てい‐しょう〔‐シヤウ〕【提唱】例文一覧 30件

  1. ・・・殊に森は留学時代に日本語廃止論を提唱したほど青木よりも一層徹底して、剛毅果断の気象に富んでいた。 青木は外国婦人を娶ったが、森は明治の初め海外留学の先駈をした日本婦人と結婚した。式を挙げるに福沢先生を証人に立てて外国風に契約を交換す結婚・・・<内田魯庵「四十年前」青空文庫>
  2. ・・・ジュリアン・バンダがフランス本国から近著した雑誌で、ヴァレリイ、ジイド等の大家を完膚なきまでに否定している一方、ジャン・ポール・サルトルがエグジスタンシアリスムを提唱し、最近巴里で機関誌「現代」を発行し、巻頭に実存主義文学論を発表している。・・・<織田作之助「可能性の文学」青空文庫>
  3. ・・・この十年間に、文学運動の上では、言文一致の提唱とその勝利があったが、そしてそれは、より直接的に社会生活を反映し得る手段を整えたものと云い得るのだが、作品に於ては、現実は歪曲され、愛国主義は鼓吹された。自然主義運動勃興以前の各既成作家の行きづ・・・<黒島伝治「明治の戦争文学」青空文庫>
  4. ・・・上海その他へ出かけて、目下戦線ルポルタージュ専門の如き観を呈している林房雄氏が上述の提唱の首脳であったことは説明を要しない。文芸懇話会賞というものをその作「兄いもうと」に対しておくられた室生犀星氏は、自身の如く文学の砦にこもることを得たもの・・・<宮本百合子「明日の言葉」青空文庫>
  5. ・・・正面から軍国主義の復活や侵略的な民族主義をたきつけることは出来ないから、民主主義者が提唱する人民的な民族主義に便乗して「日本を再建するために」云々と、民族自立の問題・主権在民の問題も――即ちポツダム宣言と新憲法の実質を左からぐるりと右へひと・・・<宮本百合子「新しい抵抗について」青空文庫>
  6. ・・・智能と資本とを縦横に駆使して、イギリスの良品高価に対する良品廉価生産・高賃銀低コストを目ざす科学主義工業という呼び名が、これらの人々によって、資本主義工業の弱点を補強したものとして提唱されつつあるのである。 大河内氏の著書は、鶏小舎を改・・・<宮本百合子「新しい婦人の職場と任務」青空文庫>
  7. ・・・それらの事情に加えて、文化の擁護、新しいヒューマニズムを提唱しはじめた人々自身が、その心理に、つよいプロレタリア文化・文学の運動忌避の要因をひそめていたから、一つ一つ、曲り角へ出るごとに、この運動には階級性がないこと、プロレタリア文化運動の・・・<宮本百合子「あとがき(『宮本百合子選集』第十巻)」青空文庫>
  8. ・・・歴史とともに前進する批判精神を失って沈滞した文化・文学の上に、さも何かの新しい発展的理論であるかのように精神総動員的な全体主義文化論が提唱されて来ていた。文学は、当時の軍人、官吏、実業家の中心問題をその中心課題とすべきだという「大人の文学論・・・<宮本百合子「あとがき(『宮本百合子選集』第十一巻)」青空文庫>
  9. ・・・一郎、江口渙その他の無産階級出身の小説家の作品が登場し、芸術理論の面では、平林初之輔、青野季吉、蔵原惟人等によってブルジョア文芸批評の主観的な印象批評に対して、文学作品のより客観的科学的な批評の必要が提唱されていた時代であった。また文学作品・・・<宮本百合子「あとがき(『宮本百合子選集』第六巻)」青空文庫>
  10. ・・・ ヒューマニズムの提唱が総て非人間的な抑圧に抗するものとしての性質をもっているからには、文学に関して云われている社会性のことも、以上のことと全然切りはなしては考えられないのである。 作家が、作家となる最も端緒的な足どりは周囲の生活と・・・<宮本百合子「落ちたままのネジ」青空文庫>
  11.  近頃、一部の作家たちの間に、日本の作者はもっと「大人の文学」をつくるようにならなければならない、という提唱がなされている。この頃一般人の興味関心は文学から離れつつある。その理由を、今日の作家は文学青年の趣向に追随して、その作品の中で人・・・<宮本百合子「「大人の文学」論の現実性」青空文庫>
  12. ・・・新しい理解で芸術におけるリアリズムが提唱された場合にも、持ち出されかたはほぼ同様であった。 私には、自身のその経験――色が分っているがその色として感情にまで感覚されなかった時のおどろきが、その原因となった疲労から恢復した後も忘られなかっ・・・<宮本百合子「芸術が必要とする科学」青空文庫>
  13. ・・・ここには第一次大戦後の世界デモクラシー時代から提唱されていまだに未解決な課題が再びとりあげられているとともに、アメリカを民主国家として知る世界のすべての人にとって、それが存在し得ていることを不審に思わせていたいくつかの民主的と見えない法規へ・・・<宮本百合子「現代史の蝶つがい」青空文庫>
  14. ・・・一つには、もとのプロレタリア文学時代活動した人々が、当然民主主義文学運動を提唱することになったから、ある意味では、かえって、「昔のプロレタリア文学ではないもの」を要求する空気にひかれたこともある。これらの人々の内部に同じような要求もなかった・・・<宮本百合子「五〇年代の文学とそこにある問題」青空文庫>
  15. ・・・を否定して客観小説を提唱し、より広い社会性を作品に齎す必要は、大衆について理解がそれぞれに違っている作家たちの間にも、共通な一つの翹望として今日彼等の関心の前面に置かれている。今日の紛糾した社会情勢の中で、現実の諸事情を文学作品の中に客観的・・・<宮本百合子「今日の文学の鳥瞰図」青空文庫>
