て‐じゅん【手順】例文一覧 14件

  1. ・・・ですからその晩もお島婆さんは、こう云う手順を違えずに、神を祈下そうとしましたが、お敏は泰さんとの約束を守って、うわべは正気を失ったと見せながら、内心はさらに油断なく、機会さえあれば真しやかに、二人の恋の妨げをするなと、贋の神託を下す心算でい・・・<芥川竜之介「妖婆」青空文庫>
  2. ・・・――それに、手順で私が承りましたばかりですもの。何も私に用があっていらっしゃるのではありません。唯今は、ちょうど季節だものでございますから、この潟へ水鳥を撃ちに。」「ああ、銃猟に――鴫かい、鴨かい。」「はあ、鴫も鴨も居ますんですが、・・・<泉鏡花「鷭狩」青空文庫>
  3. ・・・町から小一里も行くとかの字港に出る、そこから船でつの字崎の浦まで海上五里、夜のうちに乗って、天明にさの字浦に着く、それから鹿狩りを初めるというのが手順であった。『まるで山賊のようだ!、』と今井の叔父さんがその太い声で笑いながら怒鳴った。・・・<国木田独歩「鹿狩り」青空文庫>
  4. ・・・く真面目にこの少女を敬慕しておる、何卒か貴所も自分のため一臂の力を借して、老先生の方を甘く説いて貰いたい、あの老人程舵の取り難い人はないから貴所が其所を巧にやってくれるなら此方は又井下伯に頼んで十分の手順をする、何卒か宜しく御頼します。・・・<国木田独歩「富岡先生」青空文庫>
  5. ・・・それでその手順の第一として先ず街上でダンサーに若い方の靴磨き田代公吉へモーションをかけさせ、アパートへ遊びに来ないかと招待させる。それをすぐオーケーとばかりに承諾しては田代公吉が阿呆になるからそれは断然拒絶して夕刊娘美代子の前に男を上げさせ・・・<寺田寅彦「初冬の日記から」青空文庫>
  6. ・・・ それはいずれにしても、こういう困難はいつかは起こるべきはずのもので、これに対する応急の処置や設備はあらかじめ充分に研究されてあり、またそのような応急工事の材料や手順はちゃんと定められていた事であろうと思って安心していた。 十日は終・・・<寺田寅彦「断水の日」青空文庫>
  7. ・・・もっともこの堺だけで御話をしてすぐ東京表へ立ち帰るという訳でもないので、現に明石の方へ行きましたり、和歌山の方へ参りましたり、明日はまた大阪でやる手順になっております。無論話すことさえあれば、どこへ行って何をやっても差支ないはずですが、暑中・・・<夏目漱石「中味と形式」青空文庫>
  8. ・・・万一手順が狂えば隙を見て城へ火をかけても志を遂げる。これだけの事はシーワルドから聞いた、そのあとは……幻影の盾のみ知る。 逢うはうれし、逢わぬは憂し。憂し嬉しの源から珠を欺く涙が湧いて出る。この清き者に何故流れるぞと問えば知らぬと云う。・・・<夏目漱石「幻影の盾」青空文庫>
  9. ・・・しかしそれは、十文字女史のいうように、ただ、働けば人間ができる、式の簡単な手順のものであろうか。人生とは、そのように、働きかける人間の意志や努力にかまいなく、ひとりでに人間ができ上れる仕組みのものであろうか。 新たな生活条件、古い生活条・・・<宮本百合子「新しい婦人の職場と任務」青空文庫>
  10. ・・・ これまでの手紙で忘れていたこと=去年の九月から、母が生前書いたものを、主として日記ですが、すっかり栄さんに読めるように書き写して貰い、一周忌までに本にして記念にする手順で居ります。実によく書いて居る。父と結婚――私もまだ生れなかった頃・・・<宮本百合子「獄中への手紙」青空文庫>
  11. ・・・ 彼那強そうな体のお叔父ちゃんが勿論繃帯はして居たにしろ急に死んでもうじきお葬式をして埋めて仕舞うと云う事は、あんまり手順が早すぎる様な心持がした。 死ぬなんて一体どうなるものかしら妙な事だとより思えなかったのである。 私は母の・・・<宮本百合子「追憶」青空文庫>
  12. ・・・ けれ共ごく稀には、自分の日常生活の習慣に支配された様な形になって、純にその人の精神なり何なりに接せずには居られないと云う感じより、読まなくちゃあならないと云う謂わば一日中の手順を狂わせる心持悪さから一枚なり一枚なり読む事がある。 ・・・<宮本百合子「無題(四)」青空文庫>
  13. ・・・ こういう手順で我々の聴くラジオは目下一日平均一四時〇九分間放送されているのである。プログラムは年々変遷して、昭和十年以後は子供の時間と慰安が漸減し、頓に報道と教養とが増して来ている点が注目される。報道は図表によって見ると、その五三%ま・・・<宮本百合子「「ラジオ黄金時代」の底潮」青空文庫>
  14. ・・・第二次世界大戦はこういう手順でナチスによって放火された。 その前後のことだった。わたしは、たぶん『新女苑』であったかに、一人のフランス女学生の手記がのっているのを読んだ。いま、その名を思い出すことのできない若いソルボンヌ大学の女学生は、・・・<宮本百合子「私の信条」青空文庫>