とこ‐はる【常春】例文一覧 3件

  1. ・・・それは彼の家の煉瓦塀が、何歩か先に黒々と、現われて来たからばかりではない、その常春藤に蔽われた、古風な塀の見えるあたりに、忍びやかな靴の音が、突然聞え出したからである。 が、いくら透して見ても、松や芒の闇が深いせいか、肝腎の姿は見る事が・・・<芥川竜之介「影」青空文庫>
  2. ・・・或時は 常春藤の籠にもり或時は 石蝋の壺に納め心 はるばると、祈りを捧げる 神よ、四時の ささやかな人間の寄進を 納め給え、と。冬見た私を、今日同じ私だと思うだろうか?又、雄々しい活力が、今私の心を揺る、・・・<宮本百合子「五月の空」青空文庫>
  3. ・・・ 涼しいすがすがしい薫りが六の体のまわりに満ちわたった。 足の下で山鳩が鳴く。 カッコー……カッコー…… しとやかな含み声の閑古鳥の声が、どこからか聞える。 常春藤が木の梢からのび上って見上げようとし、ところどころに咲く・・・<宮本百合子「禰宜様宮田」青空文庫>