てい‐ぎ【提議】例文一覧 19件

  1. ・・・その人たちにとっては、私の提議は半顧の価値もなかるべきはずのものだ。私はそれほどまでに真に純粋に芸術に没頭しうる芸術家を尊もう。私はある主義者たちのように、そういう人たちを頭から愚物視することはできない。かかる人はいかなる時代にも人間全体に・・・<有島武郎「広津氏に答う」青空文庫>
  2. ・・・晩年一部の好書家が斎展覧会を催したらドウだろうと鴎外に提議したところが、鴎外は大賛成で、博物館の一部を貸してもイイという咄があった。鴎外の賛成を得て話は着々進行しそうであったが、好書家ナンテものは蒐集には極めて熱心であっても、展覧会ナゾは気・・・<内田魯庵「鴎外博士の追憶」青空文庫>
  3. ・・・余り評判にもならなかったが、那翁三世が幕府の遣使栗本に兵力を貸そうと提議した顛末を夢物語風に書いたもので、文章は乾枯びていたが月並な翻訳伝記の『経世偉勲』よりも面白く読まれた。『経世偉勲』は実は再び世間に顔を出すほどの著述ではないが、ジスレ・・・<内田魯庵「四十年前」青空文庫>
  4. ・・・さりとて継母の提議に従って、山から材木を出すトロッコの後押しに出て、三十銭ずつの日手間を取る決心になったとして、それでいっさいが解決されるものとも、彼には考えられなかった。 初夏からかけて、よく家の中へ蜥蜴やら異様な毛虫やらがはいってき・・・<葛西善蔵「贋物」青空文庫>
  5. ・・・そのことについては吉田は自分のことも考え、また母親のことも考えて看護婦を呼ぶことを提議したのだったが、母親は「自分さえ辛抱すればやっていける」という吉田にとっては非常に苦痛な考えを固執していてそれを取り上げなかった。そしてこんな場合になって・・・<梶井基次郎「のんきな患者」青空文庫>
  6. ・・・近来大に進歩して、細君はこの提議をしたのである。ところが、「なぜサ。」と善良な夫は反問の言外に明らかにそんなことはせずとよいと否定してしまった。是非も無い、簡素な晩食は平常の通りに済まされたが、主人の様子は平常の通りでは無かった。激・・・<幸田露伴「鵞鳥」青空文庫>
  7. ・・・たとえば、宵の私の訪問をもてなすのに、ただちに奥さんにビールを命ずるお医者自身は善玉であり、今宵はビールでなくブリッジいたしましょう、と笑いながら提議する奥さんこそは悪玉である、というお医者の例証には、私も素直に賛成した。奥さんは、小がらの・・・<太宰治「満願」青空文庫>
  8. ・・・たとえば自分がかつて提議したような統計的方法でも、少なくも一つの試みとして試みなければならないと思う。上記の諸例はそういう方法を試みるであろう場合に必要な非常に多量な材料の中の二三の例として数えられるべきものであろうと思う。 もし許さる・・・<寺田寅彦「言葉の不思議」青空文庫>
  9. ・・・ 水道がこんなぐあいだと、うちでも一つ井戸を掘らなければなるまいという提議が夕飯の膳で持ち出された。しかしおそらくこの際同じような事を考える人も多数にあるだろう、従って当分は井戸掘りの威勢が強くてとてもわれわれの所へは手が回らないかもし・・・<寺田寅彦「断水の日」青空文庫>
  10. ・・・その後ウェストミンスター・アベーに記念の標石を納めようという提議が大学総長や王立協会会長などの間に持出され、その資金が募集された。標石の上の方には横顔を刻したメダリオンが付いている。レーリーの私淑したと思わるるトーマス・ヤングの記念標と丁度・・・<寺田寅彦「レーリー卿(Lord Rayleigh)」青空文庫>
  11. ・・・ その決議文の中に、こういう大衆からの提議があった。一、作家たちはもっと大衆にわかりやすい文学的言葉をつかってくれ。二、作品の筋書、または未完成な下書きでもいい、作家はそれを工場クラブなどの一般集会で読んで、みんなの意見や忠告を・・・<宮本百合子「五ヵ年計画とソヴェトの芸術」青空文庫>
  12. ・・・芸術的完成、生き生きとした芸術的形象というものは、その作品が芸術的感銘を与えるために必須な条件と見られてはいるが、翌年この理論の発展として云われた新しいリアリズムの提議では、新しいリアリズムの本質を十九世紀以降の個人主義に立つリアリズムと異・・・<宮本百合子「昭和の十四年間」青空文庫>
  13. ・・・ 漫然と超階級的なスローガンであるかのように作家の間に使用される影響のしかたで、意味ふかい社会主義的リアリズムの提議は日本に紹介されたのであったろうか。私ははからず率直にかかれた数行をよんで沈思せずにいられなかった。 今日の現実・・・<宮本百合子「新年号の『文学評論』その他」青空文庫>
  14. ・・・これは、複雑な問題をふくむ提議だ。提案は研究され、生産場面との結合は大切であるが作家を産業別にグループわけすることは、文学活動を固定させる危険があるから適当でないと結論された。ソヴェト作家はこの時期に別に一つの意義ある進歩をした。プロレタリ・・・<宮本百合子「ソヴェト文壇の現状」青空文庫>
  15. ・・・いろいろな問題を提議するから、割合にそういう点は安心である。 例えば労働者を解雇する場合、工場の生産の低減をしなくてはならぬ已を得ない場合、労働者が工場に対して窃盗を働いた場合、それから三ヵ月以上収監された場合、そういうものは無断で解雇・・・<宮本百合子「ソヴェト・ロシアの素顔」青空文庫>
  16. ・・・それならば私は、もうA家の者になったのだから、良人の家に移るのが当然であり、Aが、結婚した以上、其位の責任は持つ覚悟だろうと、母上が提議されたのであった。 今、その時分のことを思い出すと、自分は、眼をそむけたいような心持さえする。 ・・・<宮本百合子「小さき家の生活」青空文庫>
  17. ・・・を闘いとろう、警察へデモをやろう、と代表を選んで提議して来たほどです。 婦人大衆の支持はこんなにまである「働く婦人の夕べ」を、官憲は何故めちゃめちゃに弾圧するのでしょう? その理由は、われわれにとって面白くためになる『働く婦人』が毎号発・・・<宮本百合子「日本プロレタリア文化連盟『働く婦人』を守れ!」青空文庫>
  18. ・・・××さんが提議して大きな西瓜が切られた。かれこれもう一時過ぎているのに西瓜の盆をかこんで活溌に討論し、陽気に笑い「さ、そろそろ帰るべ」とは云いながら誰ひとりランプの下から動かない。婦人部維持費五銭積立の件、××さん出産祝の件、組合内に購買組・・・<宮本百合子「飛行機の下の村」青空文庫>
  19. ・・・と提議した。 Aも、黙ってこそは居るが、同じ心持らしい。早速承知をし、吉田さんの処へ行って相談をまとめた。大晦日の七時頃から、夜中まで、皆で賑やかに、笑い騒ごうと云うのである。 それで先ず大晦日の苦しさから丈は逃がれられた。正月・・・<宮本百合子「二つの家を繋ぐ回想」青空文庫>