とう‐ろん〔タウ‐〕【討論】例文一覧 30件

  1. ・・・毎晩毎晩、酔っては討論会を初めますわ!」 甲乙は噴飯して、申し合したように湯衣に着かえて浴場に逃げだして了った。 少女は神崎の捨てた石を拾って、百日紅の樹に倚りかかって、西の山の端に沈む夕日を眺めながら小声で唱歌をうたっている。・・・<国木田独歩「恋を恋する人」青空文庫>
  2. ・・・「題は僕自身がつける、あえて諸君の討論をわずらわさんやだ、僕には僕の題がある。なにしろ御承諾を願いたいものだ。」「やりましょうとも。王侯貴人の像をイジくるよりか、それはわが党の『加と男』のために、じゃアない、ためにじゃアない、「加と・・・<国木田独歩「号外」青空文庫>
  3. ・・・う、甘く行けば後の高山の文さんと長谷川の息子が失望するだろう、何に田舎でこそお梅さんは美人じゃが東京に行けばあの位の女は沢山にありますから後の二人だってお梅さんばかり狙うてもおらんよ、など厄鬼になりて討論する婦人連もあった。 或日の夕暮・・・<国木田独歩「富岡先生」青空文庫>
  4. ・・・日蓮はここにおいて決するところあり、自ら進んで、積極的に十一通の檄文を書いて、幕府の要路及び代表的宗教家に送って、正々堂々と、公庁が対決的討論をなさんことを申しいどんだ。 これは憂国の至情黙視しておられなかったのであるが、また彼の性格の・・・<倉田百三「学生と先哲」青空文庫>
  5. ・・・ 彼はあの街頭の討論を終えて、ほっとして汗を拭き、それから急に不機嫌な顔になってあのひとの役所に引上げる。「いかがでございました?」 と下僚にたずねられ、彼は苦笑し、「いや、もう、さんざんさ」 と答える。 討論の現場・・・<太宰治「家庭の幸福」青空文庫>
  6. ・・・この返答で聴衆が笑い出したと伝えられている。この討論は到底相撲にならないで終結したらしい。 今年は米国へ招かれて講演に行った。その帰りに英国でも講演をやった。その当時の彼の地の新聞は彼の風采と講演ぶりを次のように伝えている。「……。・・・<寺田寅彦「アインシュタイン」青空文庫>
  7. ・・・それで大勢のギリシア学者が寄合い討論をして翻訳をした、その結果が「ロイブ古典叢書」の一冊として出版され我邦にも輸入されている。その巻頭に訳載されている「兵法家アイネアス」を冬の夜長の催眠剤のつもりで読んでみた。読んでいるうちに実に意外にも今・・・<寺田寅彦「変った話」青空文庫>
  8. ・・・いつか正月の朝の膳に向かったとき、一体このような見るだけで食わない肴が何を意味するかということが家族の間で問題になったことがあった。討論の結果、これは今でこそほとんど食えないような装飾物であるが、ずっと昔これらのものが非常に珍しいうまい御馳・・・<寺田寅彦「新年雑俎」青空文庫>
  9. ・・・それかと言って、いつまでもなんらかこの種の方法をとらなければ、独断と独断との間の討論の終結する見込みは立たないように思われるのである。いかにめんどうでも遂行すればするだけ、あともどりはしないであろうと信ずる。しかもそのほう専門の研究者の専門・・・<寺田寅彦「比較言語学における統計的研究法の可能性について」青空文庫>
  10. ・・・会合で討論して、代表を選出し、共同研究会をもつくらいまでのところしかいっていない。ほんとうにむき出しに自分たちを示すような勉強も調査もスポーツもされない窮屈さがのこっている。 昨日あたりから上野の美術館で婦人画家ばかりの展覧会が催おされ・・・<宮本百合子「明日をつくる力」青空文庫>
  11. ・・・自分の気に入らない意見でも、しまいまでチャンときいて、堂々とそれを討論してゆく人間にならなければなりません。 自分で考えてみる力を、守り立ててやりましょう。 自分の思いつきを大切にして、それを実現してゆく方法を、根気よく見つけてゆく・・・<宮本百合子「新しい躾」青空文庫>
  12. ・・・この人の左まわり右へは、さき頃のラジオ討論会、「宗教と科学は両立するか」の時の話し方で聴取者の腹の底までしみ渡りました。渡辺氏は、宗教が、たとえば宗教裁判や戦争挑発によって過去に人類的罪悪を犯したのは――反科学的であったのは、宗教が宗教の外・・・<宮本百合子「新しい抵抗について」青空文庫>
  13. ・・・の諸課題について討論されたのであった。 第二回の文化擁護国際作家大会は、一九三七年十月、内乱のスペインに開かれた。この大会は、フランコのファシズム政権に反対してたたかっているスペインの共和政府の所在地バレンシアに第一日の集会をひらき、の・・・<宮本百合子「あとがき(『宮本百合子選集』第十一巻)」青空文庫>
  14.  十月下旬行われた作家同盟主催の文学講習会のある夜、席上でたまたま「亀のチャーリー」が討論の中心となった。ある講習会員が「亀のチャーリー」をとりあげ、その作品は一般読者の間で評判がよく親しみをもって読まれたから、ああいう肩の・・・<宮本百合子「一連の非プロレタリア的作品」青空文庫>
  15. ・・・ 日比谷の放送討論会などの席上では、大変賑やかに食糧事情対策が論ぜられます。野草のたべかたについての講義――云いかえれば、私たち日本の人間が、どうしたらもっと山羊に近くなるか、とでも云うようなお話まで堂々とされます。これは公の席で、・・・<宮本百合子「公のことと私のこと」青空文庫>
