つぼい〔つぼゐ〕【壺井】例文一覧 20件

  1. ・・・ この南東を海に面して定期船の寄港地となっている村の風物雰囲気は、最近壺井栄氏の「暦」「風車」などにさながらにかかれているところであるが、瀬戸内海のうちの同じ島でも、私の村はそのうちの更に内海と称せられる湖水のような湾のなかにあるので、・・・<黒島伝治「短命長命」青空文庫>
  2. ・・・ 最後に会ったのは、壺井栄さんの『暦』の出版のおよろこびの集りの時であった。短い間であったが心持よく世間話をした。そのときの小熊さんは、特徴ある髪も顔立ちも昔のままながら、相手と自分との間の空気から自分の動きを感じとろうとしてゆくような・・・<宮本百合子「旭川から」青空文庫>
  3. ・・・佐多稲子、松田解子、平林たい子、藤島まき、壺井栄などがそうである。これらの婦人作家は、みな少女時代から辛苦の多い勤労の生活をして来て、やがて妻となり母となり、本当に女として生きてゆく希望、よろこび、その涙と忍耐とを文学作品に表現しようとして・・・<宮本百合子「明日咲く花」青空文庫>
  4. ・・・江口渙、壺井繁治、今野大力などアナーキストであった作家詩人が、次第に共産主義に接近しつつあった。無産派文学団体の改組が頻繁に行われた。第一次大戦後のドイツではこの一九二三年にあのインフレーション、マークの下落が起った。その情勢が、ドイツ・フ・・・<宮本百合子「あとがき(『宮本百合子選集』第二巻)」青空文庫>
  5. ・・・たった一人そこに住んでいた作者の生活は、近所の壺井繁治同栄、窪川稲子、一田アキなどの友情で扶けられた。生活感情の全くちがう父の家の雰囲気では、そのころのわたしの妻としての心痛や緊張の思いが日常生活のうちに自然な発露を見出せなくてやってゆけな・・・<宮本百合子「解説(『風知草』)」青空文庫>
  6. ・・・夕飯を壺井さん[自注6]と三人でスキヤキをたべて、それから東京駅へお送りして行って、九時ので大阪までお立ちになりました。もう五分くらいしかないので、私が寝台から出て来ようとすると、どっかで林町の父のお得意の口笛の音がするので、キョロキョロし・・・<宮本百合子「獄中への手紙」青空文庫>
  7. ・・・百合子の「小祝の一家」壺井栄「廊下」等は今野大力の一家の生活から取材されている。 七月十九日 〔市ヶ谷刑務所の顕治宛 駒込林町より〕 七月十九日 日曜日 午後四時  第三信 蝉の声がしている。ピアノの音がしている。・・・<宮本百合子「獄中への手紙」青空文庫>
  8. ・・・あなたのトンビは、今考えれば本当に惜しいけれど、壺井さんが帰った時、勤めに行くのに着るものがなくて、あまり困ったのであげて、今でも大事に着ています。私達の通知状を世話やいてくれたし、そんなこんなでまわしたのですが、黙ってそんなことをしていけ・・・<宮本百合子「獄中への手紙」青空文庫>
  9.  壺井栄さんの「大根の葉」という小説が書きあげられたのは昭和十三年の九月で、それが『文芸』に発表されたのは十四年の早春のことであったと思う。それから後に書いた「暦」と他の短篇とを合わせて『暦』という短篇集が出たのは去年の三月・・・<宮本百合子「『暦』とその作者」青空文庫>
  10. ・・・ 当時の事情はこの一方諷刺文学、諷刺詩の欲求を生み、中野重治、壺井繁治、世田三郎、窪川鶴次郎その他諸氏によっていくつかの諷刺詩が発表された。『太鼓』は諷刺詩をのせて時代への太鼓として発刊された。 獄中生活者を描いて出場した島木健作氏・・・<宮本百合子「今日の文学の展望」青空文庫>
  11. ・・・今日作品を書いている佐多稲子、平林たい子、松田解子、壺井栄など。これらの婦人作家は、それまでの婦人作家とちがって、貧困も、勤労の味も、女としての波瀾も経験した人々であった。そういう人達によって、本当に社会矛盾を認識し、人間として伸びようとす・・・<宮本百合子「女性の歴史」青空文庫>
  12.           一 一九四三年だったかそれともその翌年だったか、ある夏のことであった。ある晩わたしは、中野鷺宮の壺井栄さんの家の縁側ですずんでいた。そのころ、わたしにとって栄さんの家は生活の上になくてはならない休・・・<宮本百合子「その人の四年間」青空文庫>
  13.  小説をかくひととしての壺井栄さんが人々の前にあらわれたのは一九三八年の末のことであった。この集にはおさめられていない「大根の葉」という作品をよんだ人々は、これまでの婦人作家の誰ともちがった気質と話しぶりとをもっている一人の・・・<宮本百合子「壺井栄作品集『暦』解説」青空文庫>
  14. ・・・蔵原惟人の評論も、佐多、松田、壺井、宮本の小説も、新しく書き出した人々の作品も、すべての労作がその独特さと共にもっている民主的文学としての意味において組織的にとりあげられた時、私たち自身の心をつかまえてゆすぶるような古きものへの闘いの意気が・・・<宮本百合子「討論に即しての感想」青空文庫>
  15. ・・・ 窪川稲子さん、壺井栄さんなどとの互の心持の関係は、友情もひととおりのものでなく、そういうところまで行っているのだと思う。そして、めいめいの良人に対する友情も、謂わば互の心にある妻としての情愛を互に理解した上でのようなところがあって・・・<宮本百合子「なつかしい仲間」青空文庫>
  16. ・・・婦人の政治的、社会的啓蒙、民主化活動も同時にとりあげられて、CIEの個人的顧問であった婦人たちを中心として佐多稲子、壺井栄、山本安英その他の婦人芸術家をも包括する婦人民主クラブが組織された。その下準備のために多くの時間がさかれた。三月、・・・<宮本百合子「年譜」青空文庫>
  17. ・・・によって、働いて生きる人々の清潔で勤勉な人生の語りてとしてあらわれた壺井栄が「暦」の続篇としての性格をもっている「渋谷道玄坂」をかき、その系列として「妻の座」を生んだことには、軽く通りすぎてしまうことのできない意味がみとめられる。「妻の・・・<宮本百合子「婦人作家」青空文庫>
  18. ・・・すでに三月二十七日頃から敵は文化連盟への攻撃を開始し、書記長小川信一をはじめ窪川・壺井・村山・中野など大切な同志をひっぱって行っている。敵が大規模にわれわれ日本プロレタリア文化連盟への打撃を計画していることは明らかなのでありました。 さ・・・<宮本百合子「ますます確りやりましょう」青空文庫>
  19. ・・・栄さんと云えば壺井の栄さんしかない。その栄さんが又互の生活のなかでは、そういう場面に登場するので愈々現実の条件がそろい、じゃ、いつかから見えないって云っていた縞の、ね、あれかもしれない、と私は電話口でその時分の人出入りも激しかった暮しの姿を・・・<宮本百合子「まちがい」青空文庫>
  20. ・・・ よみ難かった母の原稿の浄書から印刷に関する煩瑣な事務万端について援助を惜しまれなかった私の親友壺井栄夫人に感謝する次第である。〔一九三五年七月〕<宮本百合子「葭の影にそえて」青空文庫>