とり‐つけ【取(り)付け】例文一覧 11件

  1. ・・・「総合」「取り付け」の仕事がこれからようやく始まる。すなわち芸術家としての映画監督の主要な仕事としてのいわゆるモンタージュの芸術が行なわれるのである。 シナリオを書くまでは必ずしも映画の技術に精通しない素人でも多少「映画的表現」すなわち・・・<寺田寅彦「映画芸術」青空文庫>
  2. ・・・ モンタージュはすなわちモンテーであり、マウンティングであり、日本語では取り付け、取り合わせ、付け合わせ、あしらいである。花を生けるのもこれである。試みに西川一草亭一門の生けた花を見れば、いかに草と木と、花と花と、花と花器とのモンタージ・・・<寺田寅彦「映画雑感(1[#「1」はローマ数字、1-13-21])」青空文庫>
  3. ・・・ ネオンサインもあっちこっちとむやみにふえるが、このほうは建築とちがって一夜にでもわずかな費用で取り付けられる。そのかわりにまたわずかに数分間でもはげしい降雹があれば半分通りはみごとにたたきこわされるであろう。考えてみるとネオン燈がはや・・・<寺田寅彦「銀座アルプス」青空文庫>
  4. ・・・ だれが考えたものか知らないが、この鉄片はとにかく靴のかかとの磨滅を防ぐために取り付けたものには相違ない。しかし元来靴というものは、「靴自身のかかとのすり減らないためにはくもの」ではなくて、生身の足を保護するためにはくものである。もし足・・・<寺田寅彦「試験管」青空文庫>
  5. ・・・ いよいよ西洋へ出発となって神戸まで行ったらあす船に乗るという日に、もう前歯の前面に取り付けた陶器の歯が後面の金板から脱落した。あわてて神戸の町を歩いて歯医者を捜してやっと応急取り付け法を講じてもらったが、ベルリンへ着いてまもなくまたい・・・<寺田寅彦「自由画稿」青空文庫>
  6. ・・・ 実はよほど前に、便所に取り付けてある同じ型のスイッチが、やはり同じ局部の破損のために役に立たなくなって、これもその当座自分で間に合わせの修理をしたままで、ついそれなりにしておいたのである。取り付けてからまだ三年にもならないうちに二個ま・・・<寺田寅彦「断水の日」青空文庫>
  7. ・・・ 木の板の上に鉄のばねを取り付けた捕鼠器もいくつか買って来て仕掛けた。はじめのうちはよく小さな子ねずみが捕れた。こしらえ方がきわめてぞんざいであるから少し使うとすぐにぐあいが悪くなる。それを念入りに調節して器械としての鋭敏さを維持する事・・・<寺田寅彦「ねずみと猫」青空文庫>
  8. ・・・棒の先にゴムの椀のようなものが取付けてある。この椀を流し口の穴の上に俯向きに当てて、押したり放したり押したりまた放したりする。流し口の穴のつまったのをこうして疎通させる工夫と見える。流しの鉛管をつまらせる事は日本人の特長であるらしい。 ・・・<寺田寅彦「病院風景」青空文庫>
  9. ・・・煙突と並行して鉄の梯子が取り付けてあるのによくすずめの群れが来て遊んでいる。まず一羽飛んで来て中段に止まる。あとからすぐに一羽追っかけて来て次の段にとまる。第三のが来て空中で羽ばたきしながら前の二羽に何か交渉しているらしく見える。けんかが始・・・<寺田寅彦「藤棚の陰から」青空文庫>
  10. ・・・そうして便所へはいろうとする時に、そこの開き戸を明ける前に、柱に取付けてある便所の電燈のスウィッチをひねる。 それが冬だと何事もないが、夏だと白日の下に電燈の点った便所の戸をあけて自分で驚くのである。 習慣が行為の目的を忘れさせると・・・<寺田寅彦「鑢屑」青空文庫>
  11. ・・・杉の生垣の切れた処に、柴折戸のような一枚の扉を取り付けた門を這入ると、土を堅く踏み固めた、広い庭がある。穀物を扱う処である。乾き切った黄いろい土の上に日が一ぱいに照っている。狭く囲まれた処に這入ったので、蝉の声が耳を塞ぎたい程やかましく聞え・・・<森鴎外「カズイスチカ」青空文庫>