  16. ・・・蔵原惟人、小林多喜二、宮本顕治などの、既に当時は公然とした文化の場面で討論する自由を失わせられていた人々の努力をひたすら否定し、抹殺することで自身の保身法とするために、ソヴェトの社会主義的リアリズム論が歪めて援用された。これは一九三三年六月・・・<宮本百合子「解説(『風知草』)」青空文庫>
  17. ・・・彼等は職場にいるときは、生産経済計画について熱心に討論し、職場内の反動分子と争闘しながら、いよいよ七時間の労働を終って、文学研究会の椅子へ坐ると、もう別な彼になってしまう。 所謂文学青年になって、互の書く作品だけを、互の程度の低い標準で・・・<宮本百合子「「鎌と鎚」工場の文学研究会」青空文庫>
  18.  去年おしつまってから肉体派小説、中間小説の作者と一部の作家・批評家との間に、ちょっとしたやりとりがあって注目をひいた。 その討論に、三好十郎も出場して「小豚派作家論」という題をもつ彼一流の毒舌的な評論をかいた。肉体派、・・・<宮本百合子「現代文学の広場」青空文庫>
  19. ・・・ これに対してラップの指導部は討論を持続しながら、結語はなかなか与えなかった。いろいろの問題がそこに含まれているからである。 第一、ソヴェトのプロレタリア作家たちが、一時的に農村や工場へ出かけて行って観察し、材料を集めて来るというよ・・・<宮本百合子「五ヵ年計画とソヴェトの芸術」青空文庫>
  20. ・・・ 工場や集団農場から樺の木の胴乱を下げてやって来た労働者農民男女の見学団は、賑やかに討論したり笑ったりしながらノートを片手にゾロゾロ博物館の床の上を歩きまわる。が、ここへ来ると、云い合わせたように誰も彼も黙ってしまった。頬が引緊った。自・・・<宮本百合子「刻々」青空文庫>
  21. ・・・当時、文学運動に関する討論の一部として児童文学のことが論議され、それがある人のその文学の到達点にまでいたっていないことについて批判が行われていた。少年らのグループが作家の団体へ、あなた方の文学上の才能を、未来の担い手であるわれわれのためにも・・・<宮本百合子「子供のために書く母たち」青空文庫>
  22. ・・・その事実の裏づけとしてソヴェト生産並施設の不充分な点について討論しているプラウダやイズヴェスチアの統計が夥しく引用されているのである。 もとよりこれらの統計は拵えものではないに違いない。本ものであればあるほど、その統計を読む人々の心には・・・<宮本百合子「こわれた鏡」青空文庫>
  23. ・・・放送討論会でも日本映画の将来については大衆の熱心で支持的な発言があった。おくれた日本の映画製作の諸条件は、これからやっと正常な軌道にのせられるはずであるのに、東宝を先頭とする経営者たちは日本文化の課題としての映画製作事業の本質を全然理解しな・・・<宮本百合子「今日の日本の文化問題」青空文庫>
  24. ・・・ 私は、この文章の中で今日の文学の現実の姿を粗描し、文学以外の専門に従事する人々のためにも今日の文学的討論や作品の健全な理解に役立ちたいと思う。 昨今林房雄、小林秀雄、河上徹太郎その他の作家・評論家によって、今日の大衆が文学的関・・・<宮本百合子「今日の文学の鳥瞰図」青空文庫>
  25. ・・・ 昭和十年は初頭から能動精神、行動主義文学の討論によって、活溌に日本文学の年次は開かれたのであるが、前年、これらの生活的・文学的動議が提出された当時から、知識階級についての理解、行為性の内容等のうちに含まれていた矛盾については、その・・・<宮本百合子「今日の文学の展望」青空文庫>
  26. ・・・日本のプロレタリア文学運動が兇暴な嵐に吹きちらされた一九三二年以来、当時、未熟なら未熟なりの誠実さで論じられていた諸課題が、討論されている最中であったその姿のままで、ちりぢりばらばらに今日文学のあちらこちらに存在している。文学における世界観・・・<宮本百合子「作家の経験」青空文庫>
  27. ・・・こういうような成果と欠陥との厳密な自己批判に立って、日本のわれわれもソヴェト同盟によって提唱されている社会主義的リアリズムの問題に関する国際的討論に参加するのであって、現在一部に現れているような理解、即ち、そら見たことか、創作における唯物弁・・・<宮本百合子「社会主義リアリズムの問題について」青空文庫>
  28. ・・・そのような作品に対する評価の点では諸氏の意見が大体一致しつつ、その点を一層具体的にするような討論が伸びず、ひるがえって、一方で、現在それらの人々の関心をひいている問題の具体的な内容の一例としてドストイェフスキー再認が語られていたり、リアリズ・・・<宮本百合子「新年号の『文学評論』その他」青空文庫>
  29. ・・・ そこで級の大衆討論だ。隅で苦々しげに「いつだって騒動おっぱじめる原因は女の子だ!」 と、しかめっ面してイフゲニーが机に頬杖をついている。 討論は到頭男の子と女の子と、どっちが規律正しい生活が出来るか、ソヴェト権力はどんなに・・・<宮本百合子「砂遊場からの同志」青空文庫>
  30. ・・・ われわれの討論は、今や一斉にここに向けられなければならぬ。 コンミニストは次のように云う。「もしも一個の人間が、現下に於て、最も深き認識に達すれば、コンミニストたらざるを得なくなる。」と。 しかしながら、文学に対して、・・・<横光利一「新感覚派とコンミニズム文学」青空文庫>