て‐がた・い【手堅い】例文一覧 4件

  1. ・・・お爺さんは一代のうちに蔵をいくつも建てたような手堅い商人であったが、総領の子息にはいちばん重きを置いたと見えて、長いことかかって自分で経営した網問屋から、店の品物から、取引先の得意までつけてそっくり子息にくれた。ところが子息は、お爺さんから・・・<島崎藤村「分配」青空文庫>
  2. ・・・ それだから年号と年数と干支とを併記して或る特定の年を確実不動に指定するという手堅い方法にはやはりそれだけの長所があるのである。為替や手形にデュープリケートの写しを添えるよりもいっそう手堅いやり方なのである。 年の干支と同様に日の干・・・<寺田寅彦「自由画稿」青空文庫>
  3. ・・・人々が、幾年かのちのまたこうした場合に立ちいたって、ついうっかり自分たちの現実判断をとりちがえ、植民地人民の世論調査によれば、などととんだ利用価値を発揮したりするあわれさを示さないように、わたしたちは手堅い自立の訓練を身につけなければならな・・・<宮本百合子「現代史の蝶つがい」青空文庫>
  4. ・・・ 長塚節は、写生文派、写実派の中でも、実に手堅い一方の作家で「土」と略同じ頃書かれている虚子の有名な「風流懺法」等と比べると農村生活に深い根をもつ節独特の稟質がうかがわれるのである。 写生文派は写実主義文学にうつり、今日現実を更・・・<宮本百合子「「土」と当時の写実文学」青空文庫>