以来書くようになりました。大正五年お茶の水卒、同八年九年アメリカ旅行。結婚。同十三年離婚。長篇「伸子」を三年に亙って執筆。昭和二年――・・・<宮本百合子「「現代百婦人録」問合せに答えて」青空文庫>
  14. ・・・ 二月は短い月だのに小説を『中央公論』にかかねばなりません。お正月の間は格子の上のはり紙をはがしておいたけれども又明日あたりから「まことに勝手ながらこの次お出で下さる時は火金曜日の午後にお願いいたします」を貼りましょう。実にいろいろなひ・・・<宮本百合子「獄中への手紙」青空文庫>
  15. ・・・を『中央公論』に書いたときは徹夜してしまいましたが。 きのう速達で手拭、タオル、下へはくもの、単衣、フロ敷等お送りし、フトンは敷布を添えました。タオル二本のうち、私は薄手の方がさっぱりした使い心地だろうと思いますが、実際はどうかしら。薄・・・<宮本百合子「獄中への手紙」青空文庫>
  16. ・・・後篇を中央公論に連載しつつあった。永井荷風は往年の花柳小説を女給生活の描写にうつした「ひかげの花」をもって、谷崎潤一郎は「春琴抄」を、徳田秋声、上司小剣等の作家も久しぶりにそれぞれその人らしい作品を示した。そして当時「ひかげの花」に対して与・・・<宮本百合子「今日の文学の展望」青空文庫>
  17. ・・・そして、涙をおとした。「農民」という題をつけて書いたその小説は、やがて父が紹介者をもっていたという関係から私の知らないうちに坪内雄蔵氏のところへ送られた。そして、中央公論に紹介され、そこに発表されることにきまった。坪内雄蔵氏の注意で、二・・・<宮本百合子「作者の言葉(『貧しき人々の群』)」青空文庫>
  18. ・・・火野氏が『中央公論』七月号に発表している「土鈴」は『改造』の「神話」よりずっとテーマとして高い複雑な人間交渉のモメントが捉えられているのだが、ここでも作者は息子の荘太郎は従において、代官神川平助を中心においている。神川平助の性格でもあるのだ・・・<宮本百合子「作品の主人公と心理の翳」青空文庫>
  19. 中央公論』の十月号に、荒木巍氏の「新しき塩」という小説がある。中学校の教師を勤めているうちに自身の少年時代の生活経験から左翼の活動に共感し、そのために職を失った魚住敬之助という男が、北海道まで行って、不良少年感化院の教師と・・・<宮本百合子「作品のテーマと人生のテーマ」青空文庫>
  20. ・・・青野季吉氏が二月の『中央公論』に「作家の凝視」ということを書いていられる。現実を凝視する粘りづよさを作家に求めているのである。作家が自身の作品に深々と腰をおろしている姿には殆ど接し得ないという、「作品と作家の間の不幸な関係は、そのままで放置・・・<宮本百合子「作家に語りかける言葉」青空文庫>
  21. ・・・ 私はこの夏、『中央公論』で森山啓氏の「プロレタリア文学の現段階」という論文を読んだとき、過去のプロレタリア文学運動に対する同氏の評価に私自身の理解と相異したものがあるのを感じたことがあったが、今日「囚われた大地」を通読して、同じ論・・・<宮本百合子「作家への課題」青空文庫>
  22. 中央公論』の新年号に、アンドレ・ジイドのソヴェト旅行記がのっている。未完結のものであるが、あの一文に注目をひかれ、読後、様々の感想を覚えた読者は恐らく私一人にとどまらなかったであろうと思う。 間もなく、去る一月六日から・・・<宮本百合子「ジイドとそのソヴェト旅行記」青空文庫>
  23. ・・・これが大正五年の『中央公論』で、引つづいてぽつぽつ外国へ行くまでに六つ位発表したと思います。どれもなかり枚数の多いもので、殆んど『中央公論』が主でしたが、中には『東京日日新聞』に載せた「三郎爺」などというのもありました。「三郎爺」は軽い・・・<宮本百合子「十年の思い出」青空文庫>
  24. ・・・というので大正五年に『中央公論』に発表された。 福島の田舎におばあさんが独りで暮していた。小学校の一年ぐらいから夏休みになると、海老茶の袴をはいて、その頃は一つ駅でも五分も十分も停る三等列車にのって、窓枠でハンカチに包んだ氷をかいてはし・・・<宮本百合子「「処女作」より前の処女作」青空文庫>
  25. ・・・ 六月号の『中央公論』にのっている岩上順一氏の「運命の構造」という論文も今日の文学の上に現れている生態的傾向についての考察をのべている。文学に人間の人間らしいいきさつをとり戻さなければならないということは新な重要さで考えられなければなら・・・<宮本百合子「生態の流行」青空文庫>
  26. ・・・を『中央公論』に連載中の島崎藤村はもちろん、永井荷風、徳田秋声、近松秋江、上司小剣、宮地嘉六などの諸氏が、ジャーナリズムの上に返り咲いたことである。 このことは、ブルジョア文学の動きの上に微妙な影響を与えたばかりでなく「ナルプ」解散後の・・・<宮本百合子「一九三四年度におけるブルジョア文学の動向」青空文庫>
  27. ・・・ 去年の十月、Aが、中央公論に、オムマ・ハヤムの訳詩、並に伝を載せて、貰った金の一部で、三本の槇、一本の沈丁花、二本可なり大きい檜葉とを買った。二本の槇は、格子の左右に植え、檜葉は、六畳の縁先に、沈丁、他の一本の槇などは、庭に風情を添え・・・<宮本百合子「小さき家の生活」青空文庫>
  28. ・・・何しろ十八や九の小娘が小説を書き出し中央公論に発表されたと云っても、謂わば芸術家としてそれはまだ海のものとも山のものともつかず、前途は茫漠としている。先生は、人生の練達者であられたから、恐らく様々な複雑困難な、日本の社会では特に女にとって面・・・<宮本百合子「坪内先生について」青空文庫>
  29. ・・・          三『中央公論』四月号には、同志小林の長篇小説「転換時代」が言語に絶する伏字、削除をもって発表されている。きくところによると、この題は『中央公論』編輯者によって変えられたもので本来は「党生活者」という題であ・・・<宮本百合子「同志小林の業績の評価によせて」青空文庫>
  30. ・・・『中央公論』で公にしたのがそれである。<森鴎外「高瀬舟縁起」青空文庫>