てき‐るい【敵塁】例文一覧 2件

  1. ・・・それからていうもの、君、敵塁の方から速射砲発射の音がぽとぽと、ぽとぽとと聴える様になる。頭上では、また砲弾が破裂する。何のことはない、野砲、速射砲の破裂と光弾の光とがつづけざまにやって来るんやもの、かみ鳴りと稲妻とが一時に落ちる様や、僕等は・・・<岩野泡鳴「戦話」青空文庫>
  2. ・・・近くは三十七年の夏、悲惨なる旅順の戦に、ただ一人の弟は敵塁深く屍を委して、遺骨をも収め得ざりし有様、ここに再び旧時の悲哀を繰返して、断腸の思未だ全く消失せないのに、また己が愛児の一人を失うようになった。骨肉の情いずれ疎なるはなけれども、特に・・・<西田幾多郎「我が子の死」青空文庫>