とり‐かこ・む【取(り)囲む】例文一覧 2件

  1. ・・・山も峰も、雲深くその空を取り囲む。 境は山間の旅情を解した。「料理番さん、晩の御馳走に、その鯉を切るのかね。」「へへ。」と薄暗い顔を上げてニヤリと笑いながら、鳥打帽を取ってお時儀をして、また被り直すと、そのままごそごそと樹を潜って廂に隠・・・<泉鏡花「眉かくしの霊」青空文庫>
  2. ・・・種々雑多な苦痛や喜悦や、恍惚が、彼女の囲りを取囲むだろう。その中に、何か一つの重大な問題に面接しなければならない事に成ったとする。勿論彼女は驚く、疑う、解決を得ようとするだろう、大切な事は、この時彼女が終始自分を失わず、行くべき方向を遠望し・・・<宮本百合子「概念と心其もの」青空文庫>