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ない‐しょう【内証】 の意味

  1. 仏語。自己の心の内で真理を悟ること。内面的な悟り。
  1. 表向きにせず、内々にしておくこと。外部には隠しておくこと。また、そういう意向。内密。ないしょ。
    • 「―にてのお掛合いも愈 (いよいよ) 手切と相成り候間」〈芥川・糸女覚え書〉
「商売の元手をとらすべしと、この―を両方へ聞かせしに」〈浮・桜陰比事・五〉
  1. 表向きでないところ。奥の間。特に、勝手、台所。また、そのやりくり。内々の経済状態。家の暮らし向き。ないしょ。「―は火の車だ」
  1. 遊女屋の、主人のいる所。また、主人。ないしょ。
    • 「―の千臆 (ちおく) さんへ…伝言をたのまれやしたから」〈魯文安愚楽鍋
  1. 内輪の事情。内々のようす。内情。
    • 「扇風かたへ参りて―を吹き込みければ」〈浮・禁短気・一〉
  1. 他人の妻を敬っていう語。内室。
    • 「塩冶が―顔世の頼み」〈浄・忠臣蔵
  1. 内輪の者。みうち。親族。
    • 「世間、―ともに心を付けぬるかはゆさに」〈浮・一代男・六〉

ない‐しょう【内証】の慣用句

  1. ないしょうちょう【内証帳】
    • 私的な事柄が書いてある帳面。
      「玉川千之丞―の事」〈浮・男色大鑑・五〉
  1. ないしょうむき【内証向き】
    • 家計に関すること。勝手向き。
      「―はいざ知らず、福々しくぞ見えし」〈滑・古朽木〉
  1. ないしょうよし【内証善し】
    • 財政状態がよいこと。また、その人。
      「利発なる商人あり。―と世間の見立て違はず」〈浮・桜陰比事・三〉
  • ない‐しょう【内証】の例文

    出典:青空文庫

    • ・・・宗門の内証に背くものとして、呵責を加うる事数日なり。

      芥川竜之介「るしへる」

    • ・・・いずれ、主人の方から、内証で入費は出たろうが、金子にあかして、その頃の事だから、人買の手から、その年月の揃ったという若い女を手に入れた。

      泉鏡花「絵本の春」

    • ・・・そうに、背へ投げて掻上げつつ、「この髪をむしりたくなるような思いをさせられるに極ってるけれど、東京へ来たら、生意気らしい、気の大きくなった上、二寸切られるつもりになって、度胸を極めて、伯母さんには内証ですがね、これでも自分で呆れるほど、・・・

      泉鏡花「女客」