ちゅう‐ぶらりん〔チウ‐|チユウ‐〕【宙ぶらりん/中ぶらりん】例文一覧 5件

  1. ・・・借金とは宙ぶらりんな僕の肉体だ。僕の胸には借金の穴が黒くぽかんとあいている。本を出したおかげでこの満たされぬ空洞がいよいよ深くなるかも知れないが、そのときにはまたそれでよし。とにかく僕は、僕自身にうまくひっこみをつけたいのだ。本の名は、海賊・・・<太宰治「ダス・ゲマイネ」青空文庫>
  2. ・・・D・H・ローレンスは、いつもたった一人の、風の変った、宙ぶらりんな反抗者であるしかなかった。ダンテが巧みにいっている、地獄の中でも辛い地獄は、宙ぶらりんという地獄、と。―― 彼の作品のあるものには、現代社会の機構や社会の生産にたずさわる・・・<宮本百合子「傷だらけの足」青空文庫>
  3. ・・・正にかけて、日本のブルジョア・インテリゲンツィアの文学の一つを代表した作家夏目漱石は、文学的生涯の終りに、自分のリアリズムにゆきづまって、東洋風な現実からの逃避の欲望と、近代的な現実探究の態度との間に宙ぶらりんとなって、苦しんだ。最後の作「・・・<宮本百合子「行為の価値」青空文庫>
  4. ・・・一定の自戒をもち、それを守ることそのものを生活の目的のようにして生きている梅雄に友人団が「ただ君の情熱は中ぶらりんで方向がないね」といい、作者はその評言の社会的な正当性を認めている。丁度その評言の真只中に全篇の終りは曲線を描いて陥りこんでし・・・<宮本百合子「十月の文芸時評」青空文庫>
  5. ・・・ 私達は姿のととのわないものをすべて十五六と云って居る 十五六の時の娘達や男の子のととのわない中ぶらりんの姿をたとえたものである。 私は妙な子で自分の十五六なのを忘れて、十五六、十五六と云って居る。 十五六って云う時ばかりよ・・・<宮本百合子「芽生」青空文庫>