つかい‐ふるし〔つかひ‐〕【使い古し】例文一覧 4件

  1.      一 独楽が流行っている時分だった。弟の藤二がどこからか健吉が使い古した古独楽を探し出して来て、左右の掌の間に三寸釘の頭をひしゃいで通した心棒を挾んでまわした。まだ、手に力がないので一生懸命にひねっても、独楽・・・<黒島伝治「二銭銅貨」青空文庫>
  2. ・・・「ずいぶん使い古したものでしょう。」まずい事を言った。「つまらん事を言うなよ。」先生はいよいよ不機嫌である。「でも、ずいぶん時代が、――」「くだらんお世辞はやめ給え。それは駅前の金物屋から四、五年前に二円で買って来たものだ。そん・・・<太宰治「不審庵」青空文庫>
  3. ・・・ 短歌や俳句が使い古したものであるからというだけの単純な理由からその詩形の破棄を企て、内容の根本的革新を夢みるのもあえてとがむべき事ではないとしても、その企図に着手する前に私がここでいわゆる全機的日本の解剖学と生理学を充分に追究し認識し・・・<寺田寅彦「日本人の自然観」青空文庫>
  4. ・・・○二、三年前に不折が使い古しの絵具を貰って、寝て居りながら枕元にある活花盆栽などの写生ということを始めてから、この写生が面白くて堪らないようになった。勿論寝て居ての仕事であるから一寸以上の線を思うように引くことさえ出来ぬので、その拙なさ・・・<正岡子規「病牀苦語」青空文庫>