てい‐き【提起】例文一覧 21件

  1. ・・・ 私のいった第一の種類に属する芸術家は階級意識に超越しているから、私の提起した問題などはもとより念頭にあろうはずがない。その人たちにとっては、私の提議は半顧の価値もなかるべきはずのものだ。私はそれほどまでに真に純粋に芸術に没頭しうる芸術・・・<有島武郎「広津氏に答う」青空文庫>
  2. ・・・或人は丸善の火災が文明に及ぼす影響などゝ云う大問題を提起した。中には又突拍子もない質問を提出したものもあった。曰く、『焼けた本の目録はありますか?』 丸善は如何に機敏でも常から焼けるのを待構えて、焼けるべく予想する本の目録を作って置かな・・・<内田魯庵「灰燼十万巻」青空文庫>
  3. ・・・この人の口から日本将来の文章という問題が提起された。その時の二葉亭の答が、今では発揮と覚えていないが、何でもこういう意味であった。「一体文章の目的は何である乎。真理を発揮するのが文章の目的乎、人生を説明するのが文章の目的乎、この問題が決しな・・・<内田魯庵「二葉亭余談」青空文庫>
  4. ・・・ しかしながら前にも述べた如く、良書とは自分の抱く生の問いにこたえ得る書物のみではなく、生の問いそのものをも提起してくれるものはさらに良書ではある。「いかに問うか」ということは素質に属する。天才は常人よりももっと深く、高く、鋭く問い得る・・・<倉田百三「学生と読書」青空文庫>
  5. ・・・禅宗の味噌すり坊主のいわゆる脊梁骨を提起した姿勢になって、「そんな無茶なことを云い出しては人迷わせだヨ。腕で無くって何で芸術が出来る。まして君なぞ既にいい腕になっているのだもの、いよいよ腕を磨くべしだネ。」 戦闘が開始されたようなも・・・<幸田露伴「鵞鳥」青空文庫>
  6. ・・・余が不敏を顧みずここに二、三の問題を提起して批判を仰ぐ所因もまたこれに外ならず。ただ徒らに冗漫の辞を羅列して問題の要旨に触るるを得ざるは深く自ら慚ずる所なり。これに依って先覚諸氏の示教に接する機を得ば実に望外の幸いなり。      ・・・<寺田寅彦「自然現象の予報」青空文庫>
  7. ・・・それにも係らず黙々として僕は一語をも発せず万事を山本さんに一任して事を済ませたのは、万一博文館が訴訟を提起した場合、当初出版の証人として木曜会会員の出廷を余儀なくせしむるに至らむ事を僕は憚った故である。博文館は既に頃日、同館とは殆三十年間交・・・<永井荷風「申訳」青空文庫>
  8. ・・・こうして意識の内容のいかんと、この連続の順序のいかんと二つに分れて問題は提起される訳であります。これを合すれば、いかなる内容の意識をいかなる順序に連続させるかの問題に帰着します。吾人がこの問題に逢着したとき――吾人は必ずこの問題に逢着するに・・・<夏目漱石「文芸の哲学的基礎」青空文庫>
  9. ・・・ 扨女大学の離縁法は右に記したる七去にして、民法親族編第八百十二条に、夫婦の一方は左の場合に限り離婚の訴を提起することを得と記して、一 配偶者カ重婚ヲ為シタルトキ二 妻カ姦通ヲ為シタルトキ三 夫カ姦淫罪ニ因リテ刑ニ処セラレタ・・・<福沢諭吉「女大学評論」青空文庫>
  10. ・・・ 新しい日本が誕生するならば、その民主的な第一日の暁に、この点が、最も根本的な人権の問題として提起されなければならないのである。 司法省の部内にも種々の動きが在ることを新聞は報じている。そして、その動きは、二枚の種板が一つの暗箱の中・・・<宮本百合子「石を投ぐるもの」青空文庫>
  11. ・・・ ラップはこういう問題を提起したのであった。        文学の組織的生産の問題 五ヵ年計画第二年目にラップ内で提起されたこの問題は非常に一般の注意をひいた。 ソヴェトでこのとき云われた文学の組織的生産という意味は、偶・・・<宮本百合子「五ヵ年計画とソヴェトの芸術」青空文庫>
