でき‐あい【溺愛】例文一覧 5件

  1. ・・・されど貴下は溺愛の余り……」 今西の顔はこの瞬間、憎悪そのもののマスクであった。 鎌倉。 陳の寝室の戸は破れていた。が、その外は寝台も、西洋せいようがやも、洗面台も、それから明るい電燈の光も、ことごとく一瞬間以前と同じであっ・・・<芥川竜之介「影」青空文庫>
  2. ・・・生活を、生活の感触を、溺愛いたします。女が、お茶碗や、きれいな柄の着物を愛するのは、それだけが、ほんとうの生き甲斐だからでございます。刻々の動きが、それがそのまま生きていることの目的なのです。他に、何が要りましょう。高いリアリズムが、女のこ・・・<太宰治「皮膚と心」青空文庫>
  3. ・・・長男の一彰さんという人は、予備校のどこかへ通っている十六の年、脚気になった。溺愛していた祖母、母の母が、金をもたせて熱海へ湯治にやった。明治のはじめ、官員の若様が金をもって熱海へ来たのであったから、とりまきがついてお酌をあてがった。それがは・・・<宮本百合子「田端の汽車そのほか」青空文庫>
  4. ・・・ ベルナール氏の娘への溺愛について、かくされた貧困について。 当時のイギリス文学がバルザックに与えた影響。サッカレディケンズバイロン(「皮」?)        ブルターニュ 木菟党をよむ。深く・・・<宮本百合子「バルザックについてのノート」青空文庫>
  5. ・・・ですからまことに、歴史的に見て興味があり、子供との関係でも、母から溺愛的に愛された子は、何かしら母が無条件に愛せる弱いところをもっていて、私のように母と互に愛しあいながらも、この人生についての考え方、生き方で、対立したものは蹴落された虎の子・・・<宮本百合子「わが母をおもう」青空文庫>