つかい‐かた〔つかひ‐〕【使い方/遣い方】例文一覧 22件

  1. ・・・「それでは、何の用に立つんだか、使い方を知っているのかえ。」 迂濶知らないなぞと言おうものなら、使い方を見せようと、この可恐しい魔法の道具を振廻されては大変と、小宮山は逸早く、「ええ、もう存じておりますとも。」 と一際念入り・・・<泉鏡花「湯女の魂」青空文庫>
  2. ・・・特にワグマンについて真面目に伝習したとは思われないが、ブラシの使い方や絵具の用法等、洋画のテクニックの種々の知識を教えられた事はあるようだ。明治八、九年頃の画家番附に淡島椿岳の上に和洋画とあるのを以て推すと、洋画家としてもまた相応に認められ・・・<内田魯庵「淡島椿岳」青空文庫>
  3. ・・・「人間は、ああして、馬や、牛をずいぶん思いきった使い方をしているが、幸いに馬や、牛がものをいえないからいいようなものの、もし馬や、牛が、ものがいえたら、きっとそんな使い方はできないだろう。けっして、黙ってはいないからね。ものがいえないで・・・<小川未明「あらしの前の木と鳥の会話」青空文庫>
  4. ・・・このような原稿を伏字なしに書くには字句一つの使い方にも細かい神経を要する。武田さんが書き悩んでいるわけもうなずけるのだった。「僕がおっては邪魔でしょう」 と、出ようとすると、「いや、居ってくれんと淋しくて困るんだ。なアに書きゃい・・・<織田作之助「四月馬鹿」青空文庫>
  5. ・・・ 五十吉はずいぶん派手なところを見せ、椙の機嫌とるための芝居見物にも思いきった使い方するのを、椙はさすがに女でまんざらでもないらしかった。 五十吉は翌日また渋い顔をしてやってくると風呂敷包みを受け取るなり、見たな。登勢の顔をにらんだ・・・<織田作之助「螢」青空文庫>
  6. ・・・ そして、班長のサル又や襦袢の洗濯をさせられたり、銃の使い方や、機関銃や、野砲の撃ち方を習う。毎朝点呼から消燈時間まで、勤務や演習や教練で休むひまがない。物を考えるひまがない。工場や、農村に残っている同志や親爺には、工場主の賃銀の値下げ・・・<黒島伝治「入営する青年たちは何をなすべきか」青空文庫>
  7. ・・・「この晴雨計の使い方を知っているかね、一つ測って見給え」などと云った。別れ際に「ぜひ紹介したい人があるから今晩宅へ来てくれ」と云って独りで勝手に約束をきめてしまった。 約束の時刻に尋ねて行った。入口で古風な呼鈴の紐を引くと、ひとりで戸が・・・<寺田寅彦「異郷」青空文庫>
  8. ・・・自分がいつも繰り返して言うようにもし映画製作者に多少でも俳諧連句の素養があらば、こういうところでいくらでも効果的な材料の使い方があるであろうと思われるのである。 早打ちの使者の道中を見せる一連の編集でも連句的手法を借りて来ればどんなにで・・・<寺田寅彦「映画雑感(3[#「3」はローマ数字、1-13-23])」青空文庫>
  9. ・・・第二には群衆の使い方が拙である。おおぜいの登場者の配置に遠近のパースペクチーヴがなく、粗密のリズムがないから画面が単調で空疎である。たとえば大評定の場でもただくわいを並べた八百屋の店先のような印象しかない。この点は舶来のものには大概ちゃんと・・・<寺田寅彦「映画時代」青空文庫>
  10. ・・・ 二十年前に見た時に感心したのは売り手のじいさんの団扇の使い方の巧妙なことであった。団扇の微妙な動かし方一つでおどけた四角の紙の獅子が、ありとあらゆる、「いわゆる獅子」の姿態をして見せる。つくづく見ていると、この紙片に魂がはいって、ほん・・・<寺田寅彦「錯覚数題」青空文庫>
  11. ・・・その道具の使い方がどこまで成効しているかはおそらく未決の問題ではあるまいか。それを決定するのは専門家の仕事である、そしてそれは必ずしも第二のアインシュタインを要しない仕事である。しかし一人のアインシュタインを必要とした仕事の中核真髄は、この・・・<寺田寅彦「相対性原理側面観」青空文庫>
