とみ‐くじ【富×籤】例文一覧 4件

  1. ・・・実は過日家を出てから、もうとても今じゃあ真当の事ア遣てる間がねえから汝に算段させたんで、合百も遣りゃあ天骰子もやる、花も引きゃあ樗蒲一もやる、抜目なくチーハも買う富籤も買う。遣らねえものは燧木の賭博で椋鳥を引っかける事ばかり。その中にゃあ勝・・・<幸田露伴「貧乏」青空文庫>
  2. ・・・江戸の小咄にも、あるではないか。富籤が当って、一家狂喜している様を、あるじ、あさましがり、何ほどのこともないさ、たかが千両、どれ銭湯へでも行って、のんびりして来ようか、と言い澄まして、銭湯の、湯槽にひたって、ふと気がつくと、足袋をはいていた・・・<太宰治「春の盗賊」青空文庫>
  3. ・・・この男がその壮遊をしたのは、富籤に当ったのではない。また研究心に促されて起ったのでもない。この店の給仕頭は多年文士に交際しているので、人物の鑑識が上手になって、まだ鬚の生えない高等学校の生徒を相して、「あなたはきっと晩年のギョオテのような爛・・・<著:ダビットヤーコプ・ユリウス 訳:森鴎外「世界漫遊」青空文庫>
  4. ・・・娘の嫁入は恰も富籤を買うが如し。中るも中らざるも運は天に在り。否な、夫の心次第にて、極楽もあり地獄もあり、苦楽喜憂恰も男子手中の玩弄物と言うも可なり。斯くまでに不安心なる女子の身の上に就き、父母たる者が其行末を案じて為めに安身立命の法を講ず・・・<福沢諭吉「新女大学」青空文庫>