とう‐よう〔タウエウ〕【×蕩揺】例文一覧 2件

  1. ・・・新蔵はこの意外な吉報を聞くと同時に、喜びとも悲しみとも名状し難い、不思議な感動に蕩揺されて、思わず涙を頬に落すと、そのまま眼をとざしてしまいました。それが看護をしていた三人には、また失神したとでも思われたのでしょう。急に皆そわそわ立ち騒ぐよ・・・<芥川竜之介「妖婆」青空文庫>
  2. ・・・げに、資本主義の波に蕩揺されつゝ工場から工場へ、時に、海を越えて、何処と住居を定めぬ人々にとっては、一坪の菜園すら持たないのである。けれど、彼等は、それを、真に不幸とは思わないだろうか? 人間は、到底、理知のみで生きることはできない。心・・・<小川未明「彼等流浪す」青空文庫>