どう‐せん【銅銭】例文一覧 4件

  1. ・・・とか何とか、題目正名を唱う頃になると、屋台の前へ出してある盆の中に、いつの間にか、銅銭の山が出来る。……… が、こう云う商売をして、口を糊してゆくのは、決して容易なものではない。第一、十日と天気が悪いと口が干上ってしまう。夏は、麦が熟す・・・<芥川竜之介「仙人」青空文庫>
  2. ・・・それは銅銭ばかりいれて歩くからではないかと反問したら、いや紙幣でも同じ事だ、あの紙は、たいへん冷く、あれを懐にいれて歩くと必ず胃腸をこわすから、用心し給え、とまじめに忠告してくれた。富をむさぼらぬように気をつけなければならぬ。・・・<太宰治「「晩年」と「女生徒」」青空文庫>
  3. ・・・ ただ、T家よりの銅銭の仕送りに小心よくよく、或いは左、或いは右。真実、なんの権威もない。信じないのか、妻の特権を。 含羞は、誰でも心得ています。けれども、一切に眼をつぶって、ひと思いに飛び込むところに真実の行為があるのです。できぬとな・・・<太宰治「HUMAN LOST」青空文庫>
  4. ・・・その子細を尋ねると、これまで食を得ることに困っていたのに、遠島を言い渡された時、銅銭二百文をもらったが、銭を使わずに持っているのは始めだと答えた。また人殺しの科はどうして犯したかと問えば、兄弟は西陣に雇われて、空引きということをしていたが、・・・<森鴎外「高瀬舟縁起」青空文庫>