とお‐のり〔とほ‐〕【遠乗り】例文一覧 4件

  1. ・・・この町で自転車に乗れるたった一人の娘である一枝の自転車のうしろに乗って遠乗りに行っていたのだと判ると、照井は毛虫を噛んだような顔で、「女だてらに自転車に乗るなんてけしからん。女は男の真似はよした方がいい」「だって、今は女だって男の方・・・<織田作之助「電報」青空文庫>
  2. ・・・蹄で落葉を蹶散らす音、これは騎兵演習の斥候か、さなくば夫婦連れで遠乗りに出かけた外国人である。何事をか声高に話しながらゆく村の者のだみ声、それもいつしか、遠ざかりゆく。独り淋しそうに道をいそぐ女の足音。遠く響く砲声。隣の林でだしぬけに起こる・・・<国木田独歩「武蔵野」青空文庫>
  3. ・・・自転車の稽古をして、少し乗れるようになってからいっしょに市外へ遠乗りに行って、帰りに亮が落ちて前歯を一本折った事もあった。 そのころの亮の写生帳が保存されているのを今取り寄せて見ると、何一つ思い出の種でないものはない。第一ページには十七・・・<寺田寅彦「亮の追憶」青空文庫>
  4. ・・・ 東京から一人新しい連れが加ったりしたので、十六日の快晴を目がけ、塩原まで遠乗りした。緩くり一時間半の行程。皆塩原の風景には好い記憶をもっていたのでわざわざ出かけたのであったが、今度は那須と比較して異った感じを受けた。箒川を見晴らせ・・・<宮本百合子「夏遠き山」青空文庫>