どく‐せん【独占】例文一覧 30件

  1. ・・・ ロイドめがねを真円に、運転手は生真面目で、「多分の料金をお支払いの上、お客様がですな、一人で買切っておいでになりましても、途中、その同乗を求むるものをたって謝絶いたしますと、独占的ブルジョアの横暴ででもありますかのように、階級意識・・・<泉鏡花「燈明之巻」青空文庫>
  2. ・・・校長は女を独占したかったのだ。彼女は何をしても直ぐ口や手を洗う水臭い校長を、肉体的にも精神的にも愛することは出来ないと思ったが、くどくど説教されているうちに、さすがにただれ切った性生活から脱け出して、校長一人を頼りにして、真面目な生活にはい・・・<織田作之助「世相」青空文庫>
  3. ・・・ 近代資本主義は、自由競争から独占への傾向をたどってきた。各産業部門に於ける独占は、利潤を多くする。小資本は大資本に併合される。それから銀行と産業とが結びついて、金融資本が発生し、金融寡頭政治ができてくる。 資本家の間に於ける独占は・・・<黒島伝治「反戦文学論」青空文庫>
  4. ・・・佐吉さんの兄さんとは私も逢ったことがあり、なかなか太っ腹の佳い方だし、佐吉さんは家中の愛を独占して居るくせに、それでも何かと不平が多い様で、家を飛出し、東京の私の下宿へ、にこにこ笑ってやって来た事もありました。さまざま駄々をこねて居たようで・・・<太宰治「老ハイデルベルヒ」青空文庫>
  5. ・・・人の子の愛慾独占の汚い地獄絵、はっきり不正の心ゆえ、きょうよりのち、私、一粒の真珠をもおろそかに与えず、豚さん、これは真珠だよ、石ころや屋根の瓦とは違うのだよ、と懇切ていねい、理解させずば止まぬ工合いの、けちな啓蒙、指導の態度、もとより苦し・・・<太宰治「創生記」青空文庫>
  6. ・・・離れは、庭に面した六畳間とそれに続く三畳間と、二間あって、その二間を先生がもっぱら独占して居られる。御家族の方たちは、みんな母屋のほうにいらっしゃって、私たちのために時たま、番茶や、かぼちゃの煮たのなどを持ち運んで来られる他は、めったに顔を・・・<太宰治「不審庵」青空文庫>
  7. ・・・それで自分のここに書いたこの取り止めもない追憶が、さもさも自分だけで先生を独占していたかのように読者に見えるとすれば、それはおそらく他の多くの門下生の各自の偽らぬ心持ちを代表するものとして了解しゆるしてもらわれるべきだと思う。そういう同門下・・・<寺田寅彦「夏目漱石先生の追憶」青空文庫>
  8. ・・・薔薇の花でも何でも虫のためには必要なる栄養物質であるのを、人間が無用な娯楽のために独占しようとして虫をひねり潰すのは、虫から見ればかなり暴虐な事かもしれない。 ある日の昼食のあとで庭へ出て、いちばん毛虫の多くついた薔薇を見に行った。そし・・・<寺田寅彦「蜂が団子をこしらえる話」青空文庫>
  9. ・・・高度に発達した資本主義国は、そのころ急速に資本の独占化にすすんで、いわゆる合理化の結果、どこでも慢性的な大衆失業にくるしんでいた。イギリスでマクドナルドの労働党が多数をしめて労働党内閣となったのも、生活を打開しようとする大衆の要望のあらわれ・・・<宮本百合子「あとがき(『宮本百合子選集』第八巻)」青空文庫>
  10. ・・・日本の封建性が旧勢力の利益のために最大限につかわれている。日本の独占資本家たちが、より強大な国際資本におんぶして大衆生活は二の次として生きのびる決心をしてから、それらの人々の近代化は急テンポにすすんだ。日本の港からあがって来た資本主義の独占・・・<宮本百合子「偽りのない文化を」青空文庫>
  11. ・・・製紙会社が合同して王子へ独占になったような形なので、競争がなくなったもんですから、一般に紙質をわるくしてしまったんだそうです。同じ名や番号の紙でもやっぱり質は下って来ているんで、どうも……」と頸のうしろへ手を当てた。 丸善の原稿紙は紙は・・・<宮本百合子「打あけ話」青空文庫>
  12. ・・・学業もすてて耕作した作物を、先生が独占したことに対する不満が原因であったと記憶します。新聞の記事だけでは、双方の事実が十分に明らかにされてはいなかったでしょうと思いますが、ああいう事柄について、皆さんはどうお感じになったでしょう。私は、その・・・<宮本百合子「美しく豊な生活へ」青空文庫>
  13. ・・・もしほんとに科学は人間に関しないのであるならば、どうしてキュリー夫人は、ラジウムの権利を独占して儲けようとせず、ひろく全世界の人間の幸福のためにと開放したろう。そういう潔白な美しい行為は人間と科学との結ばれようの正しさを、おのずから示してい・・・<宮本百合子「寒の梅」青空文庫>
  14. ・・・瀝青ウラン鉱からラジウムを引き出すことに成功した彼らが、その特許を独占して商業的に巨万の富を作ってゆくか、それとも、あくまで科学者としての態度を守ってその精錬のやり方をも公表し、人類科学の為に開放するか、二つの中のどちらかに決定する種類のも・・・<宮本百合子「キュリー夫人」青空文庫>
  15. ・・・この手紙の内容は、誰にでもすぐ考えられるとおり、キュリー夫妻が世間の人たちが誰でもやっているとおり自分の発見に特許をとって、ラジウム応用のあらゆる事業から莫大な富を独占するか、それとも、そんなことは一切せず、科学上の発見を人類の進歩のために・・・<宮本百合子「キュリー夫人の命の焔」青空文庫>
