とむら・う〔とむらふ〕【弔う】例文一覧 7件

  1. ・・・丁度風交りの雨がドシャドシャ降った日で、一代の皮肉家緑雨を弔うには極めて相応しい意地の悪い天気であった。 緑雨の全盛期は『国会新聞』時代で、それから次第に不如意となり、わざわざ世に背き人に逆らうを売物としたので益々世間から遠ざかるように・・・<内田魯庵「斎藤緑雨」青空文庫>
  2. ・・・は遺言どおりこの百円はお前に渡すから確かに受け取っておくれ』と叔父の出す手をお絹は押しやって『叔父さんわたしは確かに受け取りました吉さんへはわたしからお礼をいいます、どうかそれで吉さんの後を立派に弔うてください、あらためてわたしからお頼・・・<国木田独歩「置土産」青空文庫>
  3. ・・・そしてそれらの勇士を弔う唱歌の女学校生徒の合唱などがいっそう若い頭を感傷的にしたものである。一つは観客席が暗がりであるための効果もあったのである。同じ効果は活動写真の場合においても考慮に加えらるべきであろう。 疾くに故人となった甥の亮が・・・<寺田寅彦「映画時代」青空文庫>
  4. ・・・ 終末の幕切れに教授の死を弔う学生の「アーメン」にいたっては、蛇足にサボをはかせたようなものではないかと思われた。 大学教授連盟とかいう自分にはあまり耳慣れない名前の団体から、このような芝居は教育界の神聖を汚すものだと言って厳重な抗・・・<寺田寅彦「自由画稿」青空文庫>
  5. ・・・「カントは活力論を著せり、余は反って活力を弔う文を草せんとす。物を打つ音、物を敲く音、物の転がる音は皆活力の濫用にして余はこれがために日々苦痛を受くればなり。音響を聞きて何らの感をも起さざる多数の人我説をきかば笑うべし。されど世に理窟をも感・・・<夏目漱石「カーライル博物館」青空文庫>
  6. ・・・ 古来の習慣に従えば、凡そこの種の人は遁世出家して死者の菩提を弔うの例もあれども、今の世間の風潮にて出家落飾も不似合とならば、ただその身を社会の暗処に隠してその生活を質素にし、一切万事控目にして世間の耳目に触れざるの覚悟こそ本意なれ。・・・<福沢諭吉「瘠我慢の説」青空文庫>
  7. ・・・これは老人や妻子を弔うためだとは言ったが、実は下人どもに臆病の念を起させぬ用心であった。 阿部一族の立て籠った山崎の屋敷は、のちに斎藤勘助の住んだ所で、向いは山中又左衛門、左右両隣は柄本又七郎、平山三郎の住いであった。 このうち・・・<森鴎外「阿部一族」青空文庫>