  12. ・・・プロレタリア文学運動の初期に、芸術と政治・政治の優位性が提起された時代には、政治の優位性の素朴な理解は、直接その論を主張した人々の実践に反映してよい結果も悪い結果もその人たちによって刈りとられた。けれどもこんにち、政党、組合その他の大衆団体・・・<宮本百合子「五〇年代の文学とそこにある問題」青空文庫>
  13. ・・・経験は、人間生活における一つの問題提起として作家にとり上げられるというよりも、むしろそれは、その経験が終ったところで作品のテーマの展開も終ってしまう話として語られている傾きがつよくはないだろうか。すべての経験が経験されたあとに、わたしたちの・・・<宮本百合子「作品と生活のこと」青空文庫>
  14. ・・・ こういう惨澹たる日本の現実は、十何年かの昔、日本文学の発展途上に提起されていたいくつかの重要な課題について、その後今日まで、一度もまともにとりあげ話しあう折を与えずにきた。研究し、討議され、なっとくを深める機会を得ずにきている。日本の・・・<宮本百合子「作家の経験」青空文庫>
  15. ・・・ 第一次五ヵ年計画のおおうべくもない達成、ひきつづき発表された第二次五ヵ年計画の基本的方針とともに、ソヴェト同盟がプロレタリア文学運動の領域において、社会主義的リアリズムの問題を国際的に提起したことはわれわれにとって実に興味あ・・・<宮本百合子「社会主義リアリズムの問題について」青空文庫>
  16. ・・・ 創作方法における社会主義的リアリズムの問題が提起されてから、確にプロレタリア文学の社会的包括力はひろげられ豊富にされた。さまざまな段階のさまざまな作家がそれぞれの方法で現実をとらえ、それぞれの形式で芸術化す可能が増大した。これは、一つ・・・<宮本百合子「近頃の感想」青空文庫>
  17. ・・・が提起しているばかりではない。アメリカでも、ドイツでもソヴェト同盟でもプロレタリア文化・文学活動に従うものの間に国際的な共通な問題となっている。 こういう問題が起るごとに、民主主義作家や反動作家は口を揃えて悪口をいって来た。日本のプロレ・・・<宮本百合子「プロレタリア文学における国際的主題について」青空文庫>
  18. ・・・組織活動と創作活動との統一の問題も紙数がたりなかったためか、その問題の提起者であり解決者であるサークル活動の具体性、サークル活動は何を作家に与えるかという実際問題まで切り下げていない。亀井は書いている。「われわれは政治理論の究明やブルジョア・・・<宮本百合子「文学に関する感想」青空文庫>
  19. ・・・ 社会主義的リアリズムの問題の提起は、我が国左翼文学理論に実質上大なる前進を可能ならしめた。蔵原惟人、この著の筆者などの諸論中に、方向においては正しく而も哲学と芸術との特殊性における分別においては明徹を欠いて示されていた世界観と創作方法・・・<宮本百合子「『文芸評論』出版について」青空文庫>
  20. ・・・サークル活動が種々の問題を提起しているし、民主主義文学の成長の基盤が漠然と人民的とか労働者生活とかいわれている折から、世界の民主主義文学が歴史的な発展の足がかりとしてきた通信員の問題について特にみなさんの研究を求めたいと思っています。〔一九・・・<宮本百合子「平和運動と文学者」青空文庫>
  21. ・・・ 大学が学問の自主を失ったこと、インテリゲンツィアが左翼の退潮とともに生存の歴史的な方向や見とおしを失って無気力化したことなどが一つの原因で、今日、いかに生きるべきかという問題を、新しく提起していることも事実である。しかし、果して、そう・・・<宮本百合子「若き時代の道」青空文庫>