ちゅう‐せき〔チウ‐〕【×疇昔】例文一覧 3件

  1. ・・・なるなとは今の誡めわが讐敵にもさせまじきはこのことと俊雄ようやく夢覚めて父へ詫び入り元のわが家へ立ち帰れば喜びこそすれ気振りにもうらまぬ母の慈愛厚く門際に寝ていたまぐれ犬までが尾をふるに俊雄はひたすら疇昔を悔いて出入りに世話をやかせぬ神妙さ・・・<斎藤緑雨「かくれんぼ」青空文庫>
  2. ・・・それに加えて、わたくしは俄に腸を病み、疇昔のごとく散行の興を恣にすることのできない身となった。またかつて吟行の伴侶であった親友某君が突然病んで死んだ。それらのために、わたくしは今年昭和十一年の春、たまたま放水路に架せられた江北橋を渡るその日・・・<永井荷風「放水路」青空文庫>
  3. ・・・其ノ故ハ何ゾヤ。疇昔余ノ風流絃歌ノ巷ニ出入セシ時ノコトヲ回顧スルニ、当時都下ノ絃妓ニハ江戸伝来ノ気風ヲ喜ブモノ猶跡ヲ絶タズ。一旦嬌名ヲ都門ニ馳セシムルヤ気ヲ負フテ自ラ快トナシ縦令悲運ノ境ニ沈淪スルコトアルモ自ラ慚ヂテ待合ノ女中牛肉屋ノ姐サン・・・<永井荷風「申訳」青空文庫>