1. 五十音図タ行の第5音。歯茎の無声破裂子音[t]と母音[o]とから成る音節。[to]

  1. 平仮名「と」は「止」の草体から。片仮名「ト」は「止」の初2画から。

  1. (打消しの助動詞「ぬ」のあとに付いて)…しない前。…しないうち。

    1. 「我が背子を莫越 (なこし) の山の呼子鳥 (よぶこどり) 君呼び返せ夜のふけぬ—に」〈・一八二二〉

  1. …する時。

    1. 「宍串 (ししくし) ろ熟睡 (うまい) 寝し—に庭つ鳥鶏 (かけ) は鳴くなり」〈継体紀・歌謡

[補説]語源を「外 (と) 」あるいは「処 (と) 」に関係づける説などがあるが、未詳

洋楽音名の一つで、日本音名の第5音。

数の、とお。じゅう。多く、名詞の上に付けて用いる。「—月 (つき) 十日 (とおか) 」「十人—色 (いろ) 」

  1. (戸)窓・出入り口などに取り付けて、開閉できるようにした建具。引き戸・開き戸などがある。「—をたてる」「鎧— (よろいど) 」

  1. 出入り口。戸口。かど。もん。

    1. 「大き—よりうかがひて」〈崇神紀〉

  1. 水の流れの出入りする所。瀬戸

    1. 「淡路島—渡る舟の梶間 (かぢま) にも我は忘れず家をしそ思ふ」〈・三八九四〉

  1. 尺貫法容積単位。1升の10倍、すなわち約18.039リットル。→升 (しょう) 

  1. ます。特に、一斗枡 (いっとます) 。

  1. 建築で、斗形 (ますがた) 

  1. 二十八宿の一。北方の第一宿。射手座中の北西部の六星、南斗六星をさす。ひつきぼし。ひきつぼし。斗宿。

そと。屋外

大宮の内にも—にもめづらしく降れる大雪な踏みそね惜し」〈・四二八五〉

《形容詞「と(利)し」の語幹から》するどいこと。すばやいこと。多く「利鎌 (とかま) 」「利心 (とごころ) 」など、複合語の形で用いられる。

おと。ね。

「風の—の遠き我妹 (わぎも) が着せし衣 (きぬ) 手本 (たもと) のくだりまよひ来にけり」〈・三四五三〉

その仲間。その同類の人。「学問の—」「無頼 (ぶらい) の—」

砥石 (といし) 。

道。道すじ。道のり。

「再び車に乗り—に上りぬ」〈鴎外訳・即興詩人

垣。垣根

と並ぶ地方公共団体。東京都のこと。また、「東京都」の略。→東京都道府県

あと。足あと。「跡絶 (とだ) える」「跡見 (とみ) 」など、複合語の形で用いられる。

《木食い虫の意から》内部にあって害毒を及ぼすもの。

「此を利禄の—と謂 (い) う」〈露伴運命

[副]そのように。多く副詞「かく」と対になって用いられる。「—にもかくにも」「—につけかくにつけ」→とかくとこうとにかくともかく
[格助]名詞、名詞的な語、副詞などに付く。
  1. 動作をともにする相手、または動作関係対象を表す。「子供野球を見に行く」「友達—けんかをした」「苦痛—闘う」

    1. 「しぐれ降る暁月夜紐解かず恋ふらむ君—居 (を) らましものを」〈・二三〇六〉

  1. (文や句をそのまま受けて)動作作用状態内容を表す。引用の「と」。「正しい—いう結論に達する」

    1. 「名をばさかきの造 (みやつこ) —なむいひける」〈竹取

  1. 比較基準を表す。「君の—は比べものにならない」「昔—違う」

    1. 「思ふこといはでぞただにやみぬべき我—ひとしき人しなければ」〈伊勢・一二四〉

  1. 動作状態などの結果を表す。「有罪—決定した」「復讐 (ふくしゅう) の鬼—化した」

    1. 「年をへて花の鏡—なる水は散りかかるをやくもるといふらむ」〈古今・春上〉

  1. 副詞に付いて新たな副詞をつくり)ある状態説明する意を表す。「そろそろ—歩く」「そよそよ—風が吹く」

    1. 「ほのぼの—春こそ空に来にけらし天のかぐ山霞たなびく」〈新古今・春上〉

  1. 数量を表す語に付き、打消しの表現を伴って)その範囲以上には出ない意を表す。…までも。「全部で一〇〇円—かからない」「一〇〇キロ—走らなかった」

  1. 同一動詞・形容詞を重ねた間に用いて)強調を表す。

    1. 「世にあり—あり、ここに伝はりたる譜といふものの限りをあまねく見合はせて」〈・若菜下〉

[補説]4は「に」と共通する点があるが、「と」はその結果を表すのに重点がある。7は、現在も「ありとあらゆる」などの慣用句的表現の中にわずかに残っている。
[接助]活用語の終止形に付く。
  1. 二つの動作作用がほとんど同時に、または継起的に起こる意を表す。…と同時。…とすぐ。「あいさつを終える—いすに腰を下ろした」「玄関を開ける—、子供が迎えに出てきた」

    1. 「銀 (かね) 請け取る—そのまま駆け出して」〈浄・大経師

  1. ある動作作用がきっかけとなって、次の動作作用が行われることを表す。「汗をかく—風邪をひく」「写真を見る—昔の記憶がよみがえる」

    1. 「年がよる—物事苦労になるは」〈滑・浮世床・初〉

  1. 順接の仮定条件を表す。もし…すると。「見つかる—うるさい」「ドルに直す—三〇〇〇ドルほどになる」

    1. 「今言ふ—悪い」〈伎・幼稚子敵討〉

  1. 逆接の仮定条件を表す。たとえ…であっても。…ても。

    1. 意志推量の助動詞「う」「よう」「まい」などに付く。「何を言われよう—気にしない」「雨が降ろう—風が吹こう—、毎日見回りに出る」

    2. 動詞・形容動詞型活用語の終止形、および形容詞型活用語の連用形に付く。

      「たのめずば人をまつちの山なり—寝なましものをいさよひの月」〈新古今・恋三〉

    3. 「ちと耳いたく—聞いて下され」〈浮・曲三味線・一〉
  1. 次の話題前提となる意を表す。「気象庁の発表による—、この夏は雨が少ないとのことだ」

[補説]3は中世以降用いられた。また、中古から使われていた4㋑は、現代語では4㋐のように特殊な慣用的用法として残っているだけである。
[並助]いくつかの事柄列挙する意を表す。「君—ぼく—の仲」
    1. 「幸ひの、なき—ある—は」〈玉鬘

[補説]並立する語ごとに「と」を用いるのが本来用法であるが、現代語ではいちばんあとにくる「と」を省略するのが普通となっている。
語素《「ど」とも》他の語に付いて、ひとの意を表す。「助っ—」「盗っ—」「東— (あずまど) 」
語素《「ど」とも》他の語に付いて、場所の意を表す。「隈 (くま) —」「臥し— (ふしど) 」
語素名詞の上に付いて、鳥の意を表す。「—さか(鶏冠)」「—屋 (や) 」

〈土〉⇒

〈度〉⇒

〈登〉⇒とう

〈頭〉⇒とう

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