てい‐か【低下】例文一覧 30件

  1. ・・・そして、常識にまで、芸術を低下することを意としないらしい。むしろそれが時勢に適応することだと思っているらしい。 少し作家的反省と自負とがあるならば、これは、単に、資本家の意図にしかすぎないことを知るのである。真の大衆は、最も彼等の生活に・・・<小川未明「作家としての問題」青空文庫>
  2. ・・・この意味に於て、世の中は、進歩したと言えぬばかりでなく、精神的方面を閑却するために、文化戦線は低下したと言えるでありましょう。人間は、善美の理想に向って、克己奮闘する時こそ、進歩も向上も見られるけれど、雷同し、隷属化された時は、自分自身の行・・・<小川未明「文化線の低下」青空文庫>
  3. ・・・ 私は、以上の意味からして、一般に趣味が低下しないかと思う。そして、一方には、やるせなき思いを遣るために、デカダンの色彩濃厚なる芸術が現われるような気さえする。 けれど、決して、それのみでない。勇敢に清新な人間的の理想に燃える芸術が・・・<小川未明「正に芸術の試煉期」青空文庫>
  4. ・・・ 娘たちに求愛し、その好みにそわんとするだけでは時代の青年の質は低下し、娘たちの好みもまた向上しないであろう。     六 恋愛以上の高所 恋愛が青春にとって如何に重要な、心ひかれるテーマであるからといって、人生において・・・<倉田百三「学生と生活」青空文庫>
  5. ・・・男子は独立して妻子を養い得ぬのが普通となり、といって婦人の職業進出はますます男子の職を奪い、その労働条件を低下せしめる。これは今日の社会制度を改革しない限りは初めから無理な相談である。子どもの素質は低下せざるを得ない。ここにおいて前回に述べ・・・<倉田百三「婦人と職業」青空文庫>
  6. ・・・そうして普通の上空気温低下率から計算しても約摂氏五度ほどの気温降下を経験する。それで乗客の感覚の上では、恰度かなりな不連続線の通過に遭遇したと同等な効果になるわけである。しかし、乗客はみな、そんな面倒なことなどは考えないで「ああ涼しい」とい・・・<寺田寅彦「浅間山麓より」青空文庫>
  7. ・・・たとえば東京で夏の夕方風がなげば、それは南がかった風の反対するような気圧傾度が正常の傾度に干渉している、すなわち太平洋のほうの気圧が比較的低下した、と考えていい場合が多いだろうと思われる。またたとえば広島へんで夏の夕方相当に著しい風が吹けば・・・<寺田寅彦「海陸風と夕なぎ」青空文庫>
  8. ・・・一方ではまた、審査する方が濫造の世評を顧慮して審査の標準を高め、上記の比率を低下させるようにするかも知れない。しかし比率を半分に切り下げても、研究の数が四倍になれば、博士及第者の数は二倍になるのは明白な勘定であろう。 こういう風に考えて・・・<寺田寅彦「学位について」青空文庫>
  9. ・・・パリからロンドンへ渡ってそこで日本からの送金を受取るはずになっており、従ってパリ滞在中は財布の内圧が極度に低下していたので特に煙草の専売に好感を有ち損なったのであろう。マッチも高かったと思うが、それよりもマッチのフランス語を教わって来るのを・・・<寺田寅彦「喫煙四十年」青空文庫>
  10. ・・・この現象については先年わが国のある学術雑誌で気象学上から論じた人があって、その所説によると旋風の中では気圧がはなはだしく低下するために皮膚が裂けるのであろうと説明してあったように記憶するが、この説は物理学者には少しふに落ちない。たと・・・<寺田寅彦「化け物の進化」青空文庫>
  11. ・・・ この日に限って、こうまで目立ってたくさんにいっせいにはじけたというのは、数日来の晴天でいいかげん乾燥していたのが、この日さらに特別な好晴で湿度の低下したために、多数の実がほぼ一様な極限の乾燥度に達したためであろうと思われた。 それ・・・<寺田寅彦「藤の実」青空文庫>
  12. ・・・それでいつか放送局でラジオ相談所として推薦した本郷の某ラジオ屋へ試みに修繕に出したら、今度は断然桁ちがいに感度を低下してしまって、もう拡声器では聞かれなくて、テレフォンでやっと聞こえるようになってしまった。機械を調べてみると、何とかいうあの・・・<寺田寅彦「ラジオ雑感」青空文庫>
  13. ・・・ もう一度このへんの雪線が少しばかり低下して崑崙の氷河が発達すると、このへんの砂漠がいつか肥沃の地に変わってやがて世界文化の集合地になるかもしれない。 その時に日本はどうなるか。欧米はどうなるか。これはむつかしい問題である。しかしと・・・<寺田寅彦「ロプ・ノールその他」青空文庫>
  14. ・・・もっとも低下していた昭和七年頃に比べると遙かに上っているが、男と女との差は埋められていないのである。 婦人の性の本来は生殖に重点をおかれているのであるから、社会労働は、常に男の補助の範囲であるのが自然であり、従って賃銀も、いわゆる世帯主・・・<宮本百合子「新しい婦人の職場と任務」青空文庫>
  15. ・・・そのために製造したバタの品質が低下する。上ナザロフ村にもう一つバタ工場がある。そこの建物はひどい有様だ。扉はこわれている。寒くて働けぬ。この間支配人はクラスノヤルスク村へ牛乳買上決算に出かけた。そこで彼は三昼夜べろべろにのんだくれ、・・・<宮本百合子「新しきシベリアを横切る」青空文庫>