  16. ・・・創作方法における社会主義的リアリズムの提唱は、世界文学史の上に意味深い一時期を画したのであった。 社会主義的リアリズムが提唱されはじめたのは一九三二年であって、ソヴェト同盟では第一次の五ヵ年計画が終った社会を土台としており、日本では小林・・・<宮本百合子「今日の文学の展望」青空文庫>
  17. ・・・前後して社会主義リアリズムの問題が、それらのすべてが正鵠を得ているとはいえぬさまざまの理解の方向をもって提唱されはじめた折から、作品は複雑な社会性を反省しつつ一般の感興を呼び起し、華やかな登場の拍手をもって迎えられた。 今度改めて単行本・・・<宮本百合子「作家への課題」青空文庫>
  18. ・・・の発展的解消を提唱し、創作方法のスローガンとして社会主義的リアリズムをかかげ、広汎に強力に、いきいきと、すべての作家よ、めいめいの実践をとおして「社会主義建設を描け」と云っているわけです。 以上の簡単な説明でも明らかなとおり、この「社会・・・<宮本百合子「社会主義リアリズムの問題について」青空文庫>
  19. ・・・このことはこの二、三年間のさまざまな思想的文学的態度の提唱の中にも感じられることである。 日本人が、感情的、情緒的であるという特徴は、どこから来ているのであろう。人文地理的な説明だけでは私には納得しきれない。スペインのこんにちの燃え立つ・・・<宮本百合子「十月の文芸時評」青空文庫>
  20. ・・・ 新しいリアリズムの提唱で、過去の主観的なリアリズムから客観的な現実把握の求められたことは、日本文学の発展の為に抹殺されることの出来ない歴史の歩み出しであるが、「階級的主観に相当するものを現実の中に発見する」という表現も、創作方法の問題・・・<宮本百合子「昭和の十四年間」青空文庫>
  21. ・・・しかし、文学的要因にふれ得ずに、純文学の復興を叫んだ作家たちは同じ誤りを犯しつつ、不安の文学を提唱したのであった。 深田久彌のように、作品の上ではある簡勁さを狙っている作家も、この問題に対しては、自分が日常生活ではスキーなどへ出かけつつ・・・<宮本百合子「一九三四年度におけるブルジョア文学の動向」青空文庫>
  22. ・・・では、この作者によって一二年前提唱された能動精神、行動主義の今日の姿として、実力養成を名とする現実への妥協、一般的父性の歓喜というようなものが主流としてあらわれて来ているのである。 青野季吉氏が、近頃『文学界』を中心としていわれている政・・・<宮本百合子「全体主義への吟味」青空文庫>
  23. ・・・こうして、人民戦線の提唱のとき、もう近代の民主的主張をひっこめて、非政治的に、非社会的にそれを提案した日本の一部のインテリゲンツィアは、その後ひきつづく人間復興という文化上の提唱でも、全く骨ぬきの、口先弁巧に陥らないわけにはゆかなかった。何・・・<宮本百合子「誰のために」青空文庫>
  24. ・・・会員の顔ぶれとして、林房雄、浅野晃、北原白秋、保田与重郎、中河与一、倉田百三等、この一、二年来の新日本主義的提唱とともに既に顕著な傾向性を示すと共に一般からおのずからなる定評を与えられている諸氏以外に国文学その他の分野では一応は誰しも社会的・・・<宮本百合子「近頃の話題」青空文庫>
  25.  ありふれた従来の日本文学史をみると、明治三十年代に写生文学というものをはじめて提唱した文学者として正岡子規、高浜虚子や『ホトトギス』派のことは出て来るが、長塚節のことはとりたてて触れられていない。 明治十二年に茨城県の・・・<宮本百合子「「土」と当時の写実文学」青空文庫>
  26. ・・・従って社会主義的リアリズムの問題が文学における階級性の消滅を意味するものであるように語られ、ひきつづき人民戦線の提唱された時も、先刻中野さんが報告でふれたように、この階級的基盤をぼやかしたため、日本の反ファシズムの文学運動は、フランスのよう・・・<宮本百合子「討論に即しての感想」青空文庫>
  27. ・・・そして社会主義的リアリズムの創作方法が提唱された。日本ではこの社会主義的リアリズムの創作方法に対する解釈を、全く芸術における階級性の抹殺という方向で行った。そして日本のプロレタリア文化、文学運動の「政治主義」を批判する口実とした。社会主・・・<宮本百合子「年譜」青空文庫>
  28. ・・・プロレタリア文学の領域には、前後して社会主義的リアリズムが提唱され、創作方法組織方法に関する猛烈な自己批判がまき起されていたのであったが、討論は十分新しい課題を正当に把握しきらないうちに、前年からしばしば弾圧を蒙っていた十年来のプロレタリア・・・<宮本百合子「バルザックに対する評価」青空文庫>
  29. ・・・の能動精神は、当時文学の置かれていた所謂文壇的雰囲気の狭さ、無気力さ、非行動性に満足しない感情、即ちこの人生と文学とに対してより積極的な、能動的な人間性の発露を目標としたのであったが、この能動的精神の提唱者たちは、自身の提唱を一つの実際的な・・・<宮本百合子「ヒューマニズムの諸相」青空文庫>
  30. ・・・ツィアや小市民的な技術家が勤労者として精神的にも再教育されて来たソヴェトの社会的現実の上に立って、芸術の創作方法としての社会主義的リアリズムが称えられて来ているのであるが、日本では異った事情の上にその提唱が受け入れられた。そして、文学の面で・・・<宮本百合子「ヒューマニズムへの道」青空文庫>