ちょう‐み〔テウ‐〕【調味】例文一覧 6件

  1. ・・・それぞれの家では先祖代々の仕来りに従って親から子、子から孫とだんだんに伝えて来たリセプトに拠って調味する。それが次第次第にダイヴァージして色々な変異を生じたではないかという気がする。とにかく他家の雑煮を食うときに「我家」と「他家」というもの・・・<寺田寅彦「新年雑俎」青空文庫>
  2. ・・・よけいな調味で本来の味を掩蔽するような無用の手数をかけないで、その新鮮な材料本来の美味を、それに含まれた貴重なビタミンとともに、そこなわれない自然のままで摂取するほうがいちばん快適有効であることを知っているのである。 中央アジアの旅行中・・・<寺田寅彦「日本人の自然観」青空文庫>
  3. ・・・まあ大抵パンの本当の味などはわからなくなって非常に多くの調味料を用いたりします。則ち享楽は必らず肉食にばかりあるのではない。寧ろ清らかな透明な限りのない愉快と安静とが菜食にあるということを申しあげるのであります。」老人は会釈して壇を下り拍手・・・<宮沢賢治「ビジテリアン大祭」青空文庫>
  4. ・・・手を動している間じゅう、彼女は調味料の置場所や、味のこのみやその他を話してきかせた。千代は、実に従順にしとやかに一々「はい」と答えた。れんの遽しい今にも何かにつき当りそうなせき込んだはい、はいの連発ではない。艶のある眼で、流眄ともつかず注目・・・<宮本百合子「或る日」青空文庫>
  5. ・・・家庭生活では、先ず米を沢山配給してもらいたい、が筆頭で、燃料・調味料をほしい。物価が安くなってほしい。読みものがほしい。家を建ててほしい。家の中を楽しいところにしたい。そして、母がいればよい、という希望が答えられてあるのをみたとき、私たちの・・・<宮本百合子「今年こそは」青空文庫>
  6. ・・・食物は海と山との調味豊かな品々が時に従って華やかな色彩で食慾を増進させた。空気は晴れ渡った空と海と山との三色の緑の色素の中から湧き上った。物音とてはしんしんと耳の痛む静けさと、時には娯楽室からかすかに上るミヌエットと、患者の咳と、花壇の中で・・・<横光利一「花園の思想」青空文庫>