  16. ・・・あれやこれやと低下したあるいは逸脱した題材を書きまわるのではなく、プロレタリアートの課題とともに書きすすめる努力こそされなければならない。 須井一の「幼き合唱」と「樹のない村」とはこの観点からわれわれに何を教えるであろうか。「幼き合・・・<宮本百合子「一連の非プロレタリア的作品」青空文庫>
  17. ・・・よいとか悪いとか云っている場合ではない、これも戦争のため、あれも戦争のためと、落付いて反省させるひまさえ与えずに来て、その結果の道徳の低下を、若い人々の責任として丈せめるならば、それは、ずいぶん無残なことだと思います。私どもは、今こそこの数・・・<宮本百合子「美しく豊な生活へ」青空文庫>
  18. ・・・ロシアの農村での文化活動というものは、ツァーの下では無視され、或るときには意識的に低下させられていた。まして、ロシアの農村で、文学的作品がどう理解されるかなどということは、問題ではなかった。フランス語を喋るロシア人は「農民の芸術に対する野蛮・・・<宮本百合子「五ヵ年計画とソヴェトの芸術」青空文庫>
  19. ・・・ある安定を見出せば、そこで全身の調和が生じ、あなたの一等の健康水準ではないまでも、低下したら、したなりに安定しましょう。 気分はやっぱりあなたらしくゆったりしていらっしゃるからほんとうにうれしく存じます。大事にして下さい。ごたごたいうに・・・<宮本百合子「獄中への手紙」青空文庫>
  20. ・・・ 中学や高校生の質が急に低下して来ていることを、明日の日本のために慶賀する人が果してあるだろうか。形式にしばられれば、徳育も一つの頽廃であることは明らかだと思う。 小学校の先生の不足はこの二三年来到るところで云われている。八年制にな・・・<宮本百合子「国民学校への過程」青空文庫>
  21. ・・・辿って、自分の道を進もうとしている作家の存在も、決して見のがすことは出来ず、そういう作家と、そのような作家を志して文学修業を怠らない人々とが、窮局において、世態の大波小波を根づよく凌いで、未曾有の質的低下を示していると云われている今日の文学・・・<宮本百合子「今日の文学と文学賞」青空文庫>
  22. ・・・これまでの純文学の作家の日常生活が余り特殊な文壇的或は技術的範囲に限られていた結果、そういう作家の社会的生活の経験の貧困は作品の質の著しい低下、瑣末主義を惹起した。一方、この四五年間における社会情勢の激動はこれまで純文学の読者であった中間層・・・<宮本百合子「今日の文学に求められているヒューマニズム」青空文庫>
  23. ・・・文学精神の低さについて関心を示している青野氏が、この作品が生態描写風に傾いていることは肯定して、生態描写そのものが、文学における発生に際して既に文学精神の或る低下に立っているものであることについては、黙していることも、考えさせるところがある・・・<宮本百合子「今日の文学の諸相」青空文庫>
  24. ・・・的事情の下に貧困化し低下しつつある。大衆の多くを語らぬ口と、広く、深く視る便宜を益々縮められつつある眼とは、十分にその由って来るところをも究明しかねる日常生活の悪条件に囚われ勝ちである。政治と民衆とは決して近い隣りにはいない。経済の枢軸の廻・・・<宮本百合子「今日の文学の鳥瞰図」青空文庫>
  25. ・・・ 新たなリアリズムの提唱が一九三二年後半になされて以来、方向を抹殺していることから理解の混乱低下、批判なき市井風俗的文学が現実を描くものとして輩出したことは、前項でふれた。 一方プロレタリア文学の作家は、社会情勢の推移とともに、新し・・・<宮本百合子「今日の文学の展望」青空文庫>
  26. ・・・文学的教養はこの二三年来実に急速に、容赦なく低下しつつあって、而も、その低下の現代の特質は、作家自身その低下をちっとも恐怖していないように見えるところにある。もし、現実の多岐な発現が、過去の文学的教養の枠を溢れているので、そんなものは今日の・・・<宮本百合子「作家と教養の諸相」青空文庫>
  27. ・・・現代文学の素質は戦後になってから戦時中の荒廃をとりもどすどころか、実名小説にまで低下して来た。一九三三年に石坂洋次郎が、左翼への戯画としてかいた「麦死なず」と、一九五〇年に三好十郎が書いた「ストリップ・ショウ・殺意」とを見くらべれば、現代文・・・<宮本百合子「しかし昔にはかえらない」青空文庫>
  28. ・・・そう云う場合、その人は活動して却って純正な意味の心の持ち方に於て低下しまいものでもありません。 働くと云うことは、本当によいことに違いないのだけれども、人生には、ただ上ずみで其日其日働いているだけではどうにもならないことがあります。それ・・・<宮本百合子「自分自分の心と云うもの」青空文庫>
  29. ・・・ 現在の複雑な内外の事情は、科学の日常的な応用面に様々の矛盾と混乱、低下と秘密とを生ぜしめていて、それは科学上の理由ではない他の政治、経済の諸事情によって支配されている。 こういう時期こそ、科学性はその原理的なものへの愛と興味で家庭・・・<宮本百合子「市民の生活と科学」青空文庫>
  30. ・・・ 小新聞の、大新聞への独占吸集が成功してから、大新聞の質は低下した。誰の目にも民主的と云えない政治的なかげをこくした。その政治性も、黄色新聞の性格である。自分の紙面に挑発や真実でない記事、事実をはっきりつきつめないで平気で社会に向っても・・・<宮本百合子「ジャーナリズムの航路」青空文庫>