  16. ・・・唱されていまだに未解決な課題が再びとりあげられているとともに、アメリカを民主国家として知る世界のすべての人にとって、それが存在し得ていることを不審に思わせていたいくつかの民主的と見えない法規への廃止と独占資本の害悪に反対する主張が示されてい・・・<宮本百合子「現代史の蝶つがい」青空文庫>
  17. ・・・の人間価値を評価し、彼ほど衷心から戦争の犯罪性を指摘するなら、人民階級の独裁ということと、金と権力をひっくるめて独占するということとの間にあるちがいについても学ぼうとするだろう。――これはもとより、わたしが「道標」の前半を、どのように書くこ・・・<宮本百合子「心に疼く欲求がある」青空文庫>
  18. ・・・毎晩六時から十一時まで彼女はブハーリンの名におけるモスクワ大学の労働科で、革命がブルジョアの独占からプロレタリアートに向って解放した文化を吸収しているのだ。 朝、床をぬれ雑巾でターニャが掃除している。いろんな問答をした。 ――ターニ・・・<宮本百合子「子供・子供・子供のモスクワ」青空文庫>
  19. ・・・男は、自分一人で彼女のすべてを充しきり独占してしまえないことが判ると、堪えがたく焦燥して彼女から去って行こうとする。 ブレークは、スーザンと暮した年月が幸福であったこと、そして多くのものを与えられたことを知っている。だが、窮極には自分と・・・<宮本百合子「『この心の誇り』」青空文庫>
  20. ・・・彼等はラジウム精錬の特許を独占して驚くべき富豪になる代りに、人類へその科学上の発見を公開して、キュリー夫人は五十歳を越してもソルボンヌ大学教授としての収入だけで生活して行った。キュリー夫妻の人間としての歴史的な価値は、その十五分ほどの間の判・・・<宮本百合子「これから結婚する人の心持」青空文庫>
  21. ・・・日本の人民は、清廉潔白な内閣をもつことは困難であろうと予測している。日本の独占資本がより強力な独占資本の庇護のもとに自身の存在を維持しようとしているとき、その利益を代表する政権が、真に民主的であり得ないことは明瞭である。すべての悪質な大衆課・・・<宮本百合子「今日の日本の文化問題」青空文庫>
  22. ・・・文字そのものさえ、貴族に独占されていた。現在の中国がそうである。一九一七年までのロシアの農民の生活がそうであった。土地を独占していた貴族は文化を独占したし、工場と機械とを所有しているものが今日では文化の機関をも独占している事実はもっとも分り・・・<宮本百合子「今日の文化の諸問題」青空文庫>
  23. ・・・ 独占資本の機構が、時々刻々にひき出す尨大な金貨の山におしあげられながら、自分をファシストだと認めない国際ファシストたちは、MRAのために資金を出し惜しまない。MRAの去年の大会には、二百人の代表が各国から招待されたばかりでなく、五十二・・・<宮本百合子「再武装するのはなにか」青空文庫>
  24. ・・・愛すこと、結婚生活を営みたく思う心、そして父母とならんとする希望は、然しながら、百万長者の子供らだけが親の株で独占することを許されている天然資源ではないのである。 話はすこし飛んで、東京日日新聞でこの頃毎日東京ハイキングという特別読物を・・・<宮本百合子「昨今の話題を」青空文庫>
  25. ・・・ファシスト自身をさえおどろかしたこういう実例ばかりでなく、この頃になっては、民主的ということばは、全く独占資本的または隷属的本質とすりかえられはじめている。 一九四六年においてあれほど重大な課題であった新聞、出版、放送の民主化が、今日、・・・<宮本百合子「三年たった今日」青空文庫>
  26. ・・・資本と生産手段を独占する者が地球の東西にわたって世界数億の人民の生存を支配する現代の社会機構が、人間を非人間的な部分品と化しつつある。フォードの能率生産というシステムなしに、フォード工場の労働者の、全生涯を部分品とする有名なメカニズムはあり・・・<宮本百合子「「下じき」の問題」青空文庫>
  27. ・・・勤労者のいろいろな才能ののばされてゆくモメントも、資本主義社会の偶然性よりはひろい確かな公共的地盤をもっています。独占資本の独裁、商業主義の独裁のもとにおける文化の悲しむべき境遇について、ロマン・ロランが闘ったように、アインシュタインが闘い・・・<宮本百合子「質問へのお答え」青空文庫>
  28. ・・・ 小新聞の、大新聞への独占吸集が成功してから、大新聞の質は低下した。誰の目にも民主的と云えない政治的なかげをこくした。その政治性も、黄色新聞の性格である。自分の紙面に挑発や真実でない記事、事実をはっきりつきつめないで平気で社会に向っても・・・<宮本百合子「ジャーナリズムの航路」青空文庫>
  29. ・・・ どうせわたしたちは読むひまのない新聞といって、新聞の独占へ拍車をかけることは、この社会のすべての大資本、独占資本を援助することになる。新聞を読むひまのないほど、わたしたちの生活を追いつめている資本主義社会のひどい現象を助長することにな・・・<宮本百合子「主婦と新聞」青空文庫>
  30. ・・・もし或る特殊な思想をもって皇室を独占せんとするものがあれば、それは皇室の神聖を汚すものである。ひいては皇室の安泰を脅かすものである。なぜなら道の代表者を特殊思想の代表者と混同するような馬鹿者が出てくるからである。 小生はこの考えが老父の・・・<和辻哲郎「蝸牛の角」青空文庫>