つゆ‐ばれ【梅雨晴(れ)】例文一覧 3件

  1. ・・・――こう云う調子で、啣え楊枝のまま与兵衛を出ると、麦藁帽子に梅雨晴の西日をよけて、夏外套の肩を並べながら、ぶらりとその神下しの婆の所へ出かけたと云います。 ここでその新蔵の心配な筋と云うのを御話しますと、家に使っていた女中の中に、お敏と・・・<芥川竜之介「妖婆」青空文庫>
  2. ・・・早や七年も前になる……梅雨晴の青い空を、流るる雲に乗るように、松並木の梢を縫って、すうすうと尾長鳥が飛んでいる。 長閑に、静な景色であった。 と炎天に夢を見る様に、恍惚と松の梢に藤の紫を思ったのが、にわかに驚く! その次なる烏賊の芸・・・<泉鏡花「瓜の涙」青空文庫>
  3. ・・・ 葬式は一番町のある教会で行なわれた。梅雨晴れのから風の強い日であって、番町へんいったいの木立ちの青葉が悩ましく揺れ騒いで白い葉裏をかえしていたのを覚えている。自分は教会の門前で柩車を出迎えた後霊柩に付き添って故人の勲章を捧持するという・・・<寺田寅彦「B教授の死」青空文庫>