  12. ・・・だんだん仕上げにかかっては、その微細な観察とデリケートな絵具の使い方に驚かされた。吾々の方で非常に精密な器械の調節でもしているのと似たような際どい細かさがあった。これでは絵をかくのも大変な事であると思われた。いつか道灌山へ夏目先生と二人で散・・・<寺田寅彦「中村彝氏の追憶」青空文庫>
  13. ・・・その利器の使い方の巧拙はその画家の技能を評価する目標の一つになるが、それよりも重大な標準は、それによって表わすべきものの、真の種類や程度にある事は勿論である。科学者がその方則を述べる字句の巧拙や運算の器用不器用は必ずしもその方則の価値と比例・・・<寺田寅彦「漫画と科学」青空文庫>
  14. ・・・それは数年前に流行した十幾とおりの使い方のあるという西洋鋏である。自分は今その十幾種のほかのもう一つの使い方をしようというのであった。鋏の発明者も、よもやこれが簔虫を取るために使われようとは思わなかったろう。鋏の先を半ば開いた形で、竿の先に・・・<寺田寅彦「簔虫と蜘蛛」青空文庫>
  15. ・・・鎌の使い方、鎌のとぎ方も百姓に伝授を受けていよいよ取りかかった。 刈り始めてみるとなかなか骨が折れる。よっぽど刈ったつもりでも、立ち上がって見ると手のひらぐらいしか進行していないのにがっかりした。しかしやっているうちにだんだん草を刈って・・・<寺田寅彦「路傍の草」青空文庫>
  16. ・・・それでちょっと若い男の方を見ると、若い男は、すかさず、「あの鑿と槌の使い方を見たまえ。大自在の妙境に達している」と云った。 運慶は今太い眉を一寸の高さに横へ彫り抜いて、鑿の歯を竪に返すや否や斜すに、上から槌を打ち下した。堅い木を一と・・・<夏目漱石「夢十夜」青空文庫>
  17. ・・・ 船のために、又はメーツの使い方のために、労働者たちが、病気になっても、その責任は船にはない。それは全部、「そんな体を持ち合せた労働者が、だらしがない」からだ。 労働者たちは、その船を動かす蒸汽のようなものだ。片っ端から使い「捨て」・・・<葉山嘉樹「労働者の居ない船」青空文庫>
  18. ・・・写真の使い方、見出しのつけ方等、時に溌剌とした印象を与えるが、概して記事の範囲、深さは婦人雑誌から遠くも広くもなり難いらしい。昔、婦人欄は主として婦人記者であったけれども、この頃はそういうことが減って大体は男の記者でやられている。婦人欄など・・・<宮本百合子「女性の教養と新聞」青空文庫>
  19. ・・・そのトーキーというものは、私はアメリカのトーキーをベルリンで見たし、またイギリスで見たが、非常に音というものの使い方が慊らない。平凡である。ただ唄わせるためにだけに場面としては必要のない場面を何秒間も続ける。そうかと思うと、物が落ちた場面の・・・<宮本百合子「ソヴェト・ロシアの素顔」青空文庫>
  20. ・・・法の改正だけでは達成しない、彼女たちの一日の時間のどっさりを、とりもなおさず生涯の大部分を費させる台所と育児の仕事がもっと別なやり方でやられなければ、何より基本的な時間と体力で婦人は百年前と同じ一生の使い方をして行かねばならない。しかも百年・・・<宮本百合子「人間の結婚」青空文庫>
  21. ・・・あれほど一字一句の使い方、置き方に気を配った歌、あれほど浮いたところのない、中味のびっしりとつまった歌、またあれほど濃かいニュアンスを出した歌が、技巧に熟達せずに作れるものではない。しかし先生の歌は、その巧みさを少しも感じさせないほど巧みな・・・<和辻哲郎「歌集『涌井』を読む」青空文庫>
  22. ・・・を持ち出して、それが使い方一つで犬にも狐にもなることを見せてくれた。そうしてこういう話をした。ある時西洋人が文楽の舞台で狐を見て非常に感心し、それを見せてもらいに楽屋へ来た。人形使いはあそこに掛かっていますと言って柱にぶら下げた狐をさした。・・・<和辻哲郎「文楽座の人形芝居」青空文庫>