てい‐き【定期】例文一覧 26件

  1. ・・・「十万円は定期で預けていて、引き出せんのじゃないかね」「しつこいね。僕は生れてから今日まで、銀行へ金を預けたためしはないんだ。銀行へ預ける身分になりたいとは女房の生涯の願いだったが、遂に銀行の通帳も見ずに死んでしまったよ」「ふー・・・<織田作之助「鬼」青空文庫>
  2. ・・・ お茶の水では定期を買った。これから毎日学校へ出るとして一日往復いくらになるか電車のなかで暗算をする。何度やってもしくじった。その度たびに買うのと同じという答えが出たりする。有楽町で途中下車して銀座へ出、茶や砂糖、パン、牛酪などを買った・・・<梶井基次郎「泥濘」青空文庫>
  3. ・・・ この某町から我村落まで七里、もし車道をゆけば十三里の大迂廻になるので我々は中学校の寄宿舎から村落に帰る時、決して車に乗らず、夏と冬の定期休業ごとに必ず、この七里の途を草鞋がけで歩いたものである。 七里の途はただ山ばかり、坂あり、谷・・・<国木田独歩「画の悲み」青空文庫>
  4. ・・・ この南東を海に面して定期船の寄港地となっている村の風物雰囲気は、最近壺井栄氏の「暦」「風車」などにさながらにかかれているところであるが、瀬戸内海のうちの同じ島でも、私の村はそのうちの更に内海と称せられる湖水のような湾のなかにあるので、・・・<黒島伝治「短命長命」青空文庫>
  5. ・・・彼はもどろうか、と瞬間思った。定期券を持っていたからこれから走って間に合うかもしれなかった。彼は二、三歩もどった。がそうしながらもあやふやな気があった。笛が鳴った。ガタンガタンという音が前方の方から順次に聞えてきて、列車が動きだした。そうな・・・<小林多喜二「雪の夜」青空文庫>
  6. ・・・という意味から出て、それから日刊の印刷物、ひいてはあらゆる定期的週期的刊行物を意味することになったのだそうである。そういう出版物を経営し、またその原稿を書いて衣食の料として生活している人がジャーナリストであり、そういう人の仕事がすなわちジャ・・・<寺田寅彦「ジャーナリズム雑感」青空文庫>
  7. ・・・もなる使命は純学術的よりはむしろより多く経済的なものであって、それも単にロシアの氷海を太平洋に連絡させるというのみでなく、莫大な富源の宝庫ヤクーツクの関門と見るべきレナ河口と、ドヴィナ湾との間に安全な定期航路を設定しようというのだそうである・・・<寺田寅彦「北氷洋の氷の割れる音」青空文庫>
  8. ・・・ 帝国劇場のオペラは斯くの如くして震災後に到っては年々定期の演奏をなすようになった。最初の興行より本年に到って早く既に九年を過ぎている。此の間に露西亜バレエの一座も亦来って其技を演じた。九年の星霜は決して短きものではない。西欧のオペラ及・・・<永井荷風「帝国劇場のオペラ」青空文庫>
  9. ・・・温泉地からそれらの町へは、いずれも直通の道路があって、毎日定期の乗合馬車が往復していた。特にその繁華なU町へは、小さな軽便鉄道が布設されていた。私はしばしばその鉄道で、町へ出かけて行って買物をしたり、時にはまた、女のいる店で酒を飲んだりした・・・<萩原朔太郎「猫町」青空文庫>
  10. ・・・ ニージュニ・ノヴゴロド市には、夏になると、昔から有名な定期市が立った。ペルシャの商人までそこに出て来て、何百万ルーブリという取引がある。ニージュニ・ノヴゴロド市の埠頭、嘗てゴーリキーが人足をしたことのある埠頭から、ヴォルガ航行の汽船が・・・<宮本百合子「五ヵ年計画とソヴェトの芸術」青空文庫>
  11. ・・・それにいろいろな雑誌の切抜きなどの整理新聞のせいり等、はっきりその必要とやりかたが分った折から、M子さんが小遣いも入用なので、一週定期的にセクレタリーをやってくれることになり、あなたからの本の御注文も古今未曾有のカード式整理方法によって整理・・・<宮本百合子「獄中への手紙」青空文庫>
  12. ・・・ お詣りの定期が終ったばかりだそうで、土産ものやの前は閑散であるし、虎丸旅館と大看板を下げたその家もしずかである。朝飯のとき前もってきめられていた方の室へ落付くと、石段町の裏の眺めはなかなか風情があった。古風なその一室は、余り高くない裏・・・<宮本百合子「琴平」青空文庫>
  13.           一 一九二八年九月二十八日、私ともう一人の連れとは、チフリスから夜行でバクーへやって来た。 有名な定期市が終った朝、ニージュニ・ノヴゴロドからイリイッチ号という小ざっぱりした周遊船にのって、秋・・・<宮本百合子「石油の都バクーへ」青空文庫>
