とつ‐げき【突撃】例文一覧 22件

  1. ・・・敵の赤児を抱いた樋口大尉が、突撃を指揮する所もあった。大勢の客はその画の中に、たまたま日章旗が現れなぞすると、必ず盛な喝采を送った。中には「帝国万歳」と、頓狂な声を出すものもあった。しかし実戦に臨んで来た牧野は、そう云う連中とは没交渉に、た・・・<芥川竜之介「奇怪な再会」青空文庫>
  2. ・・・その光に透かして見れば、これは頭部銃創のために、突撃の最中発狂したらしい、堀尾一等卒その人だった。     二 間牒 明治三十八年三月五日の午前、当時全勝集に駐屯していた、A騎兵旅団の参謀は、薄暗い司令部の一室に、二人の支那・・・<芥川竜之介「将軍」青空文庫>
  3. ・・・黒河からやってくる者たちは、何物も持たず、何物をも求めず、ただプロレタリアートの国の集団農場や、突撃隊の活動や、青年労働者のデモを見たいがためにやってくる。そういう風に見える。しかし、なかには、大褂児の下に絹の靴下を、二三十足もかくしていた・・・<黒島伝治「国境」青空文庫>
  4. ・・・ 初年兵の後藤が束ねた枯木を放り出して、頭をあげるか、あげないうちに、犬の群は突撃を敢行する歩兵部隊のように三人をめがけて吠えついてきた。浜田は、すぐ銃を取った。川井と、後藤とは帯剣を抜いた。小牛のように大きい、そして闘争的な蒙古犬は、・・・<黒島伝治「前哨」青空文庫>
  5. ・・・兵卒は無い力まで搾って遮二無二にロシア人をめがけて突撃した。――ロシア人を殺しに行くか、自分が×××るか、その二つしか彼等には道はないのだ! けれども、そのため、彼等の疲労は、一層はげしくなったばかりだった。 大隊長は、兵卒を橇にして乗・・・<黒島伝治「橇」青空文庫>
  6. ・・・「看護卒!」 どっかで誰れかが叫んだ。しかし、それも何故であるか分らなかった。そして、叫声は後方へ去ってしまった。「突撃! 突撃ッ!」 小さい溝をとび越したところで少尉は尻もちをついて、軍刀をやたらに振りまわして叫んでいた。・・・<黒島伝治「パルチザン・ウォルコフ」青空文庫>
  7. ・・・いまのうちに一つ、その酒なるものを飲んで置こう、何事も、経験してみなくては損である、実行しよう、という変な如何にも小人のもの欲しげな精神から、配給の酒もとにかくいただく、ビヤホオルというところへも一度突撃して、もまれてみたい、何事にも負けて・・・<太宰治「禁酒の心」青空文庫>
  8. ・・・私は三度も点呼を受けさせられ、そのたんびに竹槍突撃の猛訓練などがあり、暁天動員だの何だの、そのひまひまに小説を書いて発表すると、それが情報局に、にらまれているとかいうデマが飛んで、昭和十八年に「右大臣実朝」という三百枚の小説を発表したら、「・・・<太宰治「十五年間」青空文庫>
  9. ・・・砲煙弾雨の中に身命を賭して敵の陣営に突撃するのもたしかに貴い日本魂であるが、○国や△国よりも強い天然の強敵に対して平生から国民一致協力して適当な科学的対策を講ずるのもまた現代にふさわしい大和魂の進化の一相として期待してしかるべきことではない・・・<寺田寅彦「天災と国防」青空文庫>
  10. ・・・一方であの荒鷲のやうなニイチェは、もつと勇敢に正面から突撃して行き、彼の師匠が憎悪して居たところの、すべての Homo と現象に対して復讐した。言はばニイチェは、師匠の仇敵を討つた勇士のやうなものである。文部省の教科書でも、ニイチェは大に賞・・・<萩原朔太郎「ニイチェに就いての雑感」青空文庫>
  11. ・・・門の扉は左右に開き、喚声をあげて突撃して来る味方の兵士が、そこの隙間から遠く見えた。彼は閂を両手に握って、盲目滅法に振り廻した。そいつが支那人の身体に当り、頭や腕をヘシ折るのだった。「それ、あなた。すこし、乱暴あるネ。」 と叫びなが・・・<萩原朔太郎「日清戦争異聞(原田重吉の夢)」青空文庫>
  12. ・・・を粉砕しようと突撃して来るのです。 私は去る四月七日に検束され、はじまりのうちは『働く婦人』の問題などをゴトゴト調べられていたが、二ヵ月目ぐらいから中心が日本共産党へ金を出したとか出さぬとかいう、所謂「同情者」の問題に移りました。何とか・・・<宮本百合子「逆襲をもって私は戦います」青空文庫>
  13. ・・・そして、その負傷のしかたが、突撃中ではなく、而もいかにもまざまざと戦地の中に置かれた身の姿を思い描かしめるような事情においてであった。謂わば平凡な文字の上に、暗い河北省の闇とそこに閃く光が濃く且つ鋭く走ったような事情である。 あの顔に向・・・<宮本百合子「くちなし」青空文庫>
  14. ・・・五ヵ年計画の革命的意味を理解する精力的なプロレタリアートは各々の職場で能率増進の篤志労働団「突撃隊」を組織した。コムソモールは生産部門の全線に自分たちを動員して、党外勤労者と集団的結束をかためた。然し勤労者の中には「十月」以後ソヴェト同盟で・・・<宮本百合子「五ヵ年計画とソヴェトの芸術」青空文庫>
  15. ・・・だって、もうあの職場じゃ九十五パーセント突撃隊じゃないか! ソヴェトのプロレタリアートは雨傘なんてなしで「十月」をやりとげた。一九三〇年、モスクワの群集中にある一本の女持雨傘は、或る時コーチクの外套ぐらい階級性を帯びるのだ。 歩道の・・・<宮本百合子「三月八日は女の日だ」青空文庫>
  16. ・・・ これらの人々が、もし作品にあらわれた右翼的危険との闘争を一般同伴者的作家への突撃であるという風に勘違いをしたとすれば、それはまことに中條の論文における未熟さにおいて汗顔ものであると同時に、同志たちの立場としても、相当記憶にのこるべき滑・・・<宮本百合子「前進のために」青空文庫>
  17. ・・・もう年金を貰って楽に暮せる年だが、ソヴェトの世の中になって今こそやっと機械は働く者の仕合わせのためにまわるようになったのに、どうしてこの楽しい工場から隠居できようと、若い者にひけをとらぬ元気で突撃隊に加わり、五ヵ年計画完成のために働いている・・・<宮本百合子「ソヴェト同盟の三月八日」青空文庫>
  18. ・・・電気工の助手として働いている中に一九一七年に逢い、一九二七年、二十三歳で健康を失い四肢の自由を失うまでオストロフスキーは発電所の火夫から鉄道建設の突撃隊、軍事委員、同盟の指導等精力を尽して、組織が彼を派遣した部署に於て活動した。四肢の自由を・・・<宮本百合子「ヒューマニズムへの道」青空文庫>
  19. ・・・平和のために役立つ協定や条約をただの紙きれとしてしまおうとしている者たち、軍備の廃止のために協力するどころか、すでにおそるべき結果を生み出している軍事同盟政策に熱中して、西ドイツに、もとのヒットラーの突撃隊員をふくむ師団をつくった、極東の平・・・<宮本百合子「わたしたちには選ぶ権利がある」青空文庫>
  20. ・・・ガンベッタの兵が、あるとき突撃をし掛けて鋒が鈍った。ガンベッタが喇叭を吹けと云った。そしたら進撃の譜は吹かないで、rveil の譜を吹いた。イタリア人は生死の境に立っていても、遊びの心持がある。兎に角木村のためには何をするのも遊びである。そ・・・<森鴎外「あそび」青空文庫>
  21. ・・・独身生活を berufsmaessig に遣っている先生の退却した迹で、最後の突撃を加えなけりゃあならないからな。箕村だってそうだ。僕は何故にお稲荷さんが、特に女中をしていたお梅さんを抜擢したかということまで、神慮に立ち入って究めることは敢・・・<森鴎外「独身」青空文庫>
  22. ・・・最近遽に勃興したかの感ある新感覚派なるものの感覚に関しても、時にはまた多くの場合、此の狭小なる認識者がその狭小の故を以って、芸術上に於ける一つの有力な感覚なる賓辞に向って暴力的に突撃し敵対した。これは尤もなことである。さまで理解困難な現象で・・・<横光利一「新感覚論」青空文庫>