と‐まつ【塗抹】例文一覧 5件

  1. ・・・僅に数筆を塗抹した泥画の寸紙の中にも芸衛的詩趣が横溢している。造詣の深さと創造の力とは誠に近世に双びない妙手であった。十二 終焉及び内外人の椿岳蒐集熱 椿岳は余り旅行しなかった。晩年大河内子爵のお伴をして俗に柘植黙で通ってる・・・<内田魯庵「淡島椿岳」青空文庫>
  2. ・・・』『だから下手が飛び付いて描くのですよ、自分の力も知らないで、ただ景色のいいに釣られてやるのですからでき上がって見ると、まるで景色の外面を塗抹った者になるのです。』『自然こそいい迷惑だ、』と自分は笑った。高台に出ると四辺がにわかに開・・・<国木田独歩「小春」青空文庫>
  3. ・・・けれども一線一画の瞬間作用で、優に始末をつけられべき特長を、とっさに弁ずる手際がないために、やむをえず省略の捷径を棄てて、几帳面な塗抹主義を根気に実行したとすれば、拙の一字はどうしても免れがたい。 子規は人間として、また文学者として、最・・・<夏目漱石「子規の画」青空文庫>
  4. ・・・近頃日本でも美顔術といって顔の垢を吸出して見たり、クリームを塗抹して見たりいろいろの化粧をしてくれる専門家が出て来ましたが、ああいう商売はおそらく昔はないのでしょう。今日のように職業が芋の蔓みたようにそれからそれへと延びて行っていろいろ種類・・・<夏目漱石「道楽と職業」青空文庫>
  5. ・・・この壁の周囲をかくまでに塗抹した人々は皆この死よりも辛い苦痛を甞めたのである。忍ばるる限り堪えらるる限りはこの苦痛と戦った末、いても起ってもたまらなくなった時、始めて釘の折や鋭どき爪を利用して無事の内に仕事を求め、太平の裏に不平を洩らし、平・・・<夏目漱石「倫敦塔」青空文庫>