  14. ・・・『新日本文学』の発行が用紙問題で定期的にゆかないということは、新日本文学会全体の活動に、重大なマイナスとなっていることは、皆さま、御覧になるとおりです。たとえば、徳永直さんの「妻よ眠れ」という小説は、『新日本文学』創刊号からのせられはじ・・・<宮本百合子「一九四六年の文壇」青空文庫>
  15. ・・・例えばモスクワの郵電省の一部に特別なラジオ学校見たいなものがあって、直接産業別の労働組合と連絡をとって、定期に専門講演を放送してモスクワ以外の工場都市の労働者教育に貢献している。 農村でもラジオは非常に発達して、モスクワから何百露里も離・・・<宮本百合子「ソヴェト同盟の芝居・キネマ・ラジオ」青空文庫>
  16. ・・・「研究会」定期的集会。それ等管理の委員制を各劇場はもっていなければならない。「研究会」は必ず専門の芸術的研究と並行して、政治教程の勉強をやっているのだ。従って演技も古い連中とは違う。故小山内薫氏が革命十年記念祭にモスクワへ来て、いろんな芝居・・・<宮本百合子「ソヴェトの芝居」青空文庫>
  17. ・・・十月の定期は短い時間でも聴けるだろうと思って居ります。 何卒よろしくおつたえ下さいませ    八日百合子  高根包子様 一九四七年五月二十七日〔岡山市内山下四番地 岡山県第一岡山中学校政経部宛 駒込林町より〕一、・・・<宮本百合子「日記・書簡」青空文庫>
  18. ・・・その役人とジャーナリストたちとの定期会見の席で、あるジャーナリストから編輯上の判断に困るから内務省として執筆を希望しない作家、評論家を指名してくれといったために、当局としては個人指名までを考えてはいなかったのに、数名の人の生活権をおびやかす・・・<宮本百合子「年譜」青空文庫>
  19. ・・・太平洋戦争がはじまる前まで、新交響楽団の定期演奏会は前売切符を会員に送った。その時分にひろ子もよくききにゆき、山沼というその青年も、大抵ききに来ていた。音楽をきいた帰りに、お茶をのみに歩いたりしても、山沼は、或る種の若い人のするような話しぶ・・・<宮本百合子「風知草」青空文庫>
  20. ・・・最近の定期大会では、世界平和の確保のために一層具体的な活動をすることと、児童のための活動が決定され、秋ごろにアジアの植民地、隷属国における婦人の大会が持たれることにきまった。 第二次大戦の歴史のなかで、日本の婦人の立場は、日本婦人自身に・・・<宮本百合子「平和への荷役」青空文庫>
  21. ・・・ 定期刊行の雑誌のようなものがペンクラブによって国際的に発行されることも、文学に携るものにとって大きいよろこびであり、資料となるにちがいない。国際ペンクラブが世界各国から、それぞれの国及その植民地で発売又は輸入を禁ぜられている書籍目録を・・・<宮本百合子「ペンクラブのパリ大会」青空文庫>
  22. ・・・そしてちょうど私の行った時最終日であった有名なニージュニの定期市――ゴーリキイが十代の時分この定期市の芝居で馬の脚をやったということのある定期市も、その一九二八年が最後で閉鎖された。ペルシャやカスピ海沿岸との通商関係は進歩して古風な酔どれだ・・・<宮本百合子「マクシム・ゴーリキイによって描かれた婦人」青空文庫>
  23. ・・・ヴォルガ通いの汽船の皿洗いをし、聖画屋の小僧となり、ニージニの定期市での芝居小屋で、馬の脚的俳優となったりした。日本では西南の役があった次の年、一八七八年からの五、六年は少年ゴーリキイにとって朝から晩まで苦しい労働の時代であった。この時代、・・・<宮本百合子「マクシム・ゴーリキイの伝記」青空文庫>
  24. ・・・ニージュニノヴゴロド市は昔からの定期市の他に、現代ではСССР第一の自動車製造工場で有名になった。そこで製作されるソヴェト・フォードは、小さい赤旗をヘッド・ライトの上にひるがえしつつソユーズキノ週報で先ず映画館の映写幕の上にころがり、つづい・・・<宮本百合子「モスクワの辻馬車」青空文庫>
  25. ・・・ この製図工見習もものにならず、ゴーリキイはその後汽船につとめ、日本でいえば仏師屋のような聖像作りの仕事場で働き、人夫頭となり、ニージュニの市で毎年開かれる定期市の芝居小屋で馬の足までつとめた。 彼のまわりはどっちを見ても無智と当て・・・<宮本百合子「逝けるマクシム・ゴーリキイ」青空文庫>
  26. ・・・たしかにイギリス人は公共慈善事業への応分の寄附は、犬一匹飼えば七シリング六ペンスの税を払わなければならないと同様定期支出の一部と認める伝統をもって来た。しかし本来の性質上その英国に於てさえ慈善心の発動にはいかに技巧的な絶間ない刺戟が必要かと・・・<宮本百合子「ロンドン一九二九年」青空文庫>