とく‐ぼう〔‐バウ〕【徳望】例文一覧 3件

  1. ・・・実業界に徳望高い某子爵は素七 小林城三 椿岳は晩年には世間離れした奇人で名を売ったが、若い時には相当に世間的野心があってただの町人では満足しなかった。油会所時代に水戸の支藩の廃家の株を買って小林城三と改名し、水戸家に金千両を・・・<内田魯庵「淡島椿岳」青空文庫>
  2. ・・・ただこの際において心事の機を転ずること緊要にして、そのこれを転ずるの器械は、特に学校をもって有力なるものとするが故に、ことさらに藩地徳望の士君子に求め、その共に尽力して学校を盛にせんことを願うなり。 中津の旧藩にて、上下の士族が互に婚姻・・・<福沢諭吉「旧藩情」青空文庫>
  3. ・・・いつも両腕を組んだ主宰者の技師は、静かな額に徳望のある気品を湛えていて、ひとり和やかに沈む癖があった。 東京からの客は少量の酒でも廻りが早かった。額の染った高田は仰向きに倒れて空を仰いだときだった。灯をつけた低空飛行の水上機が一機、丘す・・・<横光利一「微笑」